2013年10月8日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)の子会社で海外制御事業を統括するヨコガワ・エレクトリック・インターナショナル(本社:シンガポール、社長:黒須 聡)は、中国の大手エンジニアリング会社であるシノペック サービス(以下、SIPSC)※1から、サウジアラビア海水淡水化公社(以下、SWCC)※2が、ヤンブー及びメディナ間に新設する給水パイプライン設備向け監視システムを受注しましたのでお知らせします。SIPSCから給水パイプラインプロジェクトを受注したのは、今回が初めてです。
ヤンブーはサウジアラビア西部メディナ州の沿岸部に位置するサウジアラビア有数の工業都市で、メディナは人口110万を擁するその州都です。今回新設される給水パイプラインは、ヤンブーの海水淡水化プラントでつくられた上水をヤンブー、メディナおよびその周辺地域に給水するもので、給水量は日量70万9,000 立方メートル、総敷設距離は610kmに及びます。SIPSCが手掛ける海外の給水パイプライン設備としては、最大規模のプロジェクトです。
今回YOKOGAWAが納入する製品は、給水パイプラインを統合監視するSCADA※3ソフトウエア「FAST/TOOLS(ファースト/ツールズ)」、ネットワークベース生産システム「STARDOM™(スターダム)」、および計装設備の状態監視やオンライン診断を行う統合機器管理ソフトウエアパッケージ「PRM®(ピーアールエム)」です。これに加えパイプラインからの漏水を検知するシステムや設備間を結ぶ遠隔通信システムも合わせて納入します。これらの製品やそのエンジニアリング、据え付け、試運転を含むプロジェクト全体の遂行は、ヨコガワ・エレクトリック・インターナショナルが行います。納入時期は2014年7月、稼働は2014年8月の予定です。
このプロジェクトをSIPSCから受注できた主な要因としては、中国を本拠とするSIPSC、サウジアラビアのSWCCに対し、技術提案から納入後のオペレータトレーニングを含むアフターサービスまで現地できめ細かに対応できる当社のグローバルな体制が高く評価されたことが挙げられます。
さらに、中東の発電プラントや海水淡水化プラント等における当社の豊富な実績、これらの実績を基盤とした高い技術提案力もSIPSCから高く評価されました。
中東や新興国においては、近年の急速な工業化、特に都市部における人口急増に伴う水不足への対応が喫緊の課題となっており、多くの海水淡水化プラントや給水パイプラインの建設が計画されています。当社は今回の受注を弾みに、SIPSCをはじめ海外ビジネスを積極的に推進するEPC※4への実績を重ね、水インフラ市場における制御ビジネスの拡大を目指します。
※1:シノペック サービス(Sinopec International Petroleum Service Corporation, SIPSC)
世界有数の石油・石化企業グループであるシノペック・グループの子会社で、中国国外における石油・石化関連プロジェクトのマネジメント、エンジニアリング、技術サービス等を行う。
※2:サウジアラビア海水淡水化公社 (Saline Water Conversion Corporation, SWCC)
サウジアラビア王国の水・電力省傘下で海水淡水化と水輸送を担う公社。
※3:SCADA (Supervisory Control And Data Acquisition)
プロセスの監視、制御を行うシステムの一種。
※4:EPC
Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)を担当する会社。
以上
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