2014年2月4日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、プラントで使用される有線フィールド機器や分析計などに取り付けることで、ISA100 Wireless™※に準拠した機器として使用できるマルチプロトコルアダプタを開発しましたのでお知らせします。
第1弾として有線HART®通信に対応した機種を2014年5月から、RS485 Modbus通信に対応した機種を2014年7月から発売します。当社は今後、対応する有線フィールド通信規格を順次増やし、プラントにおけるフィールド無線システムの普及と発展に努めてまいります。
マルチプロトコルアダプタ
マルチプロトコルアダプタ開発の背景
フィールド無線システムは、プラントに設置されるフィールド機器や分析計などと、監視・制御システムなど上位のシステムとの間の通信を無線化するシステムです。無線通信には、配線が困難な場所にフィールド機器等を設置できる、通信ケーブルや敷設コストが削減できるなど多くのメリットがあります。当社は、無線通信技術をプラントのどこでも適用できる環境を表す「Wireless Anywhere(ワイヤレス エニウエア)」をコンセプトとして、ISA100 Wirelessを普及させるための施策と適合機器の開発に取り組んでいます。マルチプロトコルアダプタの開発は、この施策の一つです。
マルチプロトコルアダプタの特長
プラントでは、温度、圧力、レベル(液位)、振動の監視やガス検知などにさまざまなフィールド機器や分析計などが使用されています。マルチプロトコルアダプタは、当社や他のメーカが提供する有線のフィールド機器や分析計などに取り付けることでISA100 Wirelessに準拠した機器として使用できるようにするものです。これにより、フィールド無線システムを構築できるフィールド機器や分析計などの種類が大きく増えます。
- マルチプロトコル対応
まず第1弾として、プラントで多く使用されている有線HART通信用の機種とRS485 Modbus通信用の機種を提供します。今後、FOUNDATION™ フィールドバス、PROFIBUSなど、多様な有線フィールド通信規格のフィールド機器や分析計などに対応した機種を順次開発する予定です。 - アダプタからフィールド機器や分析計などへの給電が可能
アダプタに内蔵する電池でフィールド機器や分析計などへ給電できますので、給電用のケーブルも含めて配線が不要になります。電池には、当社の無線フィールド機器と同じ大容量のリチウムイオン電池を使用していますので、長期間の使用が可能です。また、電池残量の推測値を日数換算して上位システムに表示できます。 - 屋外型・防爆型をラインアップ
防塵・防水に対応した屋外型や、引火性のガスがある場所で使用できる防爆型のマルチプロトコルアダプタも順次発売する予定です。これにより、プラントのさまざまな環境で使用することが可能になります。
主な市場
石油、石油化学、化学、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼などのプラント
用途
上記プラントで使用される有線フィールド機器や分析計などのISA100 Wireless準拠機器化
フィールド無線分野における当社の取り組み
当社は、高度な制御技術が必要な連続工程への無線通信技術の導入と最適なフィールド機器をお客様が自由に選択できる環境を整えることを目指し、2010年7月にISA100.11a準拠のフィールド無線用システム機器と無線フィールド機器を世界で初めて製品化しました。また、2012年7月には、大規模・高信頼なプラント向けのフィールド無線システムを製品化し、監視・制御への適用を視野に無線技術および対応機器の開発に取り組んでいます。
ISA100.11aには、高い信頼性、アプリケーションの多様性、ネットワークの拡張性、FOUNDATIONフィールドバス、HART、PROFIBUSなどの有線通信規格との高い整合性を持つという特長があります。現在、国際標準規格案「IEC62734」としてIEC(国際電気標準会議)で審議されています。
当社は、今後も「Wireless Anywhere」のコンセプトに基づき、ISA100 Wirelessに準拠した無線フィールド機器の拡充に努めるとともに、無線通信技術の普及に取り組んでまいります。
※ ISA100 Wireless:
ISAが推進するフィールド無線通信規格ISA100.11aに基づく通信技術とそれを実現するアプリケーション
本文中で使用されている会社名、団体名、商品名等は、各社又は各団体の登録商標または商標です。
以上
本件に関するお問い合わせ
- 製品に関するお問い合わせ・資料請求先
横河電機株式会社 IAプラットフォーム事業本部 新分野開発センター 無線ソリューション部 - 本プレスリリースに関するお問い合わせ先
横河電機株式会社 コーポレート・コミュニケーション室