2014年8月11日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、業界最高クラスの温度分解能で業界最長クラスの長距離を測定できる光ファイバ温度センサ「DTSX®3000」を開発、8月12日から販売を開始します。
「DTSX3000」は、光ファイバ50km(当社従来製品比8倍)を1m間隔で高分解能に測定します。タンクなど大型の生産設備における液体・ガス漏れの検知や、長距離電力線の異常発熱の検知など、長距離・広範囲に渡る温度分布の監視でプラントや社会インフラの保全に貢献します。
DTSX3000
開発の背景
当社の光ファイバ温度センサDTSX®200は、非在来型の石油・天然ガス井戸内部に挿入して地中の温度変化を測定、ガス回収のための制御に活用されています。また最近は、パイプラインやタンクにおける高温・低温の液体・ガスの漏れ検知や、石炭やパルプチップを運搬するベルトコンベアの異常発熱の検知など、温度を監視することで設備保全に役立てられています。従来の監視カメラ画像による確認や、熱電対、測温抵抗体などの温度センサを多数設置して温度を監視する場合と比べ、光ファイバ温度センサは測定対象の形状に沿って敷設でき、保全員はPC上で温度分布を把握することができます。そのため、万が一異常が発生しても、発生場所をひと目で特定し、迅速な初動を取ることが可能です。
このたび当社は、従来以上に微小な温度変化も見逃したくない、1台でもっと長距離、広範囲の温度分布監視を行いたいというお客様の要望に応え、長距離測定と高い温度分解能の「DTSX3000」を開発しました。
製品の特長
- 業界最長クラスの長距離測定
従来、光ファイバ温度センサを使って6kmより長い距離の温度分布を測定する場合は、複数台設置する必要がありましたが、「DTSX3000」は、従来製品比8倍の光ファイバ50kmの測定が可能です。長距離電力線、高温・低温の液体・ガスを輸送するパイプラインやこれらを貯蔵するタンクなど大型設備表面の温度分布の測定に最適です。 - 業界最高クラスの温度分解能
シェールガス開発で、地中深くの岩盤を水圧で破砕して割れ目を入れる際に地層の温度分布を測定するためには、温度変化が微小なため高い温度分解能のセンサが求められます。「DTSX3000」は、6kmの光ファイバを10分間測定した場合の温度分解能が、従来製品比20分の1以下の0.03℃と業界最高クラスです。岩盤破砕時から、ガス回収中の井戸内部の温度監視まで活用できます。
主な市場
石油・天然ガス、紙パルプ、鉄鋼、電力、非鉄、化学プラント
用途
- 非在来型石油・天然ガスの開発・生産時の地中温度計測
- 複数坑井の温度分布監視
- ベルトコンベア等の火災検知
- 長距離電力線の温度分布監視
- パイプライン、タンク等の漏れ検知
- 鉄鋼・化学などの高温炉外壁の温度分布監視
以上
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