2015年6月30日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、フィンランドのチップマンテクノロジーズ(Chip-Man Technologies Oy:以下、CMT社)※から非染色画像解析技術を譲り受けましたのでお知らせします。これまで、非染色生細胞の観察は顕微鏡などを用いた目視により行われ、詳細な解析は極めて困難でしたが、本技術の導入により、蛍光染色された生細胞同様の詳細なコンピュータ解析が可能になります。
技術獲得の背景
生細胞を顕微鏡で観察する場合、とくに基礎研究段階においては、細胞を観察しやすいようにさまざまな方法で染色し、レーザー等を照射します。しかし、それによって細胞が光毒性など何らかの影響を受け変質する可能性があります。そこで、実用段階に近い前臨床・臨床の分野では細胞の活動をより生体に近い状態で観察するために、レーザー等の照射を必要としない非染色での観察が求められます。また、培養細胞を人体に移植する場合においても非染色細胞が求められるため、「不妊治療の受精卵培養時」や「再生医療における分化細胞の凝集・組織化時」の品質・安全性の管理、あるいは、「iPS細胞樹立時の細胞の選別」に利用できます。
獲得技術の概要
今回獲得した技術は、特殊な光学系システムを構築することなく、通常の顕微鏡などによる非染色生細胞画像からのコンピュータでの詳細解析を可能にするものです。当社は、主として蛍光染色が問題ない基礎研究段階での生細胞観察に共焦点スキャナを提供していますが、今回、非染色画像解析技術を獲得することにより、前臨床・臨床段階に対してもソリューションを提供できるようになります。今後は、この強みを生かし、急拡大が見込まれる「再生医療・iPS細胞分野」におけるビジネスの一層の拡大を目指します。
主な技術の応用先
再生医療・iPS細胞・創薬などの分野での前臨床・臨床段階における生細胞の非染色での画像解析
※ チップマンテクノロジーズ(Chip-Man Technologies Oy):
フィンランドに本社を置く2002年創業の有限会社。医学・創薬分野向けに細胞を培養しながら観察可能な顕微鏡や、今回取得の非染色画像の解析技術を有する。同社の製品は再生医療や医薬品候補物質の評価試験などで欧州を中心に世界で広く使われている。
以上
本件に関するお問い合わせ
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