2015年11月4日発表
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都武蔵野市 社長:山崎 正晴)は、差圧・圧力伝送器、信号変換器、調節計、温度伝送器、温度センサなどの計装機器の校正や点検に使用される、ハンディタイプの単機能なプロセスキャリブレータとしては業界最高クラスの高精度を実現した単機能プロセスキャリブレータ「CA300シリーズ」3機種を、11月6日に発売しますのでお知らせします。
「CA300シリーズ」は、電圧・電流キャリブレータ「CA11E」と温度キャリブレータ「CA12E」の後継機種です。発生・測定精度を向上すると同時に、機能・性能面で同等クラスの他社製品と比較して低価格を実現しました。当社は本製品の発売により、キャリブレータビジネスの拡大を目指します。
プロセスキャリブレータ「CA300シリーズ」
CA310(左)、CA320(中央)、CA330(右)
開発の背景
石油・石油化学などのプラントや、産業機械、製造装置に組み込まれる計装機器には、正確さを保つために定期的な校正や点検が求められます。プロセスキャリブレータは、こうした計装機器の動作確認や校正を現場で行うための測定器です。
近年、プラントの安定操業や安全性確保への意識の高まりを受け、保守や点検の重要性が増しており、質の高い作業をより効率よく行えるプロセスキャリブレータが求められています。また、計装機器の高精度化に伴い、プロセスキャリブレータにも一層の高精度化、高性能化が要求されています。
これらのニーズに応え、従来製品の電圧・電流キャリブレータ「CA11E」と温度キャリブレータ「CA12E」の後継機種として、発生・測定精度を業界最高クラスに向上させた「CA300シリーズ」3機種を開発しました。
3機種の特長
- 電圧・電流キャリブレータ「CA310」
制御ループチェックと機器の動作確認に特化したプロセスキャリブレータです。ハンディタイプの電圧・電流キャリブレータとしては業界最高クラスで、従来製品「CA11E」の3倍に相当する誤差±0.015%rdg※の高確度で、電流・電圧の発生・測定を行えます。また、HART通信とBRAIN通信に対応しました。
※rdgはreadingの略で、測定値に対する誤差を表す。 - 熱電対キャリブレータ「CA320」
熱電対の点検・校正に特化したキャリブレータです。ハンディタイプの熱電対キャリブレータとしては業界最高クラスで、従来製品「CA12E」の3倍に相当する、誤差±0.5℃の高確度で、熱起電力の発生とセンサの出力測定を行えます。また、JIS(日本工業標準調査会)規格とIEC(国際電気標準会議)規格に対応した熱電対に加え、DIN(ドイツ規格協会)規格、ASTM(米国材料試験協会)規格、GOST-R(ロシア国家標準規格)の熱電対にも対応しました。これらの規格で規定されている合計16種類の熱電対の点検・校正が可能になりました。 - 測温抵抗体キャリブレータ「CA330」
測温抵抗体の点検・校正に特化したプロセスキャリブレータです。ハンディタイプの測温抵抗体キャリブレータとしては業界最高クラスで、従来製品「CA12E」の2倍に相当する、誤差±0.3℃の高確度で、抵抗値の発生とセンサの出力測定を行えます。また、JIS規格とIEC規格に対応した測温抵抗体に加え、今回GOST-Rの測温抵抗体にも対応しました。これらの規格で規定されている合計14種類の測温抵抗体の点検・校正が可能です。さらに、2線式、3線式の測温抵抗体に加え、今回4線式の測温抵抗体にも対応しました。
主な市場
石油、ガス、石油化学、化学、鉄鋼、紙パルプ、電力、上下水、製薬などの各種プラントにおける計装機器や産業機械、製造装置の保守・点検
用途
スタートアップや定期点検における
- 制御ループチェック
- バルブ開閉テスト
- 温度調節計、温度センサの校正・動作確認など
今後の取り組み
当社は、電気機器の開発や生産ラインでのテストなどに使用される高精度測定器の技術を生かし、プラントで使用される機器の保守・点検に使用するプロセスキャリブレータを1988年に開発、発売しました。その後、計装信号用(直流電流・電圧)、温度用、圧力用の各種キャリブレータを発売してきましたが、このたび、使い勝手とコストパフォーマンスを追求した単機能タイプの従来製品「CA11E」「CA12E」の後継機種として、計装機器の性能向上に合わせ高精度な測定を実現した3機種を発売します。今後もプラントの保守・点検における作業の効率化や質の向上に貢献する製品を提供してまいります。
以上
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