横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

フォグコンピューティングの先端技術をもつシリコンバレーのベンチャー企業に資本参加

2016年7月28日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、フォグコンピューティングの先端技術をもつ米国のベンチャー企業であるFogHorn Systems, Inc.(フォグホーンシステムズ)に出資しましたのでお知らせします。当社はこの資本参加により、フォグコンピューティングに関する技術開発を支援するとともに、将来的にはフォグコンピューティングを活用して自社のソリューションを拡充させていくことを目指します。

 クラウドコンピューティングの活用が広がり、膨大な機器がクラウドコンピュータに接続されていくなかで、クラウドへのデータの集中によるトラフィックの負荷増大やデータ処理の遅延が将来的に発生する可能性が指摘されています。この問題を解決する技術のひとつとして、クラウドコンピューティングを階層化した新しい概念であるフォグコンピューティングに注目が集まっています。

 FogHorn Systems, Inc.はシリコンバレーに本拠を置くベンチャー企業で、フォグコンピューティングを実現する中核ソフトウエアの開発に早くから着手し同分野の先端技術を有しています。同社は、IoTを推進するさまざまな企業から注目されており、このたびのMarch CapitalとGE Venturesの調整による増資にあたり、当社をはじめRobert Bosch Venture Capital GmbH、Darling Venturesなどが合計1200万ドルの出資を行いました。当社の出資額は90万ドルです。

 当社は、制御事業において、現場のセンサから制御システム、製造実行システム(MES)、経営情報システムに至る幅広い領域で、お客様の操業効率の改善、資産の有効活用、安全性の向上などに貢献するソリューションを提供しています。この分野でもIndustrial IoTの活用が進んでいますが、ネットワークの末端においてリアルタイム処理や分散処理が可能なフォグコンピューティング技術は、制御分野でIndustrial IoT(IIoT)の活用範囲を大きく広げる可能性をもっています。

 当社は、今回の資本参加により、プロセス制御やプラント運用に関する知識やノウハウをFogHorn Systems, Inc.に提供しフォグコンピューティングの技術開発支援を行うとともに、同社からフォグコンピューティングの最先端の技術情報を入手します。将来的には、フォグコンピューティングを活用して自社のソリューションを充実させることを目指します。

 当社は長期経営構想において、「YOKOGAWAは“Process Co-Innovation”を通じて、お客様と共に明日をひらく新しい価値を創造します。」をビジョンステートメントに掲げています。“Process Co-Innovation”とは、プロセスの最適化を生産工程にとどめることなく、企業内のバリューチェーンや企業間のサプライチェーンなど、あらゆる情報やモノの流れへと拡大し、お客様とともに新しい価値を創造するYOKOGAWAのソリューション全般を表したものです。Industrial IoTの活用は、“Process Co-Innovation”を実現する重要な鍵となります。

 YOKOGAWAは、コーポレート・ブランド・スローガンであるCo-innovating tomorrow™のもと、 “Process Co-Innovation”を実現し、お客様とともに新たな価値を創造し成長することを目指してまいります。

※ フォグコンピューティング:
クラウドへの一極集中を避け、クラウドとデバイス(現場の機器)の間にフォグと呼ばれる分散処理を行う階層を設けるシステムアーキテクチャの概念です。デバイスの近くで一部の演算や処理を実行し、必要なデータのみクラウドに送ることにより、通信の遅延や揺らぎ(到着時間のばらつき)を排除したシステムを構築でき、IoTの応用範囲を格段に広げる技術として注目されています。

以上

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