2016年8月24日発表
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都武蔵野市 社長:山崎 正晴)は、プレシジョンパワーアナライザ「WT1800Eシリーズ」を開発、8月25日から発売しますので、お知らせします。
「WT1800Eシリーズ」は、2011年に発売して以来、世界各国のお客様に広くご利用いただいた「WT1800シリーズ」の後継機種として開発しました。今回は、測定精度を向上させるとともに、最先端の技術開発に取り組むお客様の最新のニーズに対応し、新たな機能・オプションを追加しました。 当社は本製品の発売により、電気自動車(EV)をはじめとするエコカーや太陽光・風力発電などの大容量化が進む新エネルギー関連機器の性能向上を支援し、電力測定分野でのビジネスの拡大を図ります。
プレシジョンパワーアナライザ「WT1800Eシリーズ」
開発の背景
近年、自然環境に配慮したEV、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、太陽光・風力発電に代表される新エネルギー関連機器の開発が進んでいます。これらの開発現場においては、エネルギー効率を正確な電力測定によって確実に把握しなければなりません。
エネルギー効率向上の鍵となる電力変換装置(インバータ)の開発では、変換過程における電力損失を抑えるための変換効率の改善が求められます。高い変換効率を得るためには、電力測定器に対しても高い測定性能が必要とされます。また、EVなどエコカーの高性能化に大きく寄与する要因の一つに、モータの消費電力の低減が挙げられます。家電や機械などに用いられる多くのモータは回転数が固定されて使われますが、EV用モータの回転数は常に変化するため、消費電力を正確に把握するには、回転数が変化しても連続して測定できることが求められます。
当社は、こうしたお客様のニーズに対応して「WT1800Eシリーズ」を開発しました。
製品の特長
- 測定精度を向上
商用周波数50/60ヘルツ(Hz)において、電力基本確度を従来製品WT1800の±0.15%から、±0.1%に約30%向上しました。また、0.1Hz~10Hzの低周波数において、従来製品の±0.5%から±0.18%に約60%向上しました。幅広い周波数帯域で精度の高い測定が可能になります。 - 周波数が変動する機器の連続測定に対応
EV用モータのように回転数が変化する機器を測定するには、回転数の変化に伴い入力信号の周波数が変動するため、その都度、測定時間(データ更新周期)※を変更する必要があり連続測定が困難でした。当社は「WT1800Eシリーズ」に対し、入力信号の周波数に追従して自動でデータ更新周期を変更する機能を追加しました。これにより、連続で測定ができるようになります。
※測定時間(データ更新周期):入力信号の周波数と連動するので事前設定が必要です。 - 大電流の測定に外部電流センサ用電源搭載(オプション)
EVやPHVを発進、加速させるためには、数百アンペア(A)以上の大電流が必要です。また、太陽光発電や風力発電の大容量化が進み、大電流の測定が要求されています。大電流の測定には、電力測定器本体、電流センサおよびその外付け電源を組み合わせる必要がありました。今回、「WT1800Eシリーズ」のオプションとして、本体に内蔵できる電流センサ用電源と専用アクセサリをラインアップしました。大電流測定システムがシンプルな構成になり、耐ノイズ性能が高いシステムが省スペースで実現します。
主な市場
自動車関連市場、新エネルギー関連市場、データセンター関連市場
用途
- 電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池車(FCV)のインバータ・モータの開発における電力効率測定や、生産における品質評価
- 太陽光発電、風力発電向けインバータの開発における電力効率測定や評価試験
- データセンターのサーバや空調機器の開発、消費電力監視
電力測定器分野における当社の取り組み
YOKOGAWAは、1970年から電子式電力測定器の開発・販売を始めた、この分野における先駆的メーカの1社です。現在では、日本・海外ともにシェアNo.1※の地位を確立し、お客様の製品開発や生産現場における消費電力測定、電力の効率測定などを通じて省エネルギー化への取り組みを支援してきました。今後も、市場の要求に迅速かつ的確に対応した製品を提供し、持続可能な社会の実現に努めてまいります。
※2016年8月現在、当社調べ
以上
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