2016年9月30日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、中位機種ながら上位機種と同様に、端子台と電子回路を隔壁で仕切って2室構造にしたことで、優れた耐環境性を実現した温度伝送器「YTA610」を開発、10月3日から販売を開始しますのでお知らせします。
温度伝送器YTAシリーズは、従来製品「YTA110」「YTA310/YTA320」から、今回発売する中位機種の「YTA610」と5月に発売した上位機種「YTA710」の2機種に刷新されます。当社はラインアップ刷新を機に、温度伝送器YTAシリーズのさらなる拡販に努めます。
温度伝送器「YTA610」
開発の背景
温度伝送器は、石油・天然ガス、石油化学、化学、電力などのプラントにおいて、熱電対や測温抵抗体などの温度センサで測定した温度を電気信号に変換して、監視制御システムに送信するために使用される計器です。YTAシリーズは、耐環境性に優れた高信頼の計器として、1998年に発売され、世界各国のお客様に広く採用されてきました。
当社は、従来製品の耐環境性や高信頼性を継承しつつ、お客様の最新のニーズに応える機能を追加した新シリーズの第一弾として、測定精度を向上させた上位機種「YTA710」を5月に発売しました。今回、価格を抑えた中位機種の「YTA610」を発売することで、温度伝送器YTAシリーズのラインアップが揃いました。
新製品の特長
- 2室構造の採用
現在市場にある中位機種の温度伝送器の多くは、温度や湿度など設置環境に制約があります。「YTA610」は中位機種ながら、上位機種の「YTA710」同様に端子台と電子回路を隔壁で仕切る2室構造を採用したことで、優れた耐環境性を実現しました。 - 最新のデジタル通信方式への対応
YTAシリーズは、HART®通信規格とFOUNDATION™フィールドバスに対応していますが、新しいYTAシリーズは、最新の通信規格HART 7とFOUNDATIONフィールドバス ITK 6に対応しました。HART通信対応の「YTA610」は、国際電気標準会議(IEC)が電気・電子機器の機能安全に関して策定した規格IEC 61508に準拠しており、IECが規定した安全度の水準SIL(Safety Integrity Level)2の認証を2017年1月頃に取得する見込みです。 - 自己診断とセンサ診断機能の強化
YTAシリーズには、さまざまな診断機能があります。従来からの温度伝送器本体の自己診断機能やセンサの断線を検知する機能に加え、さまざまな予知診断機能を追加しました。診断機能の強化により、将来のメンテナンスや校正時期の予測も可能になり、メンテナンスの効率が向上します。 - ローカルパラメータ設定機能の追加
伝送器をはじめとするフィールド機器のパラメータの設定には、専用のソフトウエアが使用されます。新しいYTAシリーズは、指示計のプッシュボタンで基本的なパラメータの設定をすることができます。現場に設置された温度伝送器も、PCを用いずに手軽にパラメータを変更することができます。
新しいYTAシリーズのラインアップ
YTA610 (10月3日発売) |
YTA710 (5月27日発売) |
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アナログデジタル(AD)変換測定精度 ※Pt100の場合 |
±0.14℃ | ±0.10℃ |
センサ診断機能 | 5種類 | 9種類 |
主な市場
石油・天然ガス、石油化学、化学、鉄鋼、紙パルプ、電力、水処理など製造業全般
用途
プラントの運転業務、プラント設備の保全業務
以上
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