2017年4月5日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、子会社である横河ソリューションサービス株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)が、王子ホールディングス配下(以下 王子グループ)の4工場向けに、SDN(Software-Defined Networking※)技術を用いた工場ネットワーク更新プロジェクトを受注し、導入を終えましたので、お知らせします。ソフトウエアで仮想的なネットワーク環境を作るSDN技術を生産現場のIT基盤に本格的に導入するのは日本で初めてとなります(2017年3月 当社調べ)。YOKOGAWAは、既設ネットワークを含むIT基盤の調査、改善設計および導入を行いました。
従来の工場内ネットワークは、アプリケーションや、ロケーション、設備ごとにルータやスイッチなどの通信機器を備え配線することが必要でした。一方SDNは、通信機器や配線を物理的に統合し、アプリケーションごとに仮想ネットワークをソフトウエアで自在に構築できるため、ネットワークの集中制御や、構築、改造を容易に行うことが可能となります。また、ネットワークに必要な通信機器と配線が減り、運用・管理コストを削減できます。さらに、ネットワークの稼働状況を可視化できるため、不具合箇所の特定が容易になり、緊急時には遠隔操作で通信遮断も可能となりますので、工場ネットワークのセキュリティ強化にも繋がります。
今回は、YOKOGAWAの生産制御システムの豊富な納入実績と、生産性や安全性、製品品質を向上するためのさまざまなソリューションの提供を通じて培った、YOKOGAWAの生産現場に関する経験と知見が評価され、王子グループの工場向けにSDN技術を用いた次世代の工場ネットワークへの更新プロジェクトを受注しました。本プロジェクト向けに、SDN対応の通信機器として実績の豊富なNEC製「UNIVERGE PF(ユニバージュ ピーエフ)シリーズ」を採用しました。操業への影響を最低限に抑えながらの既設の工場IT基盤の変更は困難ですが、生産現場を知るYOKOGAWAのノウハウを用い、既設ネットワークを含むIT基盤の調査、改善設計および導入を行いました。現在は、YOKOGAWAによる工場内の通信状態および通信の健全性を監視する、セキュリティ運用管理サービスを試行提供しています。予防施策を適時施し、工場内通信の健全性を確保するなかで、不測事態の際の迅速な対応を実現します。
世界中の工場で、生産性、安全性、保全効率の向上を図り、Industrial IoT(IIoT)を活用したいというニーズが高まっています。さまざまな「モノ」がネットワークにつながることで新たな価値が創出される一方で、ネットワーク環境にはネットワーク構成の迅速な変更やデータ量の増大にも柔軟に対応できる仕組みと、より高いセキュリティの運用が求められます。そのため、工場のIT基盤にSDN技術を導入することがIIoT活用のための有効な手段の一つとして注目が集まっています。また、本社情報システム部門による、国内外の各工場のIT基盤の統合管理が求められています。
YOKOGAWAは、SDNをはじめとする最先端のIT技術に、自社の生産現場のノウハウを融合することで、工場のITインフラ環境のスマート化に貢献していきます。
※SDN(Software-Defined Networking):ソフトウエアでネットワークを制御する概念
目指す姿「工場ITインフラ環境のスマート化」
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