2017年5月9日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、操作性・拡張性に優れたデータ収集制御システム「SMARTDAC+®」(スマートダックプラス)のラインアップとして、機能を強化した、パネル取り付け型ペーパレスレコーダ「GXシリーズR(リリース)4」、ポータブル型ペーパレスレコーダ「GPシリーズR4」、データアクイジションシステム「GMシリーズ R4」を5月11日より発売しますのでお知らせします。
今回の機能強化では、モジュールの追加によって、最速1ミリ秒の高速サンプリングや、最大20ループまでの制御、監視を可能とするなど適用範囲を拡大し、お客様の利便性を高めました。
左奥からペーパレスレコーダGPシリーズR4、GXシリーズR4、データアクイジションシステムGM R4
新シリーズR4の概要と機能強化の背景
レコーダならびにデータアクイジションシステム(データロガー)は、さまざまな産業の生産現場や開発現場等において、温度、電圧、電流、流量、圧力などのデータの収集・表示・記録に使用される機器です。当社はこの分野で豊富な製品群をラインアップしており、なかでもレコーダでは世界トップクラスのシェアをもっています。「SMARTDAC+」はレコーダやデータアクイジションシステムから成るデータ収集制御機器のシリーズで、2012年の発表以来、各種業界の求める要件や規格などを含めたさまざまな市場のニーズに合わせて機能強化を図ってきました。
今回は、お客様の、評価試験データなどを詳細に取得、解析したいという声や初期投資を抑えて制御アプリケーションを導入したいというニーズに応え、機能を強化しました。
機能強化の概要
新シリーズR4の機能強化のポイントは次のとおりです。
- 高速アナログ入力モジュールで高速サンプリングに対応
電気製品の安全性向上に対する要求が高まり、評価試験データをより詳細に取得、解析することが求められており、例えば自動車からモバイル製品まで使用される二次電池の性能評価では、1ミリ秒ごとにサンプリングを行いたいというニーズがあります。従来1ミリ秒のサンプリングを実現するには高機能、高価格の製品が必要でした。今回発売する「高速アナログ入力モジュール」は、「SMARTDAC+」本体に追加することで自社製品比100分の1の最速1ミリ秒サンプリングが可能となり、二次電池の過渡電流の記録、発電所のタービンの振動データの記録などに活用することができます。また、温度のような変化の遅い信号と、圧力や振動などの変化の速い信号を効率よく並行して収集できる「デュアルインターバル」機能も追加しました。 - PID制御※1モジュールで容易に制御機能を追加
工業炉の温度制御や排水設備の薬注制御など、記録を伴う制御が求められる場面では、エンジニアリングが不要で簡単かつ素早く導入できる製品が求められています。これまで温度や流量、圧力などを制御するには、制御ループごとに調節計と組み合わせるか、プログラマブルコントローラやタッチパネル表示器などを組み合わせてエンジニアリングを行う必要がありました。今回発売する「PID制御モジュール」は、「SMARTDAC+」本体に追加することで最大20ループまで制御・監視・操作ができるようになります。「GXシリーズ」、「GPシリーズ」は直感的なタッチパネル操作が可能で、温度や流量などの監視・操作に必要な画面を用意していますので、特別なエンジニアリングを必要とせずに簡単かつ迅速に制御機能を追加することができます。また、Web機能が標準で装備されており、Webブラウザからの遠隔監視・操作にも活用できます。 - 4線式RTD※2/抵抗モジュールで正確な温度測定を支援
空調機器メーカや研究機関などにおいては高精度の温度測定を行うため、一般的に使用されている3線式ではなく4線式測温抵抗体(RTD)のセンサを使用したいという要望があります。そこで「4線式RTD/抵抗モジュール」をラインアップに追加しました。
主な市場
- GXシリーズ:鉄鋼、石油化学、化学、紙パルプ、食品、薬品、上下水道、電気・電子など幅広い産業の生産現場
- GPシリーズ:家電、自動車、半導体、エネルギーなど幅広い産業の開発部門、大学、研究機関
- GMシリーズ:GXシリーズおよびGPシリーズ双方の対象市場
用途
温度、電圧、電流、流量、圧力などのプロセスデータ収集・表示・管理・制御
SMARTDAC+の概要
「SMARTDAC+」はSMART Data Acquisition and Controlの略で、多彩な信号源等に対応した入出力モジュールやオプションを提供し、製造プロセス監視や性能評価試験でのデータ収集制御を幅広くサポートします。当社は今後もレコーダ市場のトップメーカとして、お客様の多様なニーズにお応えしてまいります。
※1 PID (Proportional Integral Derivative)制御:
フィードバック制御の一種で、温度や圧力、流量などのプロセス量の制御を1ループ単位で行う。ループは、センサなどの検出端から測定値を受け取り、制御目標値に一致するように演算を行い、バルブなどの操作端に指示を出力する制御の一連の流れを示す単位
※2 RTD(Resistance Temperature Detector:測温抵抗体):
金属の電気抵抗が温度に比例して増加する性質を利用する温度センサ
以上
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