2017年7月13日発表
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都武蔵野市 社長:山崎 正晴)は、電力計などの測定器の校正用として、交流電力を広範囲、高確度・高い安定度で出力する機能を搭載した、交流電力校正器「LS3300」を7月14日に発売しますのでお知らせします。
新製品「LS3300」は、機能を電力計の校正に必要な機能に絞ったことで、お客様の導入コストの大幅な削減に貢献します。
LS3300
開発の背景
開発現場や工場で使用される電力計、温度計、マルチメーターなどの測定器には、正確さを保つために定期的な校正が必要です。近年は、ISO9001を中心とした国際標準規格に対応した品質マネジメントシステムの導入が進み、測定器を校正する重要性が一層高まっています。
電力計などの測定器の校正に用いる校正器は、電圧・電流信号の同時発生機能と位相制御機能を備えた単相2線交流電力が校正できるタイプと、さらに複数台を組み合わせることで三相交流電力も校正できるタイプが主流です。このような校正器は、多機能で高額なうえに、大電流の連続出力可能時間が短時間であったり、三相電力校正の設定操作が複雑であったりするため、スマートメータなどの電力計を大電流で校正したいお客様や、単相交流電力を1台で校正できることに加え三相交流電力も容易に校正したいお客様のニーズには対応できていませんでした。
今回当社は、電力計の校正を実施するお客様に対し、大電流と三相交流電力の校正機能に対応し、お客様の導入コストの大幅な削減に貢献する、交流電力校正器「LS3300」を開発しました。
新製品の特長
- 導入コスト削減に貢献
「LS3300」は、交流の電圧・電流・電力の校正や電力の位相や力率も任意の値で検査することができます。また、交流電力計の校正に必要な機能に絞ったことで、導入しやすい価格を実現しながら、交流電力値に関して±0.045%の高い確度と1時間当たり±0.01%の高い安定度を実現しました。 - 大電流測定器や電流センサの校正に最適
校正器の大電流対応は、オプション仕様になりがちですが、「LS3300」は標準仕様で、最大62.5Aの大電流の長時間出力が可能です。さらに、「LS3300」3台を同期させて出力する場合は、最大180Aの大電流を簡単に出力できます。スマートメータやシャント抵抗、電流センサなどの大電流による校正が必要な機器に最適です。 - 三相交流電力校正に最適
「LS3300」1台で、単相2線交流電力を測定する電力計の校正を行いますが、複数台接続して、単相3線交流電力や三相交流電力を測定する電力計の校正をすることができます。「LS3300」は標準仕様の複数台制御機能によりマスター機とスレーブ機の役割設定ができ、マスター機に出力条件を入力するだけで、電圧、電流、力率、位相などの平衡条件となる値をスレーブ機に自動設定できるため、個々の機器への入力作業が不要になり、単相3線交流電力や三相交流電力の校正作業の効率が向上します。
主な市場
- 校正機関、民間校正会社、電力計などの測定器を社内校正している部門を持つ会社
- 電力計、クランプ電力計、クランプテスタ、およびスマートメータなどの指示計器を開発・製造している会社
用途
電力計、クランプ電力計、クランプテスタ、およびスマートメータなどの指示計器を校正・検査するための電力発生器
※単相2線交流は、1種類の電気を2本の電線で、単相3線交流は、2種類の電気を3本の電線で電力を供給することです。三相交流は、3種類の単相交流を組み合わせたものです。
以上
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