横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

機器調整・設定・管理ソフトウエア「FieldMate R3.03」を発売

2017年8月9日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、プラントなどの製造現場で使用される各種機器の調整・設定・管理ソフトウエア「FieldMate® (フィールドメイト) R3.02」の機能を強化した「FieldMate R3.03」を開発、8月14日から発売しますのでお知らせします。

 今回の機能強化では、圧力校正に関する機能と、過去のデータを直感的に閲覧できる機能を追加しました。また、独自のプロトコルを採用した機器や、上位のネットワークと接続できるよう、インターフェース機能を強化しました。

FieldMate R3.03
FieldMate R3.03
拡大

開発の背景

 「FieldMate」は、PC上で動作し、プラントにある機器の設定・調整・管理を行えます。さまざまな機器メーカやデジタル通信規格に対応し、他社製品を含む多くの機器を一括して管理できることが特長で、2006年の発売以来、累計10,000本の実績を重ねてきました。当社は、日常の保守業務を「FieldMate」で完結できることを目指し、継続して機能を強化してきました。

 今回は、機器の調整・点検・校正作業の一層の効率化を支援する機能を追加するとともに、上位のネットワークと接続して現場とオフィスとで保守作業情報を共有したいというニーズや、多様な通信プロトコルの機器や装置を接続したいというニーズにも対応しました。

機能強化の概要

  1. 差圧・圧力伝送器の校正作業を効率化する機能を追加
     フィールド機器は、正確さを保つために定期的に校正する必要があり、校正作業は、保守部門の重要な業務のひとつです。プラントで多く活用されている差圧・圧力伝送器の校正では、ハンドポンプを使って発生させた圧力を圧力校正器で測定し、基準となる圧力値ごとの伝送器の出力値をベテランの保守員が手作業で記録していました。今回、「FieldMate」に、圧力値と機器の出力値を校正器から取得し、わかりやすくリアルタイムに表示する機能と自動で校正データを記録する機能を追加しました。経験の浅い保守員でも容易に機器を校正できるようになります。
    ※ 本機能では、校正器として、横河メータ&インスツルメンツ株式会社製の圧力キャリブレータ「CA700」を使用します。
  2. 過去のデータを直感的に閲覧できる機能を追加
     今回「FieldMate」に、過去の計測データをグラフ化する機能や、診断データの履歴を一覧表示する機能を追加しました。これにより、フィールド機器のゼロ調整などの調整作業による補正量の推移を比較することで、現場で容易にフィールド機器や設備の劣化の度合いを推測することができます。これは、設備の健全性を維持するために有効です。従来は、ベテランの保守員が、数値を基に経験で機器の劣化の度合いを判断していましたが、定量的なデータを視覚化することで経験の浅い保守員でも同じ作業品質を保つことができます。
  3. 外部インターフェース機能を追加
     クラウドを採用したシステムを含め、上位のシステムと容易に接続できるようインターフェース機能を強化しました。「FieldMate」で作成した保守作業報告書を、現場とオフィス間で容易に共有できるようになります。
     また、「FieldMate」は、フィールド機器の主な通信プロトコルに対応していますが、プラントには標準化されていない独自の通信プロトコルを採用したフィールド機器や装置が多数あります。今回、これらの機器の情報も「FieldMate」で統合して管理できるようインターフェース機能を追加しました。
    (※外部インターフェース機能は特注対応です)

主な市場

石油、石油化学、化学、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼などのプロセス産業における設備の保守管理部門

用途

プラント等の現場における、フィールド機器、分析計などの各種機器の設定や調整、点検、機器情報の管理

「FieldMate®」について

 FieldMateは、PC上で動作する機器調整・設定・管理ソフトウエアです。機器を設置するための初期設定、プラント操業中の保全作業、機器交換作業等を直感的な画面表示と簡単な操作手順により行うことができます。業界標準となっている主要通信プロトコル(FOUNDATION™フィールドバス、BRAIN、HART®)とオープンなソフトウエア実行フレームワークであるFDT/DTM技術に加え、フィールド無線規格であるISA100 Wireless™へも対応しており、メーカや通信規格を問わず、プラントで使用する主要なフィールド機器の調整・設定が行えます。継続的に機能向上を図っており、お客様の作業効率の向上に貢献しています。

※ FDT(Field Device Tool)は、圧力センサや流量計などのフィールド機器と制御システムの間の共通通信インターフェース技術。非営利団体FDT Groupが定めている。DTMは、FDTの規格に基づき、制御システムやフィールド機器のメーカが自社製品用に用意するドライバソフト。

以上

本文中で使用されている会社名、団体名、商品名等は、各社又は各団体の登録商標または商標です。

本件に関するお問い合わせ

関連製品&ソリューション


トップ