ライフ事業は人々の命を支え、健康と安全を守る事業です。YOKOGAWAは、医薬品、医療に加え、誰もが安心して口にできる安全な水と食料の供給に貢献します。他領域を含めて長年培ってきたセンシングや制御の技術で新製品の創出や生産プロセスの革新を支え、医薬品、食品分野のバリューチェーン全体の生産性向上を目指します。水分野では、遺伝子解析や科学機器で培った計測技術を用い、新しい価値を創出していきます。
事業概要
本事業の目指す姿と領域
- 本事業の目指す姿
本事業では、人々の命と健康を守る医薬品、医療に加え、誰もが安心して口にできる安全な水と食料の供給に貢献することを目指します。2030年度に向けた本事業の目指す姿として「私たちは世界に先駆け“Bio Industrial Autonomy (BIA)” を実現し笑顔で暮らせる社会の発展に貢献し続けます」を掲げています。BIAの実現で、人間が関与する作業は最小限となり、オペレータや研究者はより高度なレベルの研究や生産現場の最適化に専念できるようになります。
YOKOGAWAの強みである「はかる・みる・つなぐ」技術を応用し、BIAの実現に向けて実行可能なソリューションを提案し、お客様の新たな知の探究やイノベーションを支援します。
- 事業領域
医薬品・医療・食品・水分野における、研究開発から量産、物流・サービスに至るまでのバリューチェーン全体を事業領域としています。
中期経営計画「Growth for Sustainability 2028(GS2028)」における取り組み
ライフ事業ではライフサイエンス、バイオプロセス、生産ソリューション(医薬・食品)ともに海外の販売力強化、新規製品とソリューションの開発加速に最優先で取り組みます。各地域で業種知見をもった人員を増員するとともに、ライフ事業のグローバルヘッドクォーターと各地域の連携を強化してビジネスを拡大させます。また、急成長するバイオ医薬、再生医療分野など、新しい領域での製品、ソリューションのラインナップ拡充を図ります。
常にお客様に寄り添い、お客様と共に課題解決を行い、GS2028の達成を目指すとともに、人々の健康と豊かな暮らしの実現を支援していきます。
サステナビリティにおける貢献分野
YOKOGAWAは、2050年に向けて目指す社会の姿をサステナビリティ目標Three goalsとして掲げています。ライフ事業は、医薬品、医療、水、食料を注力分野としており、Three goalsのうちWell-beingにフォーカスした事業です。直近ではCOVID-19のワクチンや治療薬の研究にもYOKOGAWAの製品が貢献しています。高齢化、資源の枯渇、食料・水不足などの社会課題に直結する事業であり、事業規模を拡大させていきます。
2030年に向けた本事業の貢献分野と関連するSDGs
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する取り組み
世界中で猛威を振るっているCOVID-19の収束に向けて、新薬やワクチンの開発が行われています。YOKOGAWAは、国内外の大学や研究機関が行っているCOVID-19のワクチンや治療薬の開発・研究に、ハイコンテントスクリーニングシステムCellVoyagerシリーズの提供を通じて貢献しています。
ミシガン大学では、顕微鏡画像を用い細胞の状態をAIで解析して創薬スクリーニングを行う手法を開発しており、当社の優れたイメージング技術を搭載したCQ1はその画像取得のために活用されています。2020年、早急なCOVID-19治療方法開発のため、ドラッグリパーパシング※1を目的として1,425種類のFDA※2承認済みの化合物をCQ1でスクリーニングし、いくつかの抗ウイルス効果のある化合物を同定しました。この研究はすでに科学雑誌PNAS(Proceedings of the National Academy of Science)に発表されています。この研究がさらに進むことで、薬の作用機序※3の解明が進み既存薬の転用を効率的に進められることが期待されます。一日も早い収束に向け、私たちが今できること考え、お客様やビジネスパートナーの皆様と連携して取り組んでまいります。
※1ドラッグリパーパシング:既知の薬効や副作用を利用し、 別の疾患への適用を探ること
※2 FDA(Food and Drug Administration): アメリカ食品医薬品局
※3 作用機序:薬が治療効果を及ぼす仕組み
関連業種
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食品
食品製造業の皆様は、「食の安心・安全の確保」と「コストダウン」の両立といった従来の課題に加え、感染症や省力化への対応などに取り組まれていることと思います。
YOKOGAWAは、お客様が抱える課題に寄り添い、お客様の運用に適した工場のあるべき姿をご提案していくことで、働きやすい現場づくりを支援いたします。 -
医薬品
変化の激しい現代では、今迄以上に経営判断には、スピードと正確性が求められています。
医薬品業界においても、ICT技術を活用したパラダイムシフト(QbD、連続生産)が起き、そうした潮流の中で如何に情報をキャッチアップしていくかが企業の課題です。
YOKOGAWAは、原薬・製剤・バイオ領域への1000を超えるシステムの導入実績を礎に、これからも医薬品産業の更なる発展に貢献して行きます。