環境特集号
【提言】資源循環型社会を目指して - 21世紀型企業へのアプローチ - (PDF: 73KB / 4ページ)
- 石 井 迪 男 *1
*1甲府事業所 環境管理室
循環型社会に貢献する環境計測技術(PDF: 54KB / 4ページ)
- 松 本 哲 朗 *1
*1IA環境機器事業部PMK部
光応用技術,クロマトグラフ技術,ソフトウェア技術,通信技術などは,広範囲な環境計測アプリケーションに適用されている。環境計測は,資源の循環,環境負荷の低減,環境問題の解決によって,直接的にまたは間接的に地球環境保全に役立っている。廃水処理を効率的に行うための水質計,分析計をネットワーク統合する通信技術,近赤外分光分析による洗浄薬液リサイクル可否判定,フローインジェクションによる全窒素・全りん測定等がそのよい例である。また,最近実際のアプリケーションで使用され始めたソフトセンサについても最近の事例を紹介する。
燃焼排ガス中の可燃性ガス測定用高耐久センサの開発(PDF: 69KB / 4ページ)
- 前 田 眞 人 *1
- 俵 木 紀 明 *1
*1IA環境機器事業部 技術部
発電ボイラ,工業用各種燃焼炉などでの燃焼効率の改善をするための排ガス中のCO,H2などの可燃ガス測定用センサを開発した。その構成は白金測温抵抗体をベースとし,その両面に多孔質な触媒層を設け,さらに保護膜を被せた積層構造としている。実験炉での燃焼試験の結果,センサ出力は赤外線式のCOガス分析計出力と相関した結果が得られ,また応答ははるかに速い。これはセンサ部全体の温度を高温にしているため,排ガスの除湿などのためのサンプリング装置が不要なためである。またフィールド試験をSO2ガス濃度が約3000ppmの場所で実施した結果,触媒がSO2ではなく有機ガスにより一時被毒を受けることが判ったが,センサ触媒に一定時間間隔で計装空気を流し,さらにセンサ素子への通電自己加熱を行うことにより,触媒機能が回復することを見出した。
プロセスFTIRを用いた環境ガスモニタリングシステム(PDF: 163KB / 4ページ)
- 渡 正 博 *1
- 東 山 尚 光 *2
*1IA環境機器事業部 営業部
*2IA環境機器事業部 技術部
高い安定性を持ち連続分析が可能な「トランセプト干渉計」と光学スループットが高い「ホワイトガスセル」そして液体窒素冷却の必要が無い焦電検知機(DTGS)を組み合わせた環境ガスモニタリングシステム(EVM- FTIR:Environmental Monitoring Fourier Transform Infra- Red spectrophotometer)は,大気中のサブppmレベルの微量ガス成分が数分で測定可能である。システムにはマルチストリームに対応したサンプリングバルブ切り替え機能や,測定値を出力するアナログ出力機能を搭載しており,化学工場や半導体工場における同時多成分排出ガスのモニタリング装置としての応用が可能である。
大気中および水中の微量VOC連続測定装置(PDF: 479KB / 4ページ)
- 村 田 明 弘 *1
- 柴 田 省 三 *1
- 齋 藤 美 加 *2
*1IA環境機器事業部 PMK部
*2IA環境機器事業部 技術部
近年地球規模の問題となっている有害VOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)汚染に対する,環境保全,環境修復に役立つ大気中及び水中のVOC濃度連続測定装置を開発してきた。基本技術はガスクロマトグラフとPID(Photo-ionization Detector;光イオン化検出器)によるVOC濃度測定技術,及び水中微量VOCをスパージング法により連続抽出するサンプリング技術である。ガスクロマトグラフ法は昇温式成分分離により,20成分以上の微量VOC成分を成分毎に定量測定できる。PID方式は真空紫外光ランプでイオン化されたVOC成分を電流検出するもので,小形ながらもppbレベルの全VOC濃度を迅速に検出できる。
パーティクルアナライザの環境計測への応用(PDF: 328KB / 6ページ)
- 三 島 美奈子 *1
- 鈴 木 俊 之 *1
- 高 原 寿 雄 *1
*1モーション&メジャメント事業部 パーティクルアナライザセンター
パーティクルアナライザシステム(PT1000)は,大気圧ヘリウムプラズマを使用した微粒子分析装置で,前処理なしに,微粒子の個数,組成,粒径の三次元情報を一度に得ることができる。これまで,クリーンルームの発塵源の特定や,トナーに代表される機能性材料の性状評価で大きな成果をあげてきた。
本システムを環境分野に適用することで,大気中微粒子の起源解析や土壌汚染物質の化合状態の特定ができ,汚染状態の分析や汚染源の特定,さらにそのプロセスの解明などに大変注目されている。
本稿では,地域と浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter :SPM)の測定事例や,住宅の室内・外の環境測定例,土壌と混合された重金属の組成分析例,および数年内に施行されるPM2.5環境規制への適用の可能性について述べる。
粒子カウンタWP402G(PDF: 153KB / 4ページ)
- 漆 畑 晋 一 *1
*1IA環境機器事業部 PMK部
水道水中に存在する濁質などの粒子径と粒子数を同時に測定できる粒子カウンタWP402Gおよび粒子カウンタパッケージソフトウェアWP412Gを開発した。本装置は,現場設置形連続測定用機器として開発され,検出部へ安定した水量を流すためのサンプリング装置を備えている。
本稿ではWP402Gの概要・原理と共に,フィールドテストなどの実測例を示しながら濁度計と比較した場合のWP402Gの優位性について述べる。
Webテクノロジーを活用した電力監視システム(PDF: 190KB / 4ページ)
- 田 中 義 信 *1
*1株式会社ワイ・ディ・シー
株式会社ワイ・ディ・シー(通称,横河ディジタルコンピュータ)は,Webテクノロジーを活用した電力監視システム用ソフトウェアWebPower/WebReport*2を開発し,このパッケージ・ソフトウェアの販売を開始した。この電力監視システムは,横河電機製DUONUS*3と横河M&C製Powercert*4電力モニタとNT*5サーバパソコンから構成される。その上で当社のJava*6開発技術,Oracle*7データベース活用技術を駆使して開発した。横河電機甲府事業所の協力を得て,昨年5月に甲府事業所にこのシステムが導入された。
今後,この電力監視システムは,各職場のパソコンからブラウザを使って,現状や過去の電力使用状況を簡単にデータで取り出すことができるため,電力削減活動のマザーツールとして期待されている。
パッケージボイラーのO2制御による燃料コストおよびCO2の削減(PDF: 52KB / 2ページ)
- 平 岡 常 男 *1
*1IA環境機器事業部 PMK2部
多くの中・小規模のパッケージボイラーでは,燃焼は主に燃料と空気量を一定比率で調節する制御方法がとられており,不完全燃焼が発生しないよう過剰空気での燃焼を行っている例が多い。これらのパッケージボイラーについてもジルコニア式酸素計による排ガスO2燃焼制御を行うことにより燃料コストの削減が期待できる。
土壌・地下水VOC汚染の修復事業における遠隔VOCモニタリングシステム(PDF: 148KB / 2ページ)
- 篠 田 裕 之 *1
- 田 中 克 知 *1
*1IAビジネス開発本部
本稿では,揮発性有機物化合物(VOC)分析技術を活用した環境修復事業へのアプリケーション事例を報告する。対象プロセスは,土壌・地下水VOC汚染の修復プロセスであり,VOCモニタとしてはローコストで全VOC量を測定することができる光イオン化検出器(PID)式全VOC連続測定装置を採用した。また,土壌・地下水修復装置は常時無人で運転されるため,浄化状況ならびに装置の稼動状況を遠隔からモニタリングするシステムを構築した。このシステム導入によりPID式全VOC連続測定装置の導入効果をさらに高めることが可能となった。
ダイオキシン発生抑制技術(PDF: 177KB / 4ページ)
- 中 川 原 実 *1
- 菊 地 辰 美 *1
*1IA環境機器事業部 営業部
ダイオキシンの定義,発生機構と発生抑制技術,発生防止のために必要な燃焼条件管理手法,焼却施設の運転と冷却設備,中でも重要な燃焼室における燃焼温度,集塵器入口における排ガス温度,排ガス中のCO濃度とダイオキシン類濃度との関係,新しい焼却技術として次世代型ガス化溶融炉,これらの発生抑制技術に貢献する当社のダイオキシン類発生防止対策用CO-O2濃度計,汎用赤外分析計,ダストモニタ,燃焼制御用に利用されるジルコニア式酸素濃度計,煙道ガス濃度計についてその役割と特長を述べる。
工場から出る埋立廃棄物ゼロへの取組み(PDF: 188KB / 4ページ)
- 犬 飼 俊 平 *1
*1地球環境推進室
地球環境問題は,今や人類存亡の危機へと深刻化し,もはや先延ばしできない状況になっており,当社では,環境保全を経営重点課題として捉え,企業活動のあらゆる面で総合的に取組んでいる。また,資源循環型社会を目指すため,「資源循環システム」構想をベ-スに設計,調達,生産,物流,廃棄の各段階で,Reduce,Reuse,Recycle,Refuse,Renewalの5Rについて具体的施策を展開し,環境保全活動の究極のゴ-ルとしてゼロエミッションを目指している。
その第一歩として,先ず本社サイトから出る埋立廃棄物を2000年7月までに「ゼロ」にする計画で,活動中である。
環境調和型製品設計への取組み(PDF: 83KB / 4ページ)
- 田 村 宏 *1
- 徳 毛 照 彦 *2
- 佐久間 修*3
*1IAシステム事業部 制御開発1部
*2テスト&メジャメント事業部 開発3部
*3横河マーチャンダイジンク株式会社
地球環境問題に関して,1999年4月から改正省エネ法の施行,2001年4月から家電リサイクル法の施行等により資源循環型社会が到来しようとしている。
従来の製品設計は,品質(Q),コスト(C),納期(D)に注力してきたが,これからは,環境(E)をも確実に実現する必要がある。したがって,製品設計においては,製品の原材料・部品の調達から製造・流通・使用・廃棄に至るまでのことを考慮し,製品の一生涯における環境負荷を低減するための設計対応が急務とされている。
本稿では,環境調和型製品を設計するためには,どのように設計したら良いのか,また,どのように評価したら良いのかを設計者に対して支援する設計ガイドライン,設計基準,アセスメントツールについて述べ,更に開発当初から環境にやさしい製品設計を目指し,計画的に環境調和型製品設計を行なった事例,および環境ラベルへの取り組みについても言及する。
鉛フリーはんだのフローはんだ付け技術(PDF: 311KB / 4ページ)
- 杉 浦 純 一 *1
- 都 築 宗 久 *1
- 小 林 由 佳 *1
*1生産事業部 生産技術1部
近年,電気・電子機器のはんだに含まれる鉛の環境汚染が問題となっており,ヨーロッパなどでは鉛規制が始まろうとしている。このような状況から,日本のメーカーにおいては鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)の適用が始まっている。
当社でも,地球環境保全の一環として鉛フリーはんだの実用化をすべく,まずフローはんだ付け技術の確立を目指している。鉛フリーはんだは現行のSn- Pb共晶はんだと比較し,「融点が高い」,「ぬれ性が劣る」などの特長がある。この点を克服するために,フラックス,電子部品,プリント配線板,はんだ付け装置など実装技術の総合的な検討を実施している。ここではSn-Ag系とSn-Cu系の2種の鉛フリーはんだを用いた実験に基づき,フローはんだ付け装置の改善結果と,はんだ付けの信頼性試験結果について述べる。
環境に優しい部品洗浄技術(PDF: 30KB / 2ページ)
- 村 田 博 文 *1
- 斎 藤 滋 夫 *1
*1生産技術本部 生産技術開発部
*2横河ファインテック株式会社
当社では部品洗浄工程での特定フロンおよびトリクロロエチレンの使用全廃させるため,特別プロジェクトチームを編成した。このプロジェクトチームでは洗浄品質の評価方法,製造ラインの要求に適した洗浄方法を検討した。検討結果により,低環境負荷の生産ライン用の洗浄機を開発して製造ラインへ導入し,製品の品質を損なうことなく低コストで低環境負荷の洗浄ラインを構築することができた。我々は,このプロジェクトで得られた知識・技術を,製品設計・製造ライン構築・生産管理に応用し,環境負荷ゼロを目指した活動を行っている。
環境資源循環型の包装材使用(PDF: 69KB / 2ページ)
- 望 月 真 彦 *1
- 和 田 康 *2
- 角 邦 夫*3
- 戸 島 武 秋 *1
*1生産事業部 技術部
*2地球環境推進室
*3生産事業部 技術開発部
環境に優しい包装は,顧客満足を大きく向上させることができる。当社は製品の品質を保持しながら,環境負荷を削減する包装と配送方法に取り組んでいる。当社の電子計測器の包装用緩衝材は,1999年度末迄に約50%を従来の発泡材からリサイクルし易いパルプモールド及びフィルム・クッションに切り替える。さらに顧客への製品の納品方法についても環境面からの改善を行っている。それは製品の運送時における品質を保持した上で,使用する包装材の総量を削減し,かつ結果として廃棄物を削減できる配送方法の継続的開発である。
省エネ新本社ビル-環境に配慮した省エネ新オフィスビル-(PDF: 515KB / 4ページ)
- 塩 野 芳 男 *1
- 窪 田 勝 一 *2
- 川 野 一 弘 *2
*1総務部
*2横河ファシリティーズ株式会社
横河電機本社ビルはコージェネレーション排熱の温水利用,CO2削減,中央自動監視制御による設備の効率的な運転と省エネルギー管理,省エネの建物設計など環境に配慮して設計されていると共に身障者・高齢者への配慮,そして本社基盤機能としての情報整備がされている。これを実現するために従来の設計手順にはない計画要件策定手法(Pre-schematic Programming)を導入し,基本設計・詳細設計・施工・完成といった一連の工程により完成したものである。
製品・販売ドキュメントのグローバルなマルチメディア配信(PDF: 32KB / 2ページ)
- 永 山 嘉 昭 *1
*1横河グラフィックアーツ株式会社
横河電機本社に構築した製品・販売ドキュメント専用のデータベースに,グローバルなイントラネットを介し直接アクセスしてドキュメントの閲覧や出力ができる,ドキュメントのマルチメディア配信の仕組みを作った。同時に,富士ゼロックス社殿の協力のもとに,同社内のサーバにドキュメントデータの複製を行い,横河電機の海外拠点からドキュメントの印刷要求があると,ゼロックス社のグローバルネットワーク経由で,海外拠点直近の出力センタにデータを配信し印刷してもらう仕組みを作った。これらの仕組みによって,紙の大幅削減,ドキュメントの発注から出力までの大幅時間短縮,コスト削減,利用者の利便性向上など,さまざまな効果が得られるようになった。