医療情報特集号
医療情報システムの展望 (PDF: 47KB / 3ページ)
- 野 津 勤 *1
*1医療情報システムセンター 開発部
放射線部門総合情報管理システム“ARTEMIS”(PDF: 61KB / 4ページ)
- 飛 田 政 仁 *1
*1医療情報システムセンター エンジニアリング部
この度,放射線部門総合情報管理システム“ARTEMIS”を開発した。本システムは,放射線部門の画像情報システム(PACS)と,放射線部門システム(RIS)とを融合させたシステムである。
ARTEMISの機能は,放射線部門の業務を職域毎(事務職,技師職,医師職)に分散して構築している。その為に各ユーザ毎の意見を反映させた場合においても,制作上の独立性を保つ事ができ,高いシステムの完成度を確保する事ができる。また,ARTEMISは各職域毎のデータが統合的に管理されているため,利用者に対しては重複操作の無い合理的な操作環境を提供する事ができる。
DICOM画像サーバImageARQS(PDF: 188KB / 4ページ)
- 木 原 裕 之 *1
- 原 嶋 茂 夫 *1
- 木 村 誠 *1
- 大 槻 彰 *1
*1医療情報システムセンター 開発部
*1医療情報システムセンター 企画部
ImageARQSはDICOM規格で定められた通信プロトコル,データ構造に基づき各種モダリティからの画像データの受信,ビューアへの画像の送信などを行う医用画像サーバで,サーバに接続されたCD-Rチェンジャ装置内のメディアへ画像をアーカイブして大量の画像ファイルを長期保存する機能も持つ。
ここではImageARQSの最近数年間の各社のDICOM機器との接続実績,厚生省の「電子保存」に関する通知への対応とDVD-Rへのアーカイブ機能を実装したImageARQS-Vについて紹介する。
DICOM画像ビューアImageVINS Proと所見レポート作成システムAR-Report(PDF: 153KB / 4ページ)
- 田 中 洋 平 *1
- 大 島 康 実 *2
- 松 田 明 良 *2
*1医療情報システムセンター 開発部
*2医療情報システムセンター エンジニアリング部
一般病院放射線科における業務のうち読影作業に着目し,その中の画像を参照する部分,報告書を作成する部分をそれぞれシステム化した。画像参照機能は,電子化された検査画像に関する扱いを規定したDICOM規格に準拠し汎用的なシステムにするとともに,従来市場では高価なワークステーションに実装されていた表示機能をほぼ取り入れながら,PC上で動作させることにより,より広い範囲に受け入れられることを主眼としている。
報告書を作成する所見システムは,これまでの手書きやワープロといった次元と一線を画し,検査予約システムや検査実績システムと連携し,ネットワークの優位性を発揮したシステムとなっている。横河の他の放射線科業務向け機能と連携することでより効果的な所見作成環境を提供するが,他社のシステムとも容易に連携できる汎用性も備える。特に上記画像参照機能との相互連携動作は業務効率を飛躍的に向上させるものとなっている。
放射線部門業務システムAR-RISとモダリティワークリスト管理システムAR-Work(PDF: 140KB / 4ページ)
- 渡 邉 誠 *1
- 日 野 雅 夫 *2
*1医療情報システムセンター エンジニアリング部
*2医療情報システムセンター 開発部
病院内での放射線部門は,多数の診療科からの放射線画像撮影依頼を受け,患者の診断画像の撮影,読影を行うという位置づけにある。部門内のシステムは画像情報システム(PACS)と放射線部門システム(RIS)に分けられ,前者はDICOM規格の策定に牽引されシステム化が推進されている。しかし,後者は電子情報化の要求が高いにも拘わらず,現状ではシステム化の範囲,システムの位置づけが不明確となっている。
業務支援として必要とされる機能には予約,受付,撮影実績管理等があり,これら情報を電子化することにより業務効率の向上が期待できる。また,撮影時に技師がモダリティで入力する情報を業務支援システムから送信することにより,情報の二重入力の手間,誤入力の問題からも開放され,業務の効率を更に高めることが出来る。
我々は上記を踏まえ,予約,実績を管理する“放射線部門業務システム「AR-RIS」”及びモダリティと業務システム間での予約情報通信を行う“モダリティワークリスト管理システム「AR-Work」”を開発した。
高速Web画像・所見参照システムImageMARS(PDF: 364KB / 4ページ)
- 日 野 雅 夫 *1
- 田 中 雅 人 *1
- 上 坂 秀 樹 *1
*1医療情報システムセンター 開発部
*2福井医科大学附属病院 放射線部
医療機関の放射線部を中心に,DICOMに準拠した医用画像の電子化が急速に展開されている。当社でも,画像サーバ(ImageARQS),画像ビューア(ImageVINS)が開発・販売され,多くのユーザに利用されている。こうしたシステムは,通常,診断に利用されるため,画像情報のサイズも大きく,操作する上で専門的知識が不可欠なため,簡単に扱えるものではない。そこで簡単に医用画像を参照できるためのシステムを目的に,福井医科大学と当社が共同で開発したのがImageMARSである。ImageMARSは,診断自体はフィルムを使用することとし,画像情報を小さくするとともに診断情報化された画像を取り扱うことにより,容易に参照できるようにした。また,参照方法はイントラネットを利用することによって,どこでも参照できるようにした。
- 松 井 正 純 *1
- 飛 田 政 仁 *1
- 井 上 裕 二 *2
*1医療情報システムセンター エンジニアリング部
*2山口大学医学部 教授
山口大学医学部附属病院医療情報部 部長
このたび,山口大学医学部において遠隔医療(telemedicine)システムを構築した。本システムは,山口大学医学部に情報機器を設置し山口県下の地域医療機関を専用ネットワークで結ぶことにより,物理的な距離を超越したコラボレーションを実現する。また,地域による医療格差の一つの解決手法として,地域住民への貢献を高度医療の提供により実現する。
本稿では,山口大学医学部で実施した実例をもとに遠隔医療システムの機能とその背景を中心に紹介する。
脳磁計測システムMEGvision(PDF: 268KB / 4ページ)
- 春 田 康 博 *1
- 上 原 弦 *1
- 河 合 淳 *1
- 下川原 正 博 *1
*1航機事業部MEGセンター
*1金沢工業大学 先端電子技術応用研究所
160チャネル全頭型の脳磁計測システムMEGvisionを開発した。脳磁計は神経細胞の電気生理学的な活動を高い時空間分解能で非侵襲的に計測する装置で,脳の持つ高度な機能の解明や臨床医学における機能マッピングなど,近年さまざまな分野で利用されるようになって来ている。
当社は1974年よりSQUIDの研究と開発に取り組んでおり,この分野では常に先駆的な成果をあげてきた。脳磁計は超伝導工学,電子回路技術,低温工学,磁気遮蔽技術,計算機科学,医用工学などの広範な要素技術を結集させて初めて開発可能なシステムであり,また脳磁計を価値あるものとするためには有効な応用分野を開拓する必要がある。当社では装置を開発する一方で,MEGvisionを病院や研究所に設置して医学と脳科学の分野への応用を進めてきた。本年1月には厚生省の薬事承認を取得している。
本報告では,今回の脳磁計測システムの開発で実現した主な要素技術について解説するとともに,臨床医学への応用事例を紹介する。
CS3000オペレータ訓練システム(PDF: 57KB / 4ページ)
- 熊 谷 広 *1
- 若 杉 宏 之 *1
*1IAシス開発センター 開発2部
*2(株)オメガシミュレーション
近年のプラントシステムは大規模で高度に自動制御化してきたため,プラントオペレータの訓練用として実プラントのシミュレータシステムのニーズが高まっている。
そこでCENTUM CS3000拡張テスト機能を利用して,容易にプラントオペレータの運転訓練システムの構築が可能なソフトウェアパッケージを開発した。
このパッケージで提供される機能を利用し,CS3000拡張テスト機能とプラントモデルを接続することで汎用PC上に容易に,しかも実機(実オペレータステーション)と同じオペレーションが可能なオペレータ訓練システムの構築が可能となる。
レンジフリーコントローラFA-M3 R(PDF: 198KB / 4ページ)
- 松 岡 康 二 *1
- 斎 藤 剛 *1
- 山 本 哲 也 *1
- 守 伸 有 *1
*1ITコントローラ事業部 開発部
レンジフリーコントローラFA-M3は「速い」,「小さい」,「賢い」のコンセプトで継続的にエンハンスを続けているが,この度さらに高速性を追求した「FA-M3 R」(RはRevolutionを意味する)と,プログラムの再利用性を向上させる機能を持ったFA- M3プログラム開発ツール「WideField」を開発した。
「FA-M3 R」は,自社開発のシーケンス処理用プロセッサの高速化,I/Oアクセスの高速化などにより,従来のFA-M3に比べて3~10倍の高速処理が可能であり,さらにセンサコントロール機能によって最高200μsの高速定周期処理を行うことができる。「WideField」は,ユーザプログラム開発の効率化と品質向上を目指し,オブジェクトラダー,コンポーネントマクロ,ローカルデバイズなど,ユーザプログラムの再利用性を高める多くの機能をサポートしている。また,マウスによる操作/プログラミング,マルチウィンドウなどWindows環境に合った様々な機能をサポートしている。
リーククランプテスタ300 / 310シリーズ(PDF: 58KB / 4ページ)
- 中 澤 俊 夫 *1
- 安 達 慎太郎 *1
- 石 田 康 夫 *1
- 千 田 直 道 *1
- 藤 田 久 弥 *1
*1横河M&C株式会社
保守及び保全の現場から要求の高い,活線電流測定器のクランプテスタ300/310シリーズを開発した。開発した300/310シリーズは本体部分の大きさが異なるミニ,ミドルサイズのクランプテスタシリーズで,漏洩電流を測定するリーククランプテスタを中心に負荷電流測定用のAC,AC/DC含めて6機種ラインナップした。この内,今回はリーククランプテスタを紹介する。
リーククランプはユーザーの幅広い用途に合わせ,ミニとミドルサイズの合計4機種で構成されている。ミニサイズは電流レンジが30/300 mA,30/300 A(300 30),又は3/30 mA,30/60 A(300 31)の単機能タイプで,ミドルサイズは30 mA~300 Aの5レンジで多機能タイプ(310 30実効値方式,310 31平均値方式)である。両シリーズ共,基本性能,操作性,耐久性の向上を目指した。特に300 31は従来のCLシリーズの基本性能を大幅向上させて,「電気設備技術基準」に合致した漏洩電流1mAを正確に測定できるようにした。これは外部磁界の影響を電気的にキャンセルする新回路方式を採用したことによる。
クランプ電力計CW140(PDF: 157KB / 4ページ)
- 河 崎 誠 *1
- 船 木 一 夫 *1
- 森 田 陽 雄 *1
*1横河M&C株式会社
現場型クランプ入力式のディジタル電力計としてCW140を開発した。4つの測定モード(瞬時値,電力量,デマンド(需要電力),高調波)があり,省エネ,設備保全等に必要とされるデータの測定が可能である。電力量測定に重点を置き,10 kHzサンプリングで連続計測を可能とした。相線は単相2線から三相4線まで対応し,また1台で2台の機能を持つ2系統負荷測定機能を搭載した。基本仕様は現場で必要とされる確度約1%,周波数範囲45 Hz~1kHz(クランプを含む)とした。また,操作性と簡易性から5.9インチ液晶表示器と親しみやすいデザインを採用した。本稿ではその概要について述べる。