環境ソリューション特集号
貧酸素水域への酸素供給技術の開発(PDF: 339KB / 4ページ)
- 田 中 克 知 *1
- 柴 田 省 三 *2
- 石 井 浩 市*3
*1環境システム営業本部 企画・技術部
*2制御プロダクト事業本部 環境機器事業部 技術部
*3制御プロダクト事業本部 環境機器事業部
現在,湖沼,ダム貯水池等では,生活排水等の流入により水質悪化が進み,水中の微生物の酸素消費のために夏季には底層から貧酸素状態となる。底泥が酸素不足になると,藻類の異常増殖を引き起すリンなど栄養塩の溶出,水道水質の悪化につながる鉄・マンガンの溶出,悪臭を放つ硫化水素の発生など,水を利用するうえでの様々な問題を生じさせる。
水環境改善への要望が高まるなかで,当社では計測・制御・情報の技術を展開し,環境を直接改善するソリューションを提供できると考えている。今回,貧酸素状態となっている底層に高濃度酸素溶解水を直接供給するシステムを開発した。貯水池にて実証実験を行い,底層のみへの酸素供給により,貧酸素状態の改善に成功したので報告する。
土壌・地下水汚染修復作業におけるVOC測定(PDF: 89KB / 4ページ)
- 森 井 申 一 *1
- 岡 直 弘 *2
*1制御プロダクト事業本部 環境機器事業部 技術部
*2産業ソリューション事業本部 ETS開発センター
近年,工場跡地の再開発などに伴い重金属・VOC(揮発性有機化合物)の土壌・地下水汚染が判明する事例が増加している。これらの有害物質による土壌・地下水の汚染を放置すれば,人の健康への影響が懸念されることから,2002年5月,土壌汚染の現状把握や人への健康被害を防止することを目的とした「土壌汚染対策法」が公布され,2003年2月より施行される運びとなった。本対策法により,汚染が確認された土壌・地下水に対しては,汚染の除去等の措置を講ずることとされ,土壌・地下水の修復作業を,早期にかつ適正なコストで実施する手法の提案が急務となっている。
本稿では,実際の地下水修復作業で直面する,VOC濃度計測法における課題点を明らかとすると共に,この課題点を解決する計測手法のソリューション事例を紹介する。
中ノ湯火山ガス観測の自動化システム(PDF: 280KB / 4ページ)
- 柴 田 省 三 *1
- 浜 田 真 之 *2
*1制御プロダクト事業本部 環境機器事業部 技術部
*2株式会社地熱
火山性水蒸気爆発においては,噴出する火山ガスの成分組成の変化を観測することが,地中の現象を早期に捉える一つの手段として知られている。しかし,間欠的に行われるガスの手分析では,急激な成分変化を捉えることが困難であった。
今回,長野県中ノ湯において,この火山ガスの連続測定システムを構築し,継続的な観測を開始した。本システムは,地熱ガスに関する経験と,産業用に培ったガスクロマトグラフの分析技術によって実現したもので,自然災害防災に役立てようとしている事例として紹介する。
フィールド インフォメーション サーバ(PDF: 87KB / 4ページ)
- 吉 村 淳 也 *1
- 脇 嶋 政 博 *1
- 浦 野 幸 次 *1
- 和 田 英 彦 *2
- 藤 井 靖 之 *2
- 鬼 村 邦 治 *1
*1横河電子機器株式会社
*2技術開発本部 ソリューション研究所
気象・水文情報をネットワークに簡単に乗せられるフィールドインフォメーションサーバ(Fis )と,Fisからネットワークを経由して得られた情報を統合して表示するパッケージソフトウェアFis.Viewを開発した。Fisは,センサー単位で信号変換器がモジュールになっており,変換器の種類と数は自由に増減でき,さまざまなアプリケーションに対応したシステムを構築することができる。変換器内に1次処理のデータが蓄積され,処理部はこれらを収集しさらに高次処理を加え,ネットワーク(Ethernet)を経由して外部に情報を伝送する。このシステムを用いることによって,フィールドにある情報を遠隔地で監視,利用出来るシステムが簡単に構築できる。
Fisによる環境計測とコンテンツ(PDF: 294KB / 4ページ)
- 田 代 亨 *1
- 市 川 商二郎 *1
*1横河電子機器株式会社
多機能変換器Fis(Field Information Server)は,気温・風向風速・雨量や河川水位・水質などの環境計測データを収集し,多様な通信プロトコルでデータを提供する。外部からは,インターネット等のネットワークを通じて環境計測データを閲覧でき,遠隔地からの機器の設定,故障診断も可能である。
さらに,Fis用情報統合表示パッケージソフトウエアFis.Viewを組み合わせることで,河川,農業,道路等の様々な環境計測に応用できる。本稿では,典型的な例として,ダム向け雨量計測・遠隔伝送システム,競馬場向け環境統合計測システム,積雪寒冷地向け路面状態予測システムの3例を紹介する。
送水ポンプ省エネ制御システム“エコノパイロットTM ”(PDF: 185KB / 4ページ)
- 澤 井 恒 治 *1
- 高 橋 洋 *1
- 井 上 賢 一 *2
*1産業ソリューション事業本部 ETS開発センター
*2システム事業部 OCSセンター
送水ポンプ用のモータの消費電力を削減する,送水ポンプ省エネ制御システム“エコノパイロットTM ”を開発した。従来,送水ポンプの省エネルギー制御で一般的な手法は,インバータによる送水圧力一定制御である。
一方“エコノパイロット”では,流量に応じて送水圧力を変動制御することにより,従来よりもはるかに大きい省エネ率を実現している。
ここでは,本装置の原理と基本仕様,導入事例を紹介する。
情報ネットワーク対応型施設栽培管理システム(PDF: 228KB / 4ページ)
- 奥 矢 毅 *1
*1環境システム営業本部 企画・技術部
1999年7月に制定された新農業基本法では4つの基本理念が掲げられ,これからの農業の方向が示された。基本理念の一つとして掲げられた「農業の持続的発展」とは,環境保全型農業への移行を意味する。この新しい課題に対して,我々が有する技術の活用場面の一例として,「情報ネットワーク対応型施設栽培管理システム」を紹介する。
システムはパソコンにより操作監視を行い,コントローラにはFA-M3(PLC)を採用した。導入先では,省力,高収量,高品質及び省エネなどの効果を発揮している。
ディジタルオシロスコープ DL1640/DL1640L(PDF: 236KB / 4ページ)
- 中 野 真 一 *1
- 岡 留 正 朋 *1
- 薬 袋 正 和 *1
- 森 田 和 則 *1
*1T&M事業部 メジャメント・ビジネスセンター 第1技術部
4チャネル入力,帯域幅200MHz ,最高サンプルレート200MS/s ,最大レコード長32MワードのディジタルオシロスコープDL1640/DL1640Lを開発した。プリアンプ一体型のADC ICの開発,高集積度のアクイジションICの開発,高効率電源の採用などにより,従来機種DL1540と比較して高性能化,小型化,軽量化を,より一層進めた汎用型オシロスコープである。本稿では,その概要を報告する。