No.2 CENTUM VP 特集
新統合生産制御システムCENTUM VP の開発コンセプト
― VigilantPlantが実現するOperational Excellence ― (PDF:379KB/4ページ)
- 小田 信二 *1
- 鳥越 研児 *2
*1IA事業部システム事業センター 技術推進部
*2IA事業部システム事業センター ソフトウェア技術部
顧客の経営効率・企業価値を最大化するためには,「現場の今」を経営判断に活かすリアルタイム経営が求められる。このリアルタイム経営の核は,操業の全体最適が実現している「理想工場」である。2005年,当社はこの「理想工場」に基づいたコンセプト「VigilantPlant」を発表した。VigilantPlant の目的は,顧客のプラントに対する操業効率向上ソリューション(Operational Excellence)を提供し,顧客の成長性と生産性を永続的に向上させ,顧客の企業価値を最大化することである。
今回開発したCENTUM VP は,このVigilantPlant の目的を実現する次世代の統合生産制御システムである。その機能は,従来の分散型制御システム(DCS)が中心としていたプロセス制御のみならず,設備管理,安全管理,操業管理などの広い範囲をカバーしている。
本稿では,CENTUM VP のコンセプトおよびシステムアーキテクチャについて述べる。
CENTUM VP における新操作監視ステーション ‘HIS’ (PDF:340KB/4ページ)
- 川島 哲哉 *1
*1IA事業部システム事業センター ソフトウェア技術部
新統合生産制御システム CENTUM VPの操作監視機能を受け持つHMI ソフトウエアとして,Microsoft社の最新OS であるWindows Vista に対応した新操作監視ステーションHIS (Human Interface Station)を開発した。
HISは,運転効率を高め,その継続的な運転効率向上に貢献するべく,統一的で直感的なオペレーション環境を提供する。このオペレーション環境が目指すのは,必要な情報を必要な時に必要な人が利用できることであり,また,使用者と同時に成長していくことである。本稿では,HIS のコンセプトと機能を紹介する。
CENTUM VP グラフィックシステム ― 統合HMIを目指して ― (PDF:355KB/4ページ)
- SURENDRA C RAMARAO *1
- 田中 美穂子 *1
*1YEA Singapore Development Centre R&D2
近年のIT 技術の進歩やPC の普及により,分散制御システム(DCS:Distributed Control System)の世界にもより表現力の豊かなグラフィック画面が要求されてきている。当社の新生産制御システムCENTUM VPはDCSの新運転スタイルの提案に基づき,グラフィックシステムを全面的に刷新した。
従来,当社の各製品は製品固有のグラフィックシステムを持っていたが,多くの共通化できる機能があった。CENTUM VP グラフィックシステムでは,その共通機能を共通モジュール群として統合し,操作性・視認性の共通化を図るとともに,柔軟性・拡張性を高めた。
CENTUM VP におけるタービン制御 (PDF:513KB/4ページ)
- 馬庭 幸雄 *1
- 北村 聡 *2
- 青山 公英 *1
- 松山 実嗣 *2
*1IA事業部システム事業センター ハードウェア技術Gr.
*2IA事業部システム事業センター ソフトウェア技術Gr.
従来DCS(Distributed Control System)で実現困難であった高速のタービン制御を行うため,新統合生産制御システムCENTUM VPのI/Oモジュールとして,新規にタービン制御専用のI/Oモジュール2機種を開発した。これらのモジュールをCENTUM VP のプラットフォーム上に実装することで,実績のあるCENTUM と同等な信頼性を持つタービン制御システムを実現した。また,DCSとの一体販売を最大限に生かすことで,タービン制御のエンジニアリング,保守,サービス体制を充実することができた。本稿では,CENTUM VP で統合されたタービン制御システムの特長と,今回開発した各種タービン専用I/O モジュールの機能について紹介する。
安全システムProSafe-RS の統合シミュレーション環境の構築 (PDF:390KB/4ページ)
- 村上 威 *1
- 松田 宗一郎 *1
- 西田 純 *1
- 大迫 悟 *1
*1IA事業部システム事業センター ソフトウェア技術Gr.
近年のプラントにおいて,産業事故によるリスクを低減させるため,生産制御システム(DCSなど)による制御層だけでなく,安全計装システム(SIS:Safety Instrumented System)を用いた防護層の設置が一般的になりつつある。
安全計装システムは,プラントが危険な状態に陥った場合に,危険を回避するシステムとして必須であるが,その性格上実プラントにおいて,安全計装システムが作動することはまれである。このため,安全計装システム作動時の操作は,オペレータが経験しにくく,オペレータのための訓練システムが強くもとめられていた。そこで,危険状態に直面したオペレータが,DCSとSISの両者を適切に操作することができるようにするための,双方のオペレーションを統合した訓練ができるシミュレーション環境を開発した。
高速データアクイジションユニット SL1000 (PDF:356KB/4ページ)
- 中山 悦郎 *1
- 鈴木 悟 *1
- 新免 恵三 *1
- 内田 出 *1
*1通信測定器事業部 基本計測開発センター開発統括Gr.
最高サンプルレート100 Mサンプル/秒で16チャネルの高速データアクイジションユニットSL1000を開発した。本器は,最大サンプルレートが100 M サンプル/ 秒と高速でありながら1 kV という高い電圧での絶縁を同時に実現した。またPCベースの測定器でありながら,高速データ圧縮エンジン(GIGAZoom Engine)の開発により大容量データ時でも,単体測定器のようにPCモニタ上で高速に波形更新を行うことが可能である。本稿では,SL1000 の主な機能および高速波形測定技術について紹介する。