横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

Vol.42 No.2 (1998)

フィールドバス特集号

横河フィールドバス製品の開発コンセプト(PDF: 71KB / 4ページ) 

  • 森 岡 義 嗣 *1

*1フィールドバスセンター

プロセス産業の企業内情報システムの一部としてフィールド通信がある。フィールド機器からの情報を企業内情報システムに取り込み,有効に活用することは特に制御,保守管理の面で重要である。これまで当社はフィールド通信としては4~20 mAに重畳して通信を行なうBRAIN方式等を提供してきたが,フィールドバス協会のフィールドバス規格に基づく全ディジタル通信方式の製品を開発したので,フィールドバスシステム開発の考え方について述べる。


フィールドバス通信インタフェース IC(PDF: 51KB / 4ページ) 

  • 長谷川 芳 尾 *1
  • 寺 西 義 一 *1

*1デバイス設計センター

フィールドバスインタフェース用のMAU(Medium Attachment Unit)ICを開発した。本ICには,バスの信号線に重畳された電源ソースから内部電源を生成する電源部,送信の際に波形整形を行ないバスに出力する送信部,受信のためのフィルタおよびコンパレータを含む受信部を内蔵している。また,ローパワーシグナリング(非送信時のバス電流を削減)機能およびジャバインヒビット(一定時間以上の送信禁止)機能も搭載している。フィールド機器に使用されるため,0.7 mAという低消費電流を実現している。プロセスは当社の3μmバイポーラプロセスを使用しており,パッケージは44ピンプラスチックQFP(Quad Flat Package)である。本稿では,ICの構成および評価結果について報告する。


EJAのフィールドバス対応(PDF: 488KB / 4ページ) 

  • 小 山 越太郎 *1
  • 新 国 雅 章 *1
  • 尾 土 平 澈 *1

*1センサ機器事業部 センサ伝送器技術部

プラントでの信号伝送は,4~20 mAの1:1アナログ伝送がスタンダードとして採用されて久しいが,1:nのディジタル伝送を実現するフィールドバスが実用化されようとしている。この実用化にあたり,プラントでの主要なセンサの1つである差圧伝送器EJAシリーズのフィールドバス対応モデルを開発した。今回は,EJAの全機種にフィールドバス通信機能を搭載し,標準リソースブロックと標準アナログ入力ブロックを搭載することにより,容易なアクセスを可能としている。
本稿では,EJAフィールドバス対応モデルの構造や特長について述べる。


YEWFLOのフィールドバス対応(PDF: 503KB / 4ページ) 

  • 関 口 敏 夫 *1
  • 高 橋 誠一郎 *1
  • 宮 田 敏 幸 *1
  • 黒 森 健 一 *1

*1センサ機器事業部 流量計技術部

渦流量計YEWFLOの高級機種として,フィールドバス協会のフィールドバスに対応したモデルを開発した。渦流量計YEWFLOは液体・ガス・スチームを同一の検出器で対応し,液体温度・液体圧力範囲が広い流量計であり,口径15 mm~300 mmまでを10サイズでカバーする。今回のフィールドバス対応モデルの開発によって,従来のアナログ出力(4~20 mA)・パルス出力に,高速で高精度な双方向ディジタル通信が可能なフィールドバスの3つの出力形態が加わり,より高精度で幅広い用途に使える汎用の流量計となった。本稿では,フィールドバスに対応した渦流量計YEWFLO*Eの特長を報告する。


CENTUM CS フィールドバス通信機能(PDF: 131KB / 4ページ) 

  • 森 宏 *1
  • 水 島 冬 樹 *1
  • 富 田 昭 司 *1
  • 林 俊 介 *2

*1システム事業部 制御システムセンター 開発2部
*2システム事業部 制御システムセンター 開発3部

分散制御システムCENTUM CSにおいて,フィールドバス協会のフィールドバスに準拠したフィールドバス通信機能を開発した。フィールド機器制御機能の操作・監視機能を実装しており,CENTUM CS制御機能とフィールド機器制御機能とのカスケード制御も可能である。フィールドバスとはフィールドバス通信モジュール(ACF11)がインタフェースする。ACF11は広域分散が可能なリモートIOバス(RIOバス)のノードに接続できるため,フレキシブルなシステム構築を可能としている。
本稿では,CENTUM CSフィールドバスシステムの中核となる通信機能を中心にその特長を紹介する。


CENTUM CSフィールドバス 機器管理ツール(PDF: 63KB / 4ページ) 

  • 栗 山 勘 衛 *1
  • 松 本 典 子 *1
  • 加 瀬 修 司 *1

*1システム事業部 制御システムセンター 開発2部

CENTUM CSフィールドバス機器管理ツールを開発した。本ツールは,CENTUM CSに接続されるフィールドバスに繋がるフィールド機器を対象とし,計器室など現場から離れた所に設置したPCで動作する。本ツールは,フィールド機器の状態監視,フィールド機器の持つパラメータの表示,設定,フィールド機器の発するメッセージ表示などの機能を持つ。本ツールにより,フィールド機器の監視,データ変更を計器室などから行うことができ,フィールド機器の保守が容易になる。本稿では,今回開発した機器管理ツールについて説明する。


Exaview PCトレンド(PDF: 61KB / 4ページ)  

  • 松 野 卓 哉 *1

*1PIMセンター PIM2部

Exaview(1)は,CENTUM CS(2),CENTUM-XL/V(3)およびμXL(4)に対応したHP9000上で動作するプロセスデータ収集・制御・管理パッケージである。そのExaviewのクライアント機能として,Windows(5)上で動作するアプリケーションを開発した。Exaview PCトレンドはWindows上でExaviewのプロセスデータをトレンド表示したり,データを入力する画面を持っている。本稿ではその機能について紹介する。


設備異常監視システムの画像処理アルゴリズムII(PDF: 136KB / 4ページ)  

  • 河 野 隆 志 *1
  • 阿久津 実 *1
  • 柳 川 美 和 *1
  • 池 澤 克 哉 *1

*1中央研究所 計測制御アルゴリズム研究部

当社では,プロセス・プラントの現場パトロールを支援するため,各種センサの信号を処理することにより,自動的にプラント設備の異常検知ができる設備異常監視システムの開発を進めてきた。今回,火力発電プラントのボイラに使用されているバーナー領域での重油漏れ異常を,画像処理により検知するアルゴリズムを開発したので報告する。
火力発電所のボイラ・バーナー領域は,気象条件等で照明変動が激しく,人の通過があったり,配管の影が差し込むといった外乱要因の多い場所である。そのため,重油漏れ異常の検知はパトロール員による巡視や制御室での運転員による監視カメラ画像の監視に頼っているのが現状である。しかし,今回開発した適応積算コントラスト強調(AACE)法により,バーナー領域の重油漏れを自動的に検知可能となった。AACE法とは,照度が低く人間がCRTモニタ上で見ても漏洩した重油を認識しがたい画像であっても,対象領域の平均輝度値が適切なレベルになるまで画像を積算することによりコントラストを強調し,漏洩した重油と背景の区別ができるようにした画像処理手法である。このとき,人の通過は画像平均法とグレースケールのパターン・マッチングを,配管等の影は今回開発した領域分割法を用いることにより,外乱として除去可能であることを示した。
本アルゴリズムを適用することにより,数分~数十分間隔で重油漏れ監視が可能となり,パトロール員や運転員の負荷を軽減することができる。


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