電子計測器特集号
持続的成長を確実とするコーポレート研究開発戦略(PDF:35KB/2ページ)
- 永 島 晃 *1
*1取締役 専務執行役員 技術開発本部長
インピーダンスメータ WT1600FC(PDF:76KB/4ページ)
- 小 池 克 博 *1
- 数 見 昌 弘 *2
- 阪 田 英 資 *1
*1通信測定器事業本部 第1開発本部 プラットフォーム技術部
*2通信測定器事業本部 第1開発本部 PMK部
燃料電池を始めとする電池の内部インピーダンス計測を行うために、インピーダンスメータWT1600FC を開発した。本器は、当社のディジタルパワーメータWT1600 をベースに開発され,従来の電力計の優れた機能を継承しながら、インピーダンス測定に必要な機能を追加搭載している。本稿では,WT1600FC の機能・特長,更には電池の内部インピーダンスをより正確に測定するために設計されたハードウエア,ファームウエアの基本構成・動作原理について記述する。またインピーダンス測定結果の収集を容易にし,結果の解析に必要なCole-Cole プロット図の描画を可能にするアプリケーションソフトウエアについても紹介する。
ディジタルジッタメータTA220(PDF:104KB/4ページ)
- 小宮山 潤 一 *1
- 渡 邊 航 *1
- 駒 牧 盛 年 *1
- 加 藤 之 大 *1
*1通信測定器事業本部 第1開発本部 プラットフォーム技術部
次世代高密度光ディスクであるブルーレイディスク(Blu-ray Disk 以下BD) の生産ライン用ジッタメータTA220 を開発した。本機はフロントエンド回路部分にBD 規格準拠のイコライザ回路,オートスライサ回路,クロック再生のPLL 回路を搭載し,RF 信号のみしか用意できない現場にてもBD 規格に準拠した方法でDATA-CLOCK ジッタを測定し,BD用光ピックアップの調整工程などで使用することができる。また,従来のTA シリーズではファームウエアで行っていたジッタ計算( 標準偏差計算)の一部をハードウエアで行う機能を新たに組み込み,測定結果の更新時間を従来のTA シリーズの1/10 以下にすることができた。
PC ベース計測器WE7000 シリーズ用WE500/WE900 計測ステーション(PDF:85KB/4ページ)
- 柳 生 浩 *1
- 中 村 元 *1
- 太 田 浩 二 *1
- 殿 坂 尚 紀 *1
*1通信測定器事業本部 第1開発本部 プラットフォーム技術部
PC ベース計測器WE7000 シリーズ用計測ステーションWE500/WE900 を開発した。従来のプラグアンドプレイ機構,高速データ通信機能を継承し,従来の計測モジュールとの互換性を保ちながら,高機能,高パフォーマンスを実現した。測定データの内部処理や自律動作を実現する「エンベデッドモジュール」機能を導入し,通信機能として,最大480 Mbps のデータ転送を行うUSB インタフェースとイーサネットインタフェースを標準搭載した。
プレシジョンパワーアナライザ WT3000(PDF:125KB/4ページ)
- 岩 瀬 久 *1
- 伊 東 修 *1
- 橘 勝 也 *1
*1通信測定器事業本部 第1開発本部 プラットフォーム技術部
電力測定確度が世界最高レベルの±0.06% で,かつ測定帯域がDC および0.1 Hz ~ 1 MHz のプレシジョンパワーアナライザ WT3000 を開発した。従来機種(WT2000)の入力エレメント数3 に対し,4エレメントまで装備でき,DC入力の三相インバータ機器の効率測定を1 台で行える。これにより,電気自動車等に搭載されるインバータの効率を高精度に測定できる。また,測定値表示を従来機種のLED 表示から大画面のLCD 表示に変更し,波形表示等の多彩な表示形式を実現しつつ,操作性の向上を図っている。本稿では,その概要について述べる。
横河電機グループの計測トレーサビリティと計測器管理(PDF:92KB/6ページ)
- 荻 田 英 治 *1
- 甘 利 豊 文 *1
- 吉 澤 淳 *1
- 若 松 宗 明 *1
- 松 本 烈 *1
*1技術開発本部 開発基盤支援センター(甲府)
計測結果の整合性および信頼性を確保するため,計測器および検査装置の国家標準へのトレーサビリティを維持することは計測器メーカの責務である。横河電機グループでは多くの物理量を計測する測定器を生産販売している。本稿では電気,光,圧力,温度の計測トレーサビリティに的を絞り紹介する。直流電圧の標準はツェナー形標準電圧発生器,直流抵抗の標準は当社製標準抵抗器,交流電圧と交流電流の標準は熱電形交直電圧比較器と熱電形交直電流比較器,光パワーの標準はカロリメータ,光波長の標準は周波数安定化He-Ne レーザ,圧力の標準は重錘形圧力天びん,温度の標準は標準白金測温抵抗体とR 熱電対である。計測トレーサビリティは,定期的な校正によって維持されている。当社は,1993年に導入された計量法トレーサビリティ制度JCSS(Japan Calibration Service System) において,「電気等」と「圧力」の校正事業者として認定を取得している。
PC ベース高速データアクイジションユニット DAQMASTER MX100 のハードウエア(PDF:164KB/4ページ)
- 森 定 男 *1
- 古 屋 孝 仁 *2
- 平 井 一 夫 *3
*1IAネットワークソリューション事業部 第1技術部
*2IAネットワークソリューション事業部 第2技術部
*3IAネットワークソリューション事業部 第3技術部
燃料電池の性能評価など,多様化する計測市場に対応するDAQMASTER シリーズPC ベース高速データアクイジションユニットMX100 を開発した。最短測定周期10 ms, 最大入出力1200 ch, 耐コモンモード電圧3700 V 1 分間の性能を備えたモジュール構成のデータアクイジションユニットである。またマルチインターバル機能や,多種類の入出力モジュールを用意し,多様なシステム構成に対応可能である。本稿では,DAQMASTER シリーズMX100 のハードウエアについて,構成,特長,およびそれらを実現するための技術要素について紹介する。
MX100 専用ソフトウエア MX100 Standard Software/MXLOGGER(PDF:142KB/4ページ)
- 谷 詰 靖 宏 *1
- 鈴 木 岳 良 *1
- 高 家 靖 昌 *1
- 李 銀 秀 *1
*1IA事業本部ネットワークソリューション事業部 第2技術部
PC ベース高速データアクイジションユニットDAQMASTER MX100 の性能を最大限引き出すべく,MX100と接続して使用するPC ソフトウエアMX100 Standard Software およびMXLOGGER を開発した。MX100 Standard Software は1 台のMX100 用PC ソフトウエア,MXLOGGERは最大20 台までのMX100 との接続を可能とするPC ソフトウエアである。両ソフトウエアともMX100 のFIFO(First-In/First-Out) 機能を使用し10 ms の測定周期に対応,またMX100 の特長であるマルチインターバル機能もサポートしている。本稿では,それらPC ソフトウエアの構成,特長,および動作について述べる。
フィールドバス―空気圧変換器YPK110(PDF:95KB/4ページ)
- 長 井 浩 二 *1
- 橋 住 和 広 *1
- 村 上 龍 大 *1
- 齋 藤 洋 二 *1
*1フィールド機器事業部 第1技術部
横河電機では1961 年にアナログ式電空変換器5502 とバルブポジショナ5503 をリリース,1992年に同じくアナログ式電空変換器PK200 とバルブポジショナVP200 をリリースして以来,これらは多くのプラント制御で使用されてきた。また,1999年にはFOUNDATIONフィールドバス対応のバルブポジショナYVP110 をリリースし,性能の向上や使い易さの向上,診断機能などによるライフサイクルコスト削減への寄与に努めてきた。一方で,フィールドバス計装でも操作端には空気圧が用いられていることや,空気式で計装されたプラントのフィールドバス計装化の要望,また,空気圧による直接駆動が必要な操作機器も多くあることから,FOUNDATIONフィールドバス対応の電空変換器の要求も出てきている。そのため,新たにフィールドバス―空気圧変換器YPK110 を開発した。本稿ではYPK110 の構造・制御・診断機能について紹介する。
STARDOM 省エネ支援パッケージ“InfoEnergy”(PDF:188KB/4ページ)
- 岡 田 智 *1
- 小 島 靖 広 *2
*1IAシステム事業部 第2技術部
*2IAシステム事業部 オープンソリューション営業部
地球環境の悪化と省エネ法の改正によってエネルギーのモニタリングのみならず、改善活動が従来以上に重要な課題となっている。STARDOM の自律型コントローラ FCN/FCJ は,制御機能に加えて,広域に分散しているフィールドデータをネットワーク経由で情報として発信する機能を持つことを特長としている。
本稿で紹介する,STARDOM 省エネルギー支援パッケージ“InfoEnergy” は,自律型コントローラFCN/FCJ をベースに,電力のみならず機器の稼働負荷や流量,熱量など一般のエネルギー量を収集し,それらデータの管理・解析,そして、その結果によるエネルギー削減の対策を目的としたソフトウエアパッケージである。
本稿では,InfoEnergyの特長,機能,実施例について紹介する。