No.2 フィールド無線特集
巻頭言 無線通信の歴史と横河電機の取り組み (PDF:213KB/2ページ)
- 伊東 千明 *1
*1 IA マーケティング本部 事業企画部長
無線技術で拓くフィールドデジタル・イノベーション (PDF:1133KB/4ページ)
- 長谷川 敏 *1
*1 IA-MK 本部 事業企画部
横河電機は,プラント現場に設置されたインテリジェントなフィールド機器と上位システムとをデジタル通信で繋ぎ,情報技術を活用することで計装およびプラント操業の変革を行う「フィールドデジタル・ソリューション」を提唱している。当社は,今日注目を集めているフィールド無線をフィールドデジタル・ソリューションの新しいパラダイムと捉え,インダストリアルオートメーション用無線通信規格ISA100.11a の標準化活動に設立当初から参画し,同規格に適合した製品展開を進めている。本稿では,フィールド無線のコア技術となるISA100.11a規格の技術的特長を紹介する。そして無線技術と既存のデジタル有線計装,IT 技術を連携させて新しい付加価値ソリューションを創造するフィールドデジタル技術によるイノベーションについて述べる。
次世代プラントワイドフィールド無線システム (PDF:633KB/4ページ)
- 吉田 良夫 *1
- 深澤 正行 *1
- 藤本 直之 *1
- 遠藤 正仁*1
- 胡 栄才 *2
- 李 浩 *2
*1 IA-MK 本部 事業企画部
*2 横河電機(中国)有限公司 開発本部
インダストリアルオートメーション用無線通信規格ISA100.11a に準拠した大規模・高信頼な次世代プラントワイドフィールド無線システムとして,無線ネットワーク管理機能,ゲートウェイ機能とアクセスポイント機能を分離したフレキシブルなシステム構築が可能な新しいフィールド無線システム機器を開発した。フィールド無線システムでは世界最大規模となる500 台までの無線フィールド機器の一括管理機能と,世界初のフィールド無線システム全体の完全冗長化を同時に実現した。本稿では,これらの製品概要と新規開発した技術について紹介する。
無線フィールド機器を統合した制御システム (PDF:569KB/4ページ)
- 中元 康之 *1
- 齋藤 寛之 *1
- 永富 浩嗣 *1
*1 IA プラットフォーム事業本部システム事業部 PA システム技術部
近年プロセス制御市場において無線通信を利用した制御システムに対する期待が高まっている。成長期であるフィールド無線市場を活性化させ,大規模環境での無線システムの活用を促進するため,無線フィールド機器および無線システム機器の新製品開発が急務となっている。そこで当社は,無線フィールド機器を統合した分散型制御システムCENTUM VP R5.02 およびフィールド無線用OPC サーバ R2.0 を開発した。本稿ではCENTUM VPを中心に,ホストの通信インターフェースの機能,特徴について紹介する。
フィールド無線の信頼性と安定性 (PDF:810KB/4ページ)
- 松崎 正明 *1
*1 IA-MK 本部事業企画部
当社は工業用無線の複数の技術と規格を比較検討してきた。その中で無線物理層の信頼性が無線システム全体の安定性を実現するための基本であるということを認識し,それを設計ポリシーとしてきた。当社はこれを“Reliable Radio”(高信頼無線)という技術コンセプトとして掲げ,その効果を実験室やフィールドで評価確認してきた。本稿ではその技術的背景と評価結果を報告する。
無線EJX/YTA 防爆向け高周波技術 (PDF:1028KB/4ページ)
- 望月 聡 *1
*1 IA-MK 本部 事業企画部
近年,防爆エリア内で無線通信を使用したフィールド機器の需要が増加している。プラント現場の金属製配管が複雑に入り組んだエリアにおいては,無線通信を阻害する金属製配管を避けるためにアンテナを通信可能な位置まで移動させる必要がある。また,通信距離が長い井戸元の監視エリアでは,より遠くまで無線信号を飛ばすため高ゲインのアンテナが必要となる。このようなアンテナへの要求を実現するため,防爆エリア内でアンテナやアンテナを延長するために用いるケーブルを自由に交換できる高周波技術と防爆技術を融合するキーコンポーネントを開発した。本稿では,この技術の概要を紹介する。
多点温度伝送器YTMX580 (PDF:973KB/4ページ)
- 松田 修一 *1
- 菅原 義徳 *1
- 藤原 雅之 *2
*1 IA プラットフォーム事業本部ネットワークソリューション事業部 技術部
*2 IA プラットフォーム事業本部共通技術開発センター 技術推進部
危険エリアで複数の温度を測定して温度分布を正確に把握することは,プラントなどの温度を制御する上で必須である。このために多数の伝送器を設置する必要があったが,この度当社は無線通信規格ISA100.11a に適合した業界最多のチャンネル数となる8チャンネルの多点温度伝送器YTMX580 を開発した。YTMX580 が伝送器の設置台数を減らして,お客様のトータルコストを抑えた温度測定に貢献すると確信している。本稿では,多チャンネルで高速測定,かつ長期間の電池駆動を可能にした電気性能と防塵,防水特性を満足する筐体性能で,本質安全防爆規格に適合したYTMX580 について紹介する。
FieldMate によるISA100.11a 機器のサポート (PDF:1304KB/4ページ)
- 藤井 英幸 *1
- 降旗 良平 *1
- 後藤 宏紹 *1
- 児玉 和俊 *1
*1 IA プラットフォーム事業本部共通技術開発センター技術推進部
FieldMate は,フィールド機器調整・設定ソフトウェアで,“One tool for all” のコンセプトの下,これまで様々なフィールド機器とフィールド通信プロトコルへの対応と機能強化を続けてきた。フィールド無線システムの開発に合わせて,無線フィールド機器のライフサイクル(立ち上げ,保守及び機器交換)をカバーするFieldMateR2.05 の開発を行った。本稿では,無線フィールド機器に対応した機能に関して紹介する。
PRM による無線フィールド機器の管理 (PDF:640KB/4ページ)
- ハフィーツ・ラマン *1
- キム・ファット *1
- 坂本 英幸 *1
*1 YEI Singapore Development Centre R&D 1
2010 年7 月,横河電機はYFGW710 フィールド無線用一体形ゲートウェイと,無線圧力伝送器および無線温度伝送器をリリースし,ISA100.11a 規格に準拠したフィールド無線ソリューションを提供する最初のベンダとなった。2012 年,フィールド無線の普及・拡大に伴い,多数の高性能機器に一括対応できる新しいゲートウェイが必要となった。そのため同年7 月,新型のYFGW410 フィールド無線用管理ステーションとその周辺機器を投入し,無線ソリューションのラインアップを拡充した。一方,プラントの制御監視の分野でもフィールド無線の利用が増えており,統合機器管理ソフトウェアパッケージPRM (Plant Resource Manager) や機器調整・設定ソフトウエアFieldMate などが無線機器の管理や保守に対応する必要があった。本稿は,このニーズを満たすためにPRM に付加された新しい機能について述べる。
ISA100.11a 無線フィールド機器の配置設計方法 (PDF:966KB/4ページ)
- 高井 潔 *1
- 相川 清隆 *1
- 萩本 麻衣 *1
- 渡部 晃司 *1
*1 IA-MK 本部事業企画部
プラント現場の中にインダストリアルオートメーション用無線通信規格ISA100.11a 準拠の無線フィールド機器を設置する場合,当社が提案するスカイメッシュ方式で配置設計をすることで,非常に良好な無線通信品質を確保できることがわかった。本稿ではスカイメッシュ方式の配置の考え方を解説し,実際にプラント現場に配置した結果を述べる。
石油・ガス採掘現場向け光ファイバ分布型温度センサDTSX200 (PDF:1048KB/4ページ)
- 福澤 亨 *1
*1 IA プラットフォーム事業本部共通技術開発センター ファイバーセンシング部
IA プラットフォーム事業本部共通技術開発センター ファイバーセンシング部近年,世界のエネルギー需要増加にともない,重質油,オイルサンド,シェールガスなどの非在来型と呼ばれる資源開発が進んでいる。横河電機は,非在来型資源を効率的に回収するために地中の温度分布をモニタリングする手段として注目されている資源開発の採掘現場向け光ファイバ分布型温度センサを開発した。従来から保有している光計測技術をベースに,採掘現場に求められる耐環境性,太陽電池等の限られた電力での動作を実現した。さらに,資源開発の生産性向上に貢献するために,生産制御システムとのインタフェースやセキュアなプロトコル,石油・ガス業界標準フォーマットデータのサポートにより,ユーザーネットワークとの連係機能を強化した。