次世代育成支援の取り組み
YOKOGAWAは、地域社会の一員として、次世代を担う人材の育成支援や、障害のある児童や生徒の社会参加の支援などを行っています。
YOKOGAWA理科教室
YOKOGAWAは計測・制御・情報の技術を基盤として事業を推進していることから、2006年度から、小中学生向けの理科教育を支援する「YOKOGAWA理科教室」を年数回実施しています。
理科教室のテーマは、光、電気、電波など、YOKOGAWAを支える基礎技術に関連したものを取りあげてきました。講師や工作の個別指導は社員がボランティアで務めています。社員ボランティアがテーマに応じて光や電気の仕組みを説明した後、参加児童の皆さんにハンダ付けも含めて工作をしてもらいます。2019年度にはニーズの高まりを受けて、小学生のプログラミング教育に関する指導のサポートを始めました。オンラインによるコミュニケーションの普及も進み、地域のIT教室や国内の大学と連携し、全国の小学生を対象としたプログラミング講座のサポートを行っています。また、社員が「技術の仕事」を紹介し、技術に興味を持つことを通して、工夫する事や考える事の重要さも学んでもらいます。子どもたちと触れ合うことは、社員自身の成長にも繋がっています。
このような活動を通じて地域との交流を深め、また科学や技術に興味を持つ人材の育成に貢献していきます。未来の地球を支える、科学や技術に興味を持つ人材が育つことが当社の願いです。
ドローンを活用した未来を考える 東北大学サイエンスキャンパス (2022年8月) |
オンライン・プログラミング講座 (2022年2月) |
オンライン・プログラミング講座 東北大学サイエンスキャンパス (2021年10月) |
簡易スピーカーの製作 (2020年2月) |
ドローンを活用した未来を考える 公開授業の支援(2020年2月) |
放射温度計の制作 東北大学サイエンスキャンパス (2019年8月) |
むさしのサイエンスフェスタへの参加
横河電機ブースの様子
(2019年11月)
武蔵野市が毎年開催する「むさしのサイエンスフェスタ」に、参加しました。このイベントは市内の小・中学校の教諭や企業、ボランティア団体などがそれぞれ実験ブースを出展する理科・科学実験の総合イベントで、2019年度は1,623名の参加者(入場者1,378名、出展者31ブース245名)がありました。
当社ブースのテーマは「声の秘密を探ろう」で、参加児童には手作りのマイクアンプとオシロスコープを使用し、自分の声がどのように見えるかを観察してもらいました。子どもたちは自分の声の音の強弱や音階に応じて変化する波形に興味深そうに見入っていました。ボランティアスタッフとして参加した当社の社員にとっても、オシロスコープを使って観察する指導は貴重な経験となっています。
YOKOGAWAグリーンボランティア活動
YOKOGAWAグリーンボランティアは、生物多様性についての啓蒙や保全活動を行いCOP10(2010年に名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議)で定められた愛知目標に貢献していく活動として、2016年4月に始まりました。現在はSDGsへの貢献と位置づけて、活動を継続しています。社員向けには、地域の生き物の観察会や身近な植物の豆知識セミナーなどのイベントを開催し、地域社会向けには、武蔵野市やNPOと連携し、玉川上水や井の頭公園で小学生や保護者を対象とした自然観察会を行っています。
親子で木の実の図鑑づくりの様子(2018年11月) | |||
NPOと連携した社員向け観察会(小金井公園&玉川上水)の様子(2022年3月) |
横河ファウンドリーでの見学/実習受け入れ
YOKOGAWAは、知的障害や発達障害のある方の雇用を目的に横河ファウンドリー株式会社を1999年に設立しました。横河ファウンドリーでは、見学者や実習生を受けいれており、次世代育成や、各都道府県教育庁の障害者就労支援施策に貢献しています。
2017年度は、44団体156名の方が横河ファウンドリーを見学に訪れました。特別支援学校などからの実習生は、8校、8支援機関から計23名の方を受け入れました。
高齢者への健康増進の支援
同好会バスケットボール部は、公益財団法人さわやか福祉財団からの要請をうけ、東京都世田谷区給田小学校のバスケットボールチーム「給田シューティングスター」の小学生とともに、2006年より年1回地域の特別養護老人ホームで「バスケットさわやか広場」を開催しています。スポーツを通じて子どもたちと交流する機会を提供することは、高齢者の健康増進にもつながっています。
特別支援学校の授業・行事・余暇活動への支援
YOKOGAWAは、地域教育推進ネットワーク東京都協議会の会員として、特別支援学校の授業の支援や、東京都の「放課後子供教室」受託事業で、特別支援学校都立あきる野学園のPTAが中心となって活動している「あきるのクラブ※」をはじめとする、特別支援学校を支援しています。社員は趣味や特技を活かしたボランティア活動として障害のある子どもたちと交流し、「良き市民」としての意識を高めています。
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「あきるのクラブ」について
「あきるのクラブ」は、障害のある子どもたちの豊かな生活と生涯学習につながる地域活動・余暇活動の企画・運営に取り組み、家族を含めて支援する組織で、都立あきる野学園の保護者が中心となり、2004年に活動を開始しました。
「選べるプログラム」「在校生に加え地域の児童・生徒・成人も対象とする」「地域生活のためのネットワークづくり」に留意した取り組みで、2004年度から文部科学省や東京都などから様々な事業を受託しています。
外部機関との協働
様々な社会的課題に対して、YOKOGAWAはグローバル市場でビジネスを行う企業としての責任を果たしていきます。
地域社会との防災協力
当社と当社の本社所在地である武蔵野市は、大規模な災害が発生した場合の協力体制について1996年に覚書を交わし、市民の安全確保に向け当社が武蔵野市に協力することを取り決めています。災害時には当社の施設の一部を市民に開放し、水や備蓄品を提供するなどの対応がとられます。2014年1月には、横河ソリューションサービス株式会社も武蔵野市との間で、災害時における協力に関して協定書を締結しました。
また、2006年には武蔵野消防署と震災時の支援活動について協定を締結しています。震災が起きた場合、当社は可能な範囲で武蔵野消防署と協力し、消火活動や疾病者の救援にあたります。また、定期的に合同で防災訓練を実施しています。
事業所周辺の地域清掃活動への参加
企業理念である「良き市民」を実践するために、グループ各社では自治体が主催する清掃活動に継続的に参加したり、自主的に事業所周辺の清掃を行ったりしています。地域の美化・環境保全に貢献するとともに、地域社会との交流を深めています。2017年度は、以下の各社で、各事業所の周辺や近隣駅前の清掃活動に参加しました。
- 横河電機株式会社
- 横河ソリューションサービス株式会社
- 横河マニュファクチャリング株式会社
献血活動
診療センターでの献血の様子
横河電機は1966年から、東京都赤十字血液センターに協力して、積極的に献血活動を行っています。献血は、社員に比較的参加しやすい社会貢献活動として捉えており、今までに延べ約4万人が参加しています。2017年度の献血受付者数は、計434名でした。
当社が長年にわたり献血活動に取り組んできたことに対して、2003年に日本赤十字社から「銀色有功章」を受賞しています。また、2016年1月には、東京都から東京都知事感謝状を受領しました。今後も献血活動を継続することで、社員に対する社会貢献の機会を提供するとともに、輸血を必要とする医療活動に貢献していきます。
赤十字子供の家移転への支援
築30年が経過して老朽化が進んでいた日本赤十字社が運営する児童養護施設「赤十字子供の家」移転の支援を行ないました。
都知事からの感謝状
子どもたちからの手紙
途上国の母子健康改善への支援
YOKOGAWA は認定NPO法人ピープルズ・ホープ・ジャパン(PHJ)の理念に賛同し、1997年の発足以来、 東京事務所の無償提供や通信費、賛助会費などを通して支援を継続しています。
2008年から2015年にはPHJのインドネシア母子保健改善事業を支援しました。現在、PHJはカンボジア、ミャンマー両国で「母と子のための地域保健システム強化事業」をSDGs の目標3、目標5、目標6に沿う形で実施しています。また、東日本大震災復興支援活動(継続中)や熊本地震支援活動(終了)などの国内支援活動も実施しています。
PHJは2014年からカンボジア・コンポンチャム州ストウントロン保健行政区において、妊産婦や乳幼児が適切な保健サービスへアクセスできることを目標として、母子保健事業を実施しています。約3年間の活動により保健行政、地域保健センター、地域住民相互の信頼関係が構築され、母子保健改善に結びついています。
また、PHJは2014年からミャンマー・ネーピドー特別管区タッコン郡で母子保健改善事業を実施しています。医療施設建築と医療機器支援では3村で助産診療センターを提供するとともに、助産師のスキルアップ・トレーニング、農村における母子保健教育を実施しています。
カンボジアの村での母子保健教育
ミャンマーでの助産師育成教育
障害のある方の就労支援
YOKOGAWAは、障害のある方の就労に関して自社での雇用を促進するだけでなく、地域社会における就労の機会を拡大するため、社会福祉法人やNPO法人と連携して次のような活動をしています。
障害者就労支援事業所からリユース・ウェスを購入
横河マニュファクチャリング甲府工場では、2010年4月より、障害のある方が働く就労支援事業者から、1ヶ月あたり150kgのウエス(工場の機械類の油や不純物などの汚れを拭き取る布)を購入しています。
現在購入しているウエスは、本来捨てられる古着・古布を再利用したリユース・ウエスで、生産時に資源やエネルギーを必要とせず、CO2を排出することもありません。
リユース・ウエス購入は、障害のある方の就労につながる取り組みの一環であるとともに、地球環境保全にも寄与しています。
福祉自販機の設置
本社構内に設置した
SELP自動販売機
2008年9月から、YOKOGAWAは、SELP(Support of Employment, Living and Participation)自動販売機を設置しています。この自動販売機で飲み物を購入することにより、代金の一部がNPO法人日本セルプセンターを経由して障害のある方の就労支援に活用されます。
本社構内では、通常の自動販売機と並べてSELP自動販売機を設置しています。SELP自動販売機の売り上げが、以前、同じ場所にあった通常の自動販売機と比べて約3割増えたことは、多くの社員が社会貢献を意識して行動していることの現れと言えます。
現在は東京都武蔵野市、あきる野市、山梨県甲府市の3か所に設置しています。
日本セルプセンターについて
障害者の自立支援を目的に、障害者の職業訓練や就労施設の運営といった、さまざまな福祉事業を展開しています。
ランドセルは海を越えて
YOKOGAWAは、2008年度から株式会社クラレ殿が主催する「ランドセルは海を越えて」キャンペーン活動に参加しています。
2022年度も、学用品が不足しているアフガニスタンの子どもたちへの教育支援を目的に、社員から使用済みのランドセルを収集し送付しました。過去15年間で社員から寄付されたランドセルは714個になりました。
社員から提供されたランドセル
ランドセルを受け取ったアフガニスタンの子どもたち
(写真提供:公益財団法人ジョイセフ)