2011年1月25日発表
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都立川市 社長:西島 剛志)は、電力測定器の新製品「プレシジョンパワーアナライザWT1800」を1月28日から販売開始しますのでお知らせします。
当社は、電力測定器分野における日本でのシェアNo.1※1、海外でもシェアNo.1※1の企業として、これまでお客様の製品開発や生産現場における消費電力測定、電力の効率測定などを通じて省エネルギーへの取り組みを支援してきました。
今回発売するWT1800は、販売実績の豊富な現行機種WT1600の後継機種として開発しました。省エネルギーへの取り組みが加速するなかで、より正確な電力測定を実現するために現行機種の基本性能を向上させるとともに、業界初となる入・出力同時に高調波が測定できる機能を搭載した高性能な電力測定器です。
プレシジョンパワーアナライザWT1800
開発の背景
地球温暖化防止に向けて、電力利用の効率化に向けた取り組みが加速するとともに、太陽光・風力発電に代表される再生可能エネルギーの市場が拡大しています。また、自然環境に配慮したEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)の開発、省エネルギー機能を搭載してエネルギー効率を高めた家電製品の開発が急速に進んでいます。これらの開発現場においては、エネルギー効率を正確な電力測定によって確実に把握することが求められています。例えば、家電などの省エネルギー化の鍵となる電力変換装置(インバータ)の開発では、変換過程における電力損失を抑えるための変換効率の改善を求められています。高い変換効率を得るためには、電力測定の正確さを表す確度で±0.3%以上が必要とされるなど、電力測定器に高い測定性能が求められています。
WT1800は、こうした現行機種では対応できない市場要求を満たすため、基本性能の向上に重点を置いて開発されました。これまで以上に正確な電力測定を可能とすることで、省エネルギー関連製品の開発などで威力を発揮し、測定精度のさらなる向上に貢献します。
製品の特長
- 高精度、高速、広帯域測定
直流電力および交流電力(商用周波数50/60ヘルツ)において、±0.15%の確度を実現しました。太陽光で発電された直流電力やインバータの直流・交流出力をより正確に測定できます。また、デジタル信号の処理能力を大幅に改善し、現行機種と比べて10倍の毎秒約2メガサンプリング(16ビット分解能)のサンプリング速度を実現しました。さらに、測定可能な電気信号の範囲を表す電圧・電流の測定帯域も、現行機種と比べて5倍の5メガヘルツとし、高い周波数を含む電気信号も測定可能となりました。 - 最大6入力
電力は最大で6入力まで測定可能です。インバータ駆動モータなど、測定箇所の多い機器の開発にも1台で対応できるため、測定効率が向上し、測定コストが抑えられます。 - 業界初、入・出力の高調波※2を同時に1台で測定が可能
インバータでは、電力変換によって入力側と出力側で電圧・電流の周波数が異なります。こうした機器の開発における高調波では、これまで入・出力別々に測定を行っていましたが、WT1800は業界で初めて入・出力を同時に1台で測定できるようにしました。
主な市場
EV/PHV、EVの充電設備、省エネ家電・OA機器、太陽光・風力発電の電力変換装置などの開発、評価部門
用途
EV/PHV、EVの充電設備、省エネ家電・OA機器の開発における電力効率測定および高調波測定、省エネルギー設備機器などの消費電力測定
以上
関連ページ
※1 シェアNo.1
自社調査による推定
※2 高調波
基本周波数波形に対し、その整数倍の周波数成分を含んだ電圧、電流波形。インバータなどの機器で電力を変換する際に生じ、電力線を通して他の電気機器に伝わり、誤動作や異常加熱などを引き起こすことがある。
本件に関するお問い合わせ
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横河メータ&インスツルメンツ株式会社 T&M CS(カストマサポート)センター - 本プレスリリースに関するお問い合わせ先
横河電機株式会社 広報・IR室