2015年9月17日発表
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都武蔵野市 社長:山崎 正晴)は、アナログメータや、熱電対および測温抵抗体を用いた温度計・温度調節計の校正用として、広範囲の直流電圧・電流を高精度に出力可能なプレシジョンDCキャリブレータ「2560A」を開発、9月18日に発売しますのでお知らせします。
プレシジョンDCキャリブレータ 「2560A」
開発の背景
電気メータや温度計などの測定器は、正確さを保つために定期的な校正が必要です。校正をメーカや校正機関に依頼することによるコストの削減や納期の短縮をするためには、高精度な社内標準器を用意し、使用する測定器を自社内で校正することが有効な場合があります。YOKOGAWAは1970年代から電圧・電流、抵抗、圧力、温度等の分野で標準器クラスの高精度校正器を提供しており、この分野ではリーディングカンパニーの1社に数えられています。
昨今のデータセンターにおけるAC(交流)/DC(直流)変換時の電力ロス低減のための直流給電の増加や自動車電装用を中心とした直流モーター市場の拡大などに伴い、大電流測定器も増加し、その校正器の需要も増加しています。しかしながら、他社製品で20Aを超える直流の大電流出力を必要とする校正においては、最大20A前後の出力の校正器に加え、高額なアンプを組み合わせる必要がありました。
プレシジョンDCキャリブレータ「2560A」は、直流の電圧電流発生に機能を特化したことで単体での高電圧、大電流出力を高確度、高安定で可能としながらも、低価格を実現した校正器です。当社従来製品の優れた操作性を継承しながら、さらに利便性を向上しています。当社は、長年培った計測技術を生かして校正器や標準発生器のラインアップをさらに強化し、高精度測定器ビジネスの拡大を図ります。
新製品の特長
プレシジョンDCキャリブレータ「2560A」は、1200V、30Aを超える直流電圧・直流電流を単体で出力することのできる高精度、低価格な校正器です。アナログメータの校正に加え、熱電対・測温抵抗体を用いた温度計・温度調節計などの校正に使用できます。主な特長は以下のとおりです。
- 高精度な高電圧・大電流出力
校正機能を直流専用に特化し、さらに搭載する機能の絞り込みを行うことにより、価格を抑えながら、直流電圧±1,200V、直流電流-12A~36Aを直流電圧±50ppm(180日)、直流電流±70ppm(180日)の高確度 ±10ppm(時)の高安定で出力することを実現しています。
※ppm:parts per million(100万分の1) - 高い利便性
電圧出力、電流出力、温度校正などの機能ごと、桁ごとに分かれた出力値設定ダイヤルの採用により、直観的な操作性を実現。さらに各種通信インターフェース(GPIB、USB、Ethernet(イーサネット))にも対応。質量も従来比6割減の約13kgと可搬性も向上しています。 - さまざまな温度測定器の校正が可能
IEC(国際電気標準会議)で規定されている10種類の熱電対およびPt100(プラチナ100)の測温抵抗体に対応しています。これにより、さまざまな温度計・温度調節計の校正が可能です。
主な市場
- 校正機関、校正メンテナンス業者
- 測定器メーカ
- 電力会社、各種プラント など
用途
- アナログメータの校正、開発、製造検査
- 各種プラントに設置されている温度計や温度調節計のメンテナンス、開発、製造検査
以上
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