2017年11月14日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、最新OPC通信規格であるOPC UA※に対応することで相互運用性を向上させ、同時にセキュリティ機能をさらに強化した、プラント情報管理システム「Exaquantum(エグザカンタム)™ R3.10」を開発、本日より発売しますのでお知らせします。
Exaquantum 画面例
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開発の背景
製造業各社では、プラント内の温度や圧力などのデータを大量に蓄え、解析することで、プラントの設備の効率的な運用や作業改善などに役立てたいというニーズが高まっており、これらのデータを収集・蓄積するプラント情報管理システムは、その重要性を増してきています。当社は、こうしたニーズに応え、石油、石油精製、石油化学、鉄鋼、非鉄、電力、ガス、紙パ、食薬、水処理など幅広い分野に適用できるプラント情報管理システム(PIMS:Plant Information Management System)を開発し、継続して機能強化を図っています。
近年、IT技術の導入が生産管理や制御の領域にも進むなかで、プラント内の情報システムや制御システムのセキュリティ確保が大きな課題となっています。また、お客様には、セキュリティを確保しつつ、最新のネットワーク環境を導入したいというご要望があります。当社はこうしたニーズに応えるため、最新の通信規格への対応やセキュリティ強化を図った、プラント情報管理システム「Exaquantum R3.10」を開発しました。
機能強化の概要
- OPC UAに対応し、他システムとの相互運用性やセキュリティを向上
産業オートメーション分野等におけるデータ交換の標準規格であるOPCの最新版であり、セキュリティを向上したOPC UA(クライアント)に対応しました。これにより、OPC UA対応機器とのセキュアなデータ交換が実現でき、またデータソースの幅が広がりました。OPC UAに対応している当社のデータ収集システム「SMARTDAC+」シリーズとも、セキュアにデータ交換することが可能になりました。
※OPC Unified Architecture(UA):OPC は産業オートメーション分野やその他業界における、安全で信頼性あるデータ交換を目的とした相互運用を行うための標準規格。OPC UAは、ハードウエアやOSに依存せず、高いセキュリティと拡張性をもち、Industry 4.0の基盤となる通信規格とされる。 - システムのセキュリティを強化
脆弱性を確認し、プログラムのパス(ファイルやフォルダへの経路)やアクセス権限付与の見直しなどを行いました。安全で安心できるプラント操業のために、万一、ウイルス感染やサイバー攻撃があった場合に不正な操作が実行されにくくし、セキュリティを向上しました。 - 最新のソフトウエア環境に対応
最新のサーバー用OSである、Windows Server 2016、PC用OSである、Windows 10 Enterprise 2016 LTSB、リレーショナルデータベース管理システムであるMicrosoft SQL Server 2014など、PCやサーバーに関する最新の環境に対応し、お客様が導入しやすい環境を整えました。
主な市場
石油・天然ガス、石油化学、化学、鉄鋼、非鉄、ガス、電力、紙パルプ、食薬、水処理など製造業全般
用途
- プラントにおけるプロセスデータのリアルタイムでのデータベース化
- 蓄積したデータ同士の演算等による加工
- 収集データのグラフィック、トレンド形式、スプレッドシートなどによる表示
「Exaquantum」について
「Exaquantum」 は、石油、石油精製、石油化学、鉄鋼、非鉄、電力、ガス、紙パ、食薬、水処理など幅広い分野に適用できるプラント情報管理システムです。
制御システムが持つ大量のデータは、操業効率向上、品質改善、安全性の向上など、経営判断に欠くことのできない重要な操業情報です。「Exaquantum」 は、制御システムのデータをリアルタイムで収集・加工・保存し、操業管理や操業解析などのMES(Manufacturing Execution System)領域の業務アプリケーションに提供します。「Exaquantum」 は、プラント操業・運転の観点からだけでなくビジネス・経営の観点からデータ解析を行える環境を提供し、現場レベルから経営レベルまでの情報の流れをスムーズにし、リアルタイム経営を実現します。
当社は、今後もプラント操業改善のためのソリューション提案に向け、「Exaquantum」の利便性等を向上することで、お客様と新しい価値を共創し、ソリューションビジネスの拡大につなげていきます。
以上
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