2018年11月29日発表
横河計測株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:山崎 正晴)は、光波長計「AQ6150B」「AQ6151B」を開発、11月30日に発売しますのでお知らせします。新製品は、「AQ6150シリーズ」の後継機で、高確度での波長測定、業界最高クラスの高速測定により測定効率の向上に貢献します。
光波長計「AQ6150B/AQ6151B」
開発の背景
近年のインターネット、スマートフォン、地上波デジタル放送などの大容量・高速通信サービスの急速な普及により、コア(基幹系)およびメトロ(域内)ネットワークの拡張やデータセンター網の構築が進んでいます。これに伴い、光伝送装置や装置に組み込まれる光デバイスの生産が拡大しており、これらの検査を効率良く行える光波長計の需要が高まっています。また、波長可変光源の小型化・低価格化により固定波長光源から波長可変光源への置き換えが加速し、さまざまな波長の光を高確度に測定できる高性能の光波長計のニーズが高まっています。
当社がこのたび開発した光波長計「AQ6150B」「AQ6151B」は、2012年に発売したAQ6150シリーズの後継機です。高確度での波長測定、業界最高クラスの高速測定を実現し多様な波長帯域に対応することで、高精度測定のニーズに応えるとともに、測定効率の大幅な向上にも貢献します。
製品の主な特長
- 業界最高クラスの高速測定、高確度での波長測定が可能
業界最高クラスの高速測定が可能です。従来製品に比べ、約2倍の高速測定を実現し、測定開始から解析、データ転送までを0.2秒以下で行えます。可変波長光源の生産時の調整・検査では、一つの光源につき数百回の波長測定が必要となりますので、高速測定により生産スループットを大幅に向上できます。また、AQ6150Bは±0.7ppm、AQ6151Bは±0.2ppmの高確度での波長測定が可能。両モデルとも業界最多の最大1,024波までの同時測定も行えます。 - 測定可能波長帯域を拡大し、多様なニーズに対応
AQ6150B、AQ6151Bともに、標準タイプ(1270~1650nm)に加え、CWDM※1伝送用デバイスの生産に使用できる波長拡張タイプ(1200~1700nm)や、光増幅で用いられるポンプLDなどの生産向けの広帯域タイプ(900nm~1700nm)をラインアップし、お客様の多様なニーズにお応えします。 - 単一波長検出タイプをラインアップし、低価格化へのニーズに対応
ウエハーやレーザ半導体チップなどの自動検査装置では、単一波長だけを高速に測定することが求められます。このため、AQ6150B、AQ6151Bでは、単一波長検出タイプを追加し、標準機種より低価格でご提供します。また、内蔵波長基準光源※2の交換周期の延長や低価格な交換サービスの提供により、ライフサイクルにわたる維持費も軽減します。
※1 CWDM(Coarse Wavelength Division Multiplexing):
WDM(波長分割多重様式)通信のうち、波長密度の低い方式。光増幅器が不要で低コストに設置できるが最大伝送距離は短く、概ね同一都市内程度の距離の拠点間を接続する回線に用いられる。
※2 内蔵波長基準光源:
光波長計の波長測定時の基準として使用される非常に安定した光波長で発光する光源。使用頻度にもよるが、数年で交換が必要となる。
主な仕様
モデル | AQ6150B | AQ6151B | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
タイプ | 標準 | 波長拡張 | 広帯域 | 標準 | 波長拡張 | 広帯域 |
波長範囲 | 1270~ 1650nm |
1200~ 1700nm |
900~ 1700nm |
1270~ 1650nm |
1200~ 1700nm |
900~ 1700nm |
波長確度 | ±0.7ppm | ±0.2ppm | ||||
最大検出波長数 | マルチ波長タイプ:1,024 シングル波長タイプ:1 |
|||||
測定時間 | 0.2 秒以下(1測定あたり) |
主な市場
- レーザダイオード、光トランシーバなどの光デバイスおよび光モジュール市場
- 光伝送装置市場
用途
- DFBレーザ※3、波長可変レーザ、ファブリペローレーザなどの光デバイスや、光トランシーバなどの発光波長測定
- WDM伝送装置の出力光の波長測定
※3 DFBレーザ(Distributed Feedback Laser):分布帰還型レーザダイオード:
長距離伝送に適した半導体レーザ
以上
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