100周年記念誌「時代を超えて-Always Reaching Higher-」
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17YOKOGAWA 100th Anniversaryなると見込まれた。こうしたソリューションビジネスでは、お客様はもとより装置など他分野を担当する会社との間で、単品機器やシステムを販売するのとは次元の異なるコミュニケーションが必要となる。さまざまな困難に直面しても、約束を守り、逃げずにプロジェクトを完遂する――一見、当たり前のことが簡単ではなくなる。ラム氏の賛辞は、こうした状況において、YOKOGAWAの姿勢が際立っていることを得意先の立場から言明してくれたものであり、そうした場で主役を務めるSEやプロジェクトリーダーたちがこれを喜んだのは当然であった。ETSに始まったソリューションプロバイダへの変身は2005年に掲げた制御事業のビジョン「VigilantPlant」へとつながっていく。現在国内では、制御を軸とした工場・プラント運営面での課題解析・解決策の提案や実行に加え、効果の確認、さらなる改善の提案というサイクルを回していく、より高い付加価値をもったコンサルティングビジネスを含めたソリューションの提供へと業態を進化させつつあり、その範囲は生産工程以外にも広がっている。また、海外市場では、MAC(Main Automation Contractor)に代表されるように、計装分野のトータルソリューションを提供する企業として成長を続けている。 お客様にとって価値あるソリューションを提供するには既存の案件と新規案件では異なるが、いかにお客様の現状や抱えている課題を探りだすかが重要となる。既存のお客様であれば、設備を更新せずに能力を伸ばしたい、生産体制を改革して要員を削減したい、基幹・経営系情報システムと連動させて情報の一元化や可視化を図りたい、安全性やセキュリティを高めたい、省エネルギーを実現したい、保守サービスをアウトソースしたい、海外拠点の運営をサポートしてほしい――などの課題・ニーズに対応、あるいは課題そのものを浮き上がらせるところから始まる。新規案件では、コスト、納期を守ったうえで、お客様の求める機能に付加価値をつけ、提案書を作成して提出する。ここで力を発揮するのが、プロジェクトリーダーや、世界各地のシステムエンジニアである。プロジェクトリーダーは、各種の標準マニュアルやYOKOGAWA独自のパッケージソリューション、製品といった援護のもとに、複数のメンバーを統率し、士気を高め、得意先や提携先との厳しい交渉をこなしつつ、難題の解決策をかたちにしていく。提案書を提出した後も、大規模な案件であれば、お客様から山のような質問状が回答期限付きで送られてくる。この段階においても、YOKOGAWAの約束を守るという姿勢が発揮される。国内の改善案件であれば、業種ごとに業務や現場を隅々まで知り尽くしたプロフェッショナルが、課題発見や問題の解析などをお客様の現場と協力しながら粘り強く進めていく。また、海外大型案件の入札であれば、一般的にはかなり厳しい期限の場合ですら、徹夜を重ねてでもきっちりとこれを守って回答書を作成、提出する。なぜそうするのか――この質問への回答は、システムエンジニアやプロジェクトリーダーそれぞれで異なる。お客様へのアプローチ横河ソリューションサービスが提供するコンサルティングサービス。フィールド機器から企業資源計画まで企業活動全体に及ぶVigilantPlantの概念図。「4つのExcellence」による最適な工場の実現を提案しているグデータビッグデータマイニング運転データ・品質データ機器管理データ etc.

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