26フィリピンの混成チームとし、各チームにマイルストーンを設定してクリアするごとに達成を祝い、互いに切磋琢磨させながら士気を維持した。 先を見越してトラブルを抑えることで余裕を生み、その余裕がプロジェクトの全体および現場を常に見渡して新たな問題点の芽を摘む作業を可能に する――この好循環が、きわめて スムーズに同プロジェクトを完了させ、2009年4月に順調な稼働を迎えた。 ラービグⅠでお客様から高い評価 を得たYOKOGAWAは、2009年にフィージビリティスタディが始まった第Ⅱ期計画(ラービグⅡ)においても、MACの役割を担うこととなった。 ラービグⅡは、より付加価値の高い石油化学製品を生産するプラントを建設するもの2で、現在もプロジェクトが 進められている。ラービグⅠのYOKOGAWAのプロジェクト遂行が主にシンガポールで行われたのに対し、ラービグⅡは、知識集約型経済の発展を推進するサウジアラビア政府と現地人財を活用するYOKOGAWAの方針に沿って、同国で、同国人に よって遂行することが最大の特徴で あった。 ラービグⅡは投資額約80億ドルで、9つのEPCパッケージの工事をサウジアラビア、イタリア、韓国のプラント メーカー5社が担当し、YOKOGAWAはラービグⅠ同様にMACとして計装関連を統括することとなった。プロ ジェクト遂行にあたっては、調達や 生産における50%以上の現地化、 サウジアラビア人の最低20%の雇用が求められた。 同プロジェクトは、YOKOGAWA内だけでも8人のプロジェクトマネ ジャー(PM)、150人以上の技術者が働く規模であった。統括責任者は、契約上の要求事項、お客様の要望や予測される課題・問題を徹底して検討、シミュレーションし、あらかじめ対応策を用意すること(Think Ahead, Be Prepared)を基本に据え、8人のPMにも業務遂行に関する合意書を取り交わして仕事を進めた。これによってYOKOGAWA担当分は、お客様から「いつもOn Scheduleですね」と評され順調に進んだ。 プラントオペレーションの中枢となる生産制御システム用の1,150本のキャビネットをスケジュールどおりに納めるため、生産子会社に事前に発注見込み情報を提供して生産能力オーバーを防ぐ一方、シンガポールのオ フィスビル2カ所に3フロアを用意し、その間を光ファイバで結んでシステムを統合するといったYOKOGAWAでも前例のないさまざまな工夫がなされた。スタッフはシンガポール、インド、現地でのプロジェクト遂行が求められたラービグⅡチームビルディングのためのボウリング大会Yokogawa Saudi ArabiaにおけるラービグⅡ納入前検査2増設で3,000万立方フィート/日のエタンと約 300万トン/年のナフサを新たに確保、これを 主原料に、エタンクラッカーの増設や芳香族プ ラントの新設を通して、付加価値の高いさまざ まな石油化学製品を生産する。Think Ahead, Be Prepared世界が認める技術と品質YOKOGAWA’s Strengths
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