100周年記念誌「時代を超えて-Always Reaching Higher-」
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北辰電機ロゴ電子式制御システムHOMACシリーズ北辰電機の代表的製品オートパイロット49YOKOGAWA 100th Anniversary  北辰電機は1919(大正8)年4月、清水荘平が工業用計器の国産化を目指して、東京市麻布で創業した。社名の「北辰」は、古来旅人の指針であった北極星の中国名で、論語に「衆星これをめぐるが如し」との表現もあり、清水荘平が、日本の産業界における北極星たることを願って命名した。 初期は温度計などが主力だったが、その後、本社を下丸子工場(現キヤノン本社の一部)に移転、各種船舶用機器や航空計器の製作も始め、第二次世界大戦中は航空計器で陸海軍需要の7割を供給、羅針儀は海軍主要艦艇の大部分に装備され、日本を代表する計器メーカーとなった。 しかし、空襲で工場設備の85%を失い、終戦で軍需も消滅して、工業用計器を中心に再出発する。さらに船舶航行装置や航空計器の事業も再開、欧米企業との技術提携で先進技術を導入しつつ力をつけ、国産プロ セス用電算機第1号「HOC」シリーズ、日本初のDDC(直接ディジタル制御)システムなど電子分野で実績を残したほか、世界最大級の大口径電磁流量計、舶用・航空用の各種オートメーション機器などでも存在感を高めていく。この結果、合併時には従業員約2,200人、売上高389億円(1981年度)と、計測制御分野では横河電機、山武ハネウエル(現アズビル)に続く専業3大メーカーの一角を占めていた。 売上構成は以下のとおりであった。  工業計器:74.6%(計装制御システムHOCシリーズ、総合計装システム900/TXシリーズ、       電子式制御システムHOMACシリーズ・EKシリーズ、記録計、伝送器、電磁流量計、温度計等)  航空計器:8.3%(エア・インレット・コントローラ、フライトディレクタ等)  舶用機器:13.4%(衛星航法システム、ジャイロコンパス、オートパイロット等)   その他:3.7%(情報機器) 横河電機と北辰電機との合併によって、工業計器で世界3位の計測制御大手が誕生した。北辰電機製作所の軌跡Column

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