日本各地でETSの発表会を実施した(写真は東京会場)フィールドバス協会のロゴ中小規模プロセス向け生産制御システム「CENTUM CS 1000」安全計装システム「ProSafe-RS」51YOKOGAWA 100th Anniversaryまな研究機関に採用された。これらの製品の技術は全国発明表彰や大河内賞など権威ある賞を受賞した。 制御システムは、1980年代後半から工場全体の業務最適化・効率化を目指した統合システムが企画され始め、お客様も管理システムとの統合や装置ごとに分かれていた計器室の統合などを求めるようになった。また汎用技術への対応も求められた。 当社はこれらの要望に応え、さらに先進的なオペレーションも可能にする柔軟性とオープン性を備えた統合生産制御システム「CENTUM CS」を1992年に発表した。CPUに究極の二重化機構Pペアair&Sスペアpare方式を採用しており、これは後にセブンナイン(99.99999パーセント)と呼ばれるCENTUMシリーズの高稼働実績の基盤となった。 一方、1980年代半ば頃から各社が独自規格のデジタル通信バスを開発し、それがフィールド機器の相互接続性の障壁となっていた。当社はお客様の利便性の観点からフィールドバスの標準化を提唱し、国際規格制定のため積極的に活動した。複数あった標準化団体の一本化を主導し、2000年の国際規格確立まで常に主導的な役割を果たし、標準化に大きく貢献した。 技術のオープン化が進むなかで、当社は、DCSを取り巻く市場が変わりつつあることを認識し、変化への対応のため制御事業の改革に乗り出す。1997年7月、新ビジネスコンセプト「ETS(EnterpriseTechnology Solutions)」を発表。ETSは当社が培ってきた制御技術を土台に、企業運営の視点に立ち、最新技術で、最適なソリューションを提供することによって、お客様の期待と要求に応えていこうとするもので、機器類販売中心のビジネスからソリューション提供ビジネスに変革することを目指した。ETSを実現するプラットフォームとして1997年に中小規模プロセス向けの生産制御システム「CENTUM CS 1000」を、1998年には大規模プロセス向けの「CENTUM CS 3000」を発表。DCSの信頼性、初代「CENTUM」からの継承性を保ちながら、汎用コンピュータの最新の操作環境とオープン性、そしてフィールドバス対応といった先進性も備えたシステムとしてお客様の期待に応えた。 また、ソリューションの幅を広げるために、お客様との高度制御パッケージの共同開発やM&Aにも取り組んだ。1997年には安全計装システムの専業メーカーであるオランダのGTI-IA社を買収し、2005年に自社開発の安全計装システム「ProSafe-RS」を発売した。分析計の分野では、世界No.1のアナライザシステムインテグレータである米国のMeasurementation社に51パーセントの資本参加をした(後に米国子会社に統合)。 上位の情報系ビジネスへの展開では、DCSが収集したデータを管理・活用するMES(Manufacturing Execution System)の共通プラットフォーム開発のためイギリスのMarex社を1997年に買収し、2000年には同社の技術を生かしたプラント情報管理システム「Exaquantum」をラインアップに加えた。制御事業の改革とETS
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