2014年に発表された「CENTUM VP R6」TF2017の社内発表55YOKOGAWA 100th Anniversary苦戦を強いられた。2014年度には制御事業の海外売上高比率は72パーセントに達した。競争が激化するグローバル市場で、高い収益性で積極投資を続ける巨大企業と伍ごして戦い、今後も成長を続けていくためには、成長戦略を加速させると同時にコスト競争力の強化やグローバル全体最適による効率向上が必須となった。これら施策の一環として、これまでの機能や業務を抜本的に見直し、国内の人財リソースを適正化するため、2014年度には国内制御系3社(横河電機、横河ソリューションサービス、横河マニュファクチャリング)で希望退職の実施という苦渋の決断がなされた。 「Evolution 2015」では制御事業を中心とする成長戦略の推進による収益性の向上と財務体質の健全化に取り組み、財務体質の健全化については円安による押し上げ効果もあり一定の成果を上げることができた。しかし収益性の向上については、2014年度に2015年度売上計画を前倒し達成し過去最高の営業利益を計上したものの、売上と営業利益の増加は円安の影響によるところが大きく、十分とは言えない状況であった。一方、グローバル市場で進む産業構造の変革のなかには、新しい事業機会も見えてきた。 そこで、事業構造の変革に早急に取り組むため、「Evolution 2015」の最終年度終了を待たずに、10年程度先の「ありたい姿」とその実現に向けた考え方をまとめた長期経営構想を策定するとともに、2015年度から2017年度までの新中期経営計画「Transformation 2017(略称TF 2017)」をスタートさせた。長期経営構想では、「YOKOGAWAは“ProcessCo-Innovation”を通じて、お客様と共に明日をひらく新しい価値を創造します」というビジョンステートメントを定めた。また、TF2017では、2015年度からの3年間を長期経営構想実現に向けた「事業構造の変革による成長基盤の整備期間」と位置付け、「お客様フォーカス」、「新しい価値づくり」、「高効率グローバル企業」の3つに重点的に取り組むこととした。奇しくもTF2017の策定された今年は当社の創立100周年にあたる。創業期、たった4人でスタートした当社は、グループ全体で約20,000人の社員を抱え、全世界に拠点を設けビジネスを展開するに至った。そして引き継がれてきた創業の精神「品質第一主義」「パイオニア精神」「社会への貢献」の積み重ねは「コアとなる高信頼・高品質の製品群」、「高いプロジェクトマネジメント力」、「高度な業種の知識とエンジニアリング能力」、「現地化によるきめ細かなサービス」を生み出してきた。このことを忘れずに「勇気をもった開拓者」として、変化を先取りしチャンスととらえて積極果敢に行動し、自らを変革していくことによって、次の100年を切り開いていく。次の100年に向けた第一歩「Transformation 2017」
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