2050年カーボンニュートラル実現に向けた鉱物資源政策により、銅、コバルト、ニッケル、リチウムなどの鉱物資源の需要が 急激に増える見込みがあります。鉱物資源の安定的な供給やコスト競争力強化のために生産拠点の増設、システム再構築など の設備強化を図っていく中で、以下のような課題を抱えていると考えております。
- 高品質/高付加価値製品の製造と徹底したコスト削減の両立
- 安全対策の更なる推進
- 製造/操業技術、ノウハウの共有と伝承
- 高い品質要求への対応、およびトレーサビリティ強化の要求への対応
- 設備/装置の老朽化対策
- ますます厳しくなる環境・省エネルギー問題への対応
YOKOGAWAは、お客様の新たな課題に取り組み、お客様のビジネスに貢献できるTrusted Partnerになることを目指し、 計測・制御・情報のノウハウと実績を結合させたソリューションを提供しています。
詳細
運転効率向上
リモートオペレーションを活用した働き方改革
こんなお悩みはありませんか?
- 経験豊富なベテラン作業員の減少
- リモートオペレーションを活用し、働き方の改革をしたい
- 計器室と現場が遠く、遠隔で操作できる環境がほしい
- プラントの敷地が広大なため、ロボットなどで巡回点検を代用させてみたい
リモートDCS、ウェアラブル端末の利用
スマートグラス、タブレット、電子黒板など様々なハードウェアの組み合わせで操作監視が可能です。
統合情報サーバ CIサーバ
工場の自律操業を行うための基盤(プラットフォーム)です。
特長
- さまざまな設備、システムの情報を一元管理(データ統合)
プラントやサイト内のいろいろな設備やシステムのデータ統合と情報の一元管理を実現し、意思決定を支援します - さまざまな場所からのオペレーションを実現(リモートオペレーション)
プラント以外の場所からも設備保全や生産管理者、経営の意思決定を行うコーポレート部門などが必要なデータを的確に監視・操作できます - さまざまなアプリケーションとの連携(アプリケーション連携)
情報システムやデータ分析のアプリケーションと連携させることで、生産効率向上や品質向上を支援します
ロボット統合プラットフォーム
IAシステムや既存システムとの連携で、ロボットソリューションのサイロ化を阻止し、ロボットの可用性と信頼性を確保します。
特長
- ロボットの一括管理
- ロボットコントローラ/コーディネーション
- データ集約・分析
- 他システムとのインターフェース
期待される効果
- モバイルツールを活用し、いつでも、どこでも工場内のさまざまな情報を見える化して、リモートからの的確な支援を実現します
- ローカル5Gやさまざまな無線閉域網の有効活用が可能です
- 操作監視画面を見ながら、ループチェックなどの現場作業ができます
- 現場スタッフ向けに安全性の確保・作業効率化が図れます
- 統合計器室だけでなく、現場スタッフからも作業員の位置、設備稼働状況、作業状況などの可視化を実現します
- ロボットによる24時間体制でのサポートにより、コストと時間の効率化が図れます
リンク
- 統合生産制御システム CENTUM VP
- 統合情報サーバ CIサーバ
- ロボット管理コア OpreX Robot Management Core
現場ノウハウ活用による変化に強いモノづくりの実現
こんなお悩みはありませんか?
- 電気銅のコブ、そりなどの品質問題があるので、生産データ、プロセスデータを解析し、改善したい
- リアルタイムで解析し、解析結果を操業に落とし込みたい
- 市況の変化に対応できる工場を実現したい
- 製造中の品質を見える化したい
プロセスデータ解析ソフトウェア PDA
PDAは、プロセスデータや、アラーム・操作履歴などの操業データを基に解析します。解析の結果、品質異常の予兆検出のための指標構築や、プロセス変動の見える化を実現します。
特長
- 品質異常の予兆検出のための指標構築
- 工程パターンからの品質判別構築
品質安定化システム DPI
DPIは、お客様のプラントに蓄積されている4M(※)を軸としたデータを解析、品質にかかわる指標を作成、製造中にリアルタイムでの監視、品質異常を未然に発見し、対策の実施が可能です。
特長
- 4Mデータのグラフ化と関係表示
- 工程トレンドからの情報創出
- 4M状態の定量化と評価
- リアルタイムで監視と対策
※4Mとは
(Machine)装置
(Material)原料
(Method)作業手順・運転方法
(huMan)運転員
アクショナブル意思決定支援システム Actionable DSS
PDA・DPIに基づいた製造前のモード別製造、製造中の逸脱対応、ロット完成度のチェックを基にリアルタイムでモノづくりの運転支援が可能です。
特長
- 知恵の創出
現場の知恵をAI・機械学習で引き出し、改善に必要な管理指標を作成・検証します - 知恵の利活用
新たな管理指標を業務へ組み込むことで、現場の知恵を誰もが製造運転で使うことができます
期待される効果
- 原料による電気銅の品質のバラつきを改善し、品質・生産量の改善が図れます
- 製造現場の4つの課題(※4M)を解決します
- 現場のモノづくりの実態とギャップの検出、原因の特定できます
- 対策のロジック化ができます
- ロジック化された知恵をモノづくりの状況に応じて、活用が可能です
リンク
- プロセスデータ解析ソフトウェア Process Data Analytics
- 品質安定化システム Digital Plant Operation Intelligence (DPI)
- モノづくり変革ソリューション モノづくり変革ソリューション
運転手順のシステム化によるオペレーターの負荷削減
こんなお悩みはありませんか?
- 経験豊富なベテランオペレーターの減少
- スラグロスと品質のバランスを維持しながら操業したい
- オペレーターの操作ノウハウを操業に落とし込みたい
運転手順最適化 操作解析ソリューション
運転員の操作実績により、実操作を可視化、知恵の共有を行い、よりよい操作手順を特定します。
特長
- 機械学習によりDCSデータから実操作を可視化
- 標準作業手順書(SOP)と実操作の違い、オペレーターによる操作の違いを明確化
- オペレーターの操作、ノウハウを集めたベストプラクティスを特定
運転効率支援パッケージ Exapilot
運転員の手でフローチャート化し、そのままの形で実行することで、手動運転の半自動化を実現します。
特長
- 操作ガイダンスシステム
- DCS手順操作の自動化
- フローチャートを見ながら進捗の確認
期待される効果
- イベントログから実操作のフローチャートを自動生成します
- 複数回操作のクラスタリングを行います
- 手動操作の自動化が可能です
- スラグロスや品質のバランスなど、バランスを維持しながら、操業を実現します
- 運転状態の表示、異常通知、煩雑な手動操作の軽減によるオペレーターの負担削減が図れます
- 操作手順、現状を見える化します
- 操作方法の技術継承ができます
リンク
操業最適化
高度制御による動力設備のエネルギー最適化
こんなお悩みはありませんか?
- 発生蒸気量の急激な変動時に手動介入が必要である
- タービンへの蒸気量が常に最大化されないので、発電量が最大化しない
高度制御ソリューション(Platform for Advanced Control and Estimation)
多変数モデル予測制御、ソフトセンサー、各種演算やユーザーインターフェース定義を一つに統合し、複雑な高度制御を実現します。
- 導入前:ばらつきが大きく、閾値を超えないよう、安全方向の設定値で運転
- 高度制御導入:モデル予測により熟練オペレーターのようなばらつきが少ない運転を自動制御で実現
- 最適化:ばらつきを抑えたことで、設定値を閾値に近づけ、コスト削減が可能
期待される効果
- 負荷変動(外乱)に有効なフィードフォワード制御をDCSに実装できます
- 高度制御の導入により、タービン供給蒸気量の最大化が図れます
事例
YOKOGAWAサステナビリティレポート2023より銅製錬プロセスの高度制御による発電量増加でCO2削減に貢献
高度制御による硫酸設備の操業安定化
こんなお悩みはありませんか?
硫酸設備の操業において、以下のようなお悩みが挙げられます。
- 自熔炉、転炉からの排ガス(SO2)圧力、流量、 SO2濃度のプロセス変動が大きく制御が安定しない
負荷変動のたびに、複数の操作端を手動で調整している
制御目標値の許容幅を広くし、変動に対応している - 手動操作が多く、負荷変動時オペレーター負荷が高い
負荷変動時の手動操作が多く、オペレーターが画面に張り付きとなってしまう
常にプロセス状態を監視し、微調整が必要となる - アラームの洪水で警報の誤認識がある
アラームの発生の恒常化によるアラーム意識が低下する
重要アラームの見落しが発生する
STEPごとに課題を集約、特定し解決策の検討を行います。
- STEP1:
- 有効性比較分析:DCSイベントログからプラントを健診
PIDチューニング:PIDチューニングの見直し、ハンチングの解消 - STEP2:
- 高度制御ソリューション(Platform for Advanced Control and Estimation):負荷変動の抑制と操業の最適化
STEP1
- フィジビリティスタディ、操業改善サービス(有効性比較分析)により操業状況の見える化を実現します
- 制御ループを見直し、アドバンス制御の導入やPID最適チューニングにより、制御の高度化と安定化を図ります
- 操業改善サービス(有効性比較分析)で抽出をしたアラームを分析し、不要なアラームを削減できます
(※)アラーム数、操作数は事例より汎用的な数値に置き換えて記載しております。
STEP2
- 高度(アドバンスト)制御により、負荷変動の抑制と操業の最適化を実現します。
※上記の硫酸設備図は、一般的な機能図を基に掲載しております。
期待される効果
STEP1
- 負荷変動時の運転状態の見える化が図れます
- 手動操作数、アラーム数から手動介入要因を特定できます
- 導入効果のポテンシャルを推定します
STEP2
- 排ガス負荷変動時、転化器1層出側ガスを制御し、排熱回収することにより、転化器の触媒劣化の防止と省エネに貢献します
(高度制御による転化器及び熱回収設備へのガス配分を最適制御) - 転化器2層の入口ガス温度は熱回収設備により、効率的に熱が回収され、変動が減少、2層以降のガス温度が安定化し、 転化率の向上が図れます
リンク
- 有効性比較分析 有効性比較分析サービス
- PIDループの制御性改善 PIDループの制御性改善サービス
- 高度制御ソリューション Platform for Advanced Control and Estimation
熱回収最適化
こんなお悩みはありませんか?
- 硫酸製造プラントの反応熱を有効に利用したい
- 熱を最大限に有効利用できるよう、熱の受け渡し(熱交換)の組合せを見直したい
- 投資回収の観点から優先的に取り組むべき施策が知りたい
熱交換ネットワークを計画するピンチ解析 ピンチテクノロジー
熱の受け渡しの組み合わせ、渡す熱量、温度帯、熱回収の手段と量など、「熱交換ネットワーク」の省エネルギー余地を包括的に捉える「解析手法」及び「設計手法」です。
特長
Target before Design
試行錯誤でネットワークを設計し、比較的有望と思われる案について、投資金額と効果量のバランスで施策実行の意思決定をします。
通常のフローと異なり、デザイン(設計)する前に、理論上の最大の熱回収効果量が定量的にわかります。
期待される効果
- 試行錯誤を伴う熱交換のネットワーク設計を行う前に、理論上の熱回収効果量が定量的にわかります
- 設計変更の複数案とその効果をシミュレーションし、リーズナブルな手段を導き出します
- 複数案の経済性を定量的に評価し、投資の判断材料を明示します
フィールド機器の無線化
こんなお悩みはありませんか?
- プラントのデータ測定箇所を簡単に、低コストで増やしたい
- 無線センサーのデータを保全データとして活用したい
- 有線での配線が困難な場所に設置したい
- 坑廃水を半永久的に管理する法的義務があり、管理の必要がある
ISA100Wireless フィールド無線システム
特長
- 工事の手間・コスト削減
伝送器がバッテリーで動作するので、伝送器の配線がなくなります - 高い信頼性と稼働率
通信とハードウェアの完全二重化ができます - 短周期でのデータ収集
秒単位の短周期でプロセスデータの更新ができます - 大規模ネットワーク構築
経済性と実用性を兼ね備えた、高い拡張性と柔軟性で10000台のデバイスのホスト接続ができます
920MHz帯無線通信機器シリーズ SMART 920
特長
- 工事の手間・コスト削減
配線工事にかかる手間やコストを削減できます - 920MHz帯の無線を使用
2.4GHzと比較して、電波の到達距離が長く、障害物を回り込む特性があります。通信距離を必要とする場合や障害物が多い場所での利用が可能です - 通信の柔軟性
マルチホップ接続により、一時的に電波が悪化した場合でも、自動的に最適な通信経路の選択が可能です - 工場全体の見える化を実現
適材適所で有線と無線の両方を活用すれば取り込むデータが増えるので、工場全体を見える化できます
期待される効果
- 電源ケーブル、信号ケーブルが不要で、設置工事が短期間、低コストで行えます
- デジタル計装との組み合わせで、センサーのパラメーター、RASデータなどの収集・管理が容易です
- ケーブルレスのため災害に強く、事故後の復旧も迅速に行えます
- 人が離れた状況でもフィールド無線・遠隔監視を行うことにより、作業効率化、安全に貢献します
リンク
設備保全管理
こんなお悩みはありませんか?
- 故障してからの対応により、生産(利益)の機会損失
- ベテラン保全員のノウハウの継承
- メンテナンスコストを削減したい
- 巡回点検の業務負荷を減らしたい
設備保全管理システム eServ
特長
- Salesforce上で構築のクラウドサービス
これまでのノウハウが凝縮されたノーコードで簡単な使いやすいシステムです
検索がしやすい強力な分析ツールです - 導入支援
コンサルタントによる操作方法や運用のアドバイスをします
課題の抽出や業務フローの整理、中長期プラン策定もお手伝いします - アフターサービス
eServ Community(ユーザー専用サイト)にてナレッジ提供、Q&Aサポート、バージョンアップサービスや、お客様同士のユーザー交流会を開催し、情報交換の場を提供します
期待される効果
- 工場に点在する管理データをクラウドで集約し、管理基準のメンテナンス工数を削減できます
- 無線センサーの設置により、設備トラブルでの生産停止件数が削減するため、生産機会損失の減少に貢献します
- 機器の交換頻度は減少し、メンテナンスコストが低減します
- 設備管理情報と運転情報、設備情報を組み合わせることで、メンテナンス時期を適正化します
リンク
- 設備保全管理システム eServ
- 小型無線センサ Sushi Sensor
AI活用
こんなお悩みはありませんか?
- 自溶炉、精製炉、電解などの工程で、外部環境の影響を受けやすく、複雑なプロセスでの制御が困難
- 熟練の操作が必要となる複雑なプロセス運転の伝承が困難
- AIを活用してみたいが、何が適しているかわからない
プラントにおけるAIの価値は、設備異常予測・原因特定・製品品質予測の3つあります。その価値を以下の手法で実現します。(詳細は製品リンクをご参照ください)
- プラントAI解析ツール
- AIプラント運転支援ソリューション
- 強化学習AI FKDPP(Factorial Kernel Dynamic Policy Programming)
- 産業用AIプラントフォーム
- 予兆検知と未来ペンレコーダ
- AI解析ソフトウェア
その一例が、世界で初めて採用された強化学習AI(FKDPP)を用いたデジタルツインによる運転予測と最適操業ガイダンスになります。
AIがミラープラント上で試行錯誤を繰り返しながらこれからの運転を予測し、最適な操業のためのプランを提示します。さらに、予測結果からAIが自律的にプランを選択するようになります。
期待される効果
- 強化学習による運転方法で、自律した最適操業を実現し、品質安定化、生産性の向上が図れます
- 教師データ(正解データ)を使わず、複雑なプロセスでも熟練オペレーターと同等の操作を実現します
- 非熟練者の技術伝承が容易になり、早期立上りを実現します
- お客様の課題に応じたAI技術のご提案をします
リンク
- プラントAI解析 プラントAI解析ツール(SZ1000、SZ2000)
- AIプラント運転支援ソリューション AIプラント運転支援ソリューション
- AI制御学習サービス 強化学習AI(FKDPP)
- AI Product Solutions(AI全般) AI Product Solutions
参考情報
カーボンニュートラル社会の実現に必要な鉱物資源の一覧
システム・要素技術 | 必要となる主な鉱物資源 | ||
---|---|---|---|
再生可能エネルギー部門 | 発電・蓄電池 | 風力発電 | 銅、アルミ、レアアース |
太陽光発電 | インジウム、ガリウム、セレン、銅 | ||
地熱発電 | チタン | ||
大容量蓄電池 | バナジウム、リチウム、コバルト、ニッケル、マンガン、銅 | ||
自動車部門 | 蓄電池・モーター等 | リチウムイオン電池 | リチウム、コバルト、ニッケル、マンガン、銅 |
全固体電池 | リチウム、ニッケル、マンガン、銅 | ||
高性能磁石 | レアアース | ||
燃料電池(電極、触媒) | プラチナ、ニッケル、レアアース | ||
水素タンク | チタン、ニオブ、亜鉛、マグネシウム、バナジウム |
出典元:経済産業省「2050年カーボンニュートラル社会実現に向けた鉱物資源政策 令和3年2月15日 資源エネルギー庁 資源・燃料部」P16より抜粋。
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