概要
室内の温度制御に複数の空調用ファンを稼働させて温度制御をおこなう場合があります。今回は、ラダーシーケンス機能を搭載したディジタル指示調節計UT55Aにより、複数の空調用ファンを起動制御する事例についてご紹介します。
お客様の要望・要求
- 暑い夏場、室内温度を下げる場合に、複数の空調用ファンを稼働させる必要がある。
- 全てのファンが同時起動してしまうと突入電流によってブレーカが遮断してしまうので、同時起動を抑制したい。
横河のソリューション(提案)
図1. 空調用ファンの起動制御
空調用ファンが8個の場合
UT55Aには、最大8個の警報出力を搭載でき、その出力でファンを制御します。また、ラダーシーケンスを内蔵できるので、タイマ機能等を使用したラダープロラムで各出力のオンディレイ(動作遅延)時間を構築できます。
※ラダープログラムはLL50Aパラメータ設定ソフトウエアで作成し、UT55Aにダウンロードする必要があります。
動作概要
- 設定値(SP値)にファンを起動させたい温度を設定します。(例.23°C)
- 室内温度が設定値以上なったときに8台のファンは、警報出力1~8により、1台ずつ起動する設定にします。
- 警報出力により対象のファンが起動すると他のファンが同時起動しないように一定間隔(例.5秒間隔)ずらして起動させる設定にします。
お客様のメリット
1台の調節計UT55Aで複数台の空調ファンの起動を自動化することが可能
- 配線コスト・部品コストの低減と省スペース化を実現
(従来必要であった、タイマや小型PLCが不要です。)
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