概要
従来、ボイラ給水タンク給水系での糖液漏れ監視は、1日当たり数回、手分析する方法で行なわれていたため、多大な工数がかかっていました。また、監視が連続的でないため信頼性に欠けており、糖液漏れが発生したときにはそのカバーリングにも多くの費用と時間を必要としていました。
電磁導電率計 FLEXAシリーズ(FLXA402/FLXA202/FLXA21)を採用したことで安定に連続監視ができ、糖液漏れはいち早く検知されるのでトラブルが重大化するのを防げるようになりました。
お客様の期待
- 製糖工場の糖液漏れを自動検知したい
- ランニングコストを削減したい
- 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい
プロセス概略
製糖工場では、結晶缶や濃縮缶から多量のスチームドレンが得られます。このスチームドレンはボイラ給水として再使用されますが、この中にプロセスからリークした糖分が含まれてしまう可能性があります。糖分がリークした場合、糖分は高温下で有機酸に分解され、缶水の pH を低下させる原因となります。
pH の低下した缶水で長期間運転を続けると、ボイラ本体の腐蝕に繋がります。したがって、缶水の pH を低下させてしまった場合は、ブロー等を行なって正常状態にもどすことが必要になり、このための損失は少なくありません。
トラブルが重大化するのを未然に防ぐためには糖液の漏れを速やかに検知することがポイントであり、連続監視が欠かせません。
YOKOGAWA のソリューション
測定システム
2 線式電磁導電率計システム
- 検出器
ISC40GJ-GG-T1-X □ - 伝送器
FLXA202-D-BーD-AB-C5-NN-A-N-LA-JNN
FLXA21-D-P-S-AA-C5-NN-A-N-LA-J
分析計専用ディストリビュータ
PH201G-A □* C
4 線式電磁導電率計システム
- 検出器
ISC40GJ-GG-T1-Y □ - 変換器
FLXA402-A-B-AJ-C5-NN-A2-WR-□-□-J-NN
ユーティリティ
- FLXA202/FLXA21 2線式液分析計
電源電圧:17 ~ 40V DC(ディストリビュータから)
消費電力:最大 0.9 VA - PH201G ディストリビュータ
電源:100V AC,47 ~ 63Hz - FLXA402 4線式液分析計
電源:90 ~ 264V AC,50/60Hz
消費電力:最大 35 VA
留意点
- PH201G の接点出力は常時励磁で、電源オフ時、または保守時に「閉」となります。
フィールドデータ
プロセス条件
結晶缶出口のスチーム戻りライン
測定液:スチームドレン(+糖液)
監視範囲:0 ~ 200 μ S/cm
温度:約 80℃
警報点:100 μ S/cm(接点出力は、FLXA402 の場合に可能)
測定データ
業種
関連製品&ソリューション
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2線式電磁導電率計 FLXA21
モジュール構造による豊富なシステムの構築、拡張性を備えた新世代の液分析計です。樹脂製ケースを採用した、コストパフォーマンスの良い製品です。
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4線式液分析計 FLXA402
FLXA402は、複数の検出器が接続可能であり、pH/ORP計、導電率計、電磁導電率計、溶存酸素計から検出器を選択できます。優れた操作性や機能を兼ね備えると同時に、HARTやModbus通信による拡張性にも富んでおり、IIoT環境の構築にも貢献、設置・運用コストの削減を提案します。
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電磁導電率検出器 ISC40GJ , ISC40SJ
汚れ・磨耗・腐食の対策が必要なアプリケーションでも高精度で導電率を測定します。
測定可能範囲:1 μS/cm~1999 mS/cm
プロセス温度:-10~130°C -
導電率検出器
2電極式、4 電極式、各種アプリケーション対応の検出器を用意しています。
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導電率計
上水・下水などの水質測定から各種プロセス液の導電率測定および抵抗率の測定も可能です。サニタリ形やハンディタイプもラインアップしています。