概要
曝気槽においての溶存酸素測定では検出器に短時間で汚れが付着するため、それを除去する洗浄作業には大変手間がかかります。
これまで安価な方法で改善策を講じることは困難でしたが、「FLXA402 溶存酸素計システム」において検出器をフロート式ホルダに組み込んで使用することにより、汚れの著しい付着はなく、無保守でも長期間にわたり連続測定できることが実証できました。
お客様の期待
- 連続で安定した溶存酸素濃度を測定をしたい
- ランニングコストを削減したい
- 人手による洗浄をなくしたい
- 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい
プロセス概略
処理場に流入した汚水は、最初沈殿池でゴミや泥が沈殿除去されエアレーションタンクに送られます。エアレーションタンクでは、活性汚泥(バクテリアや原生動物などの微生物を含んだ泥)が加えられたうえ、吹き込まれる空気で攪拌されます。
活性汚泥中の微生物は酸素と汚泥中の有機物を栄養にして繁殖し、固形分を生成して沈殿します。溶存酸素(DO)が不足すると微生物が死滅するため、エアレーションタンクの溶存酸素量を管理(制御)することが必要です。溶存酸素量は、DO 計で連続測定します。
球状フロートの喫水球面は水流に洗われて汚れが付きにくく、その面とほぼ等しく位置する検出器の隔膜部にも汚れはほとんど付きません。数か月経過後も、無保守の検出器は定期保守(2 週間ごとの洗浄と 1 か月ごとの校正)の検出器とほぼ同じ測定値を示しました。
YOKOGAWA のソリューション
測定システム
- 検出器
DO30G-NN-50- □□ - PN
DO71-W-106-□□-N-Y
DO72-W-120-AA-VP-N-Y - フロート式ホルダ
- 傾斜形:PB350G-PV-25-NN
PB350G-PV-25-NN/D71(D72) - 垂直形:PB360G-PV- □ 5-NN
PB360G-PV- □ 5-NN/D71(D72)
- 傾斜形:PB350G-PV-25-NN
- 変換器
FLXA402-A-B-AJ-D1-NN-A2-WR
FLXA402-A-B-AJ-D6-NN-A2-WR-□-□-J-NN
ユーティリティ
- FLXA402
電源:90 ~ 264 V AC,50/60 Hz
消費電力:最大 35 VA
留意点
- 測定点には、気泡が頻繁に発生しない所を選びます。
- 測定液中の固形物質によって検出器の隔膜が損傷するのを防ぐため、傾斜形フロート式ホルダはアームが下流側を向くよう設置することが望まれます
フィールドデータ(DO30G使用時)
4 か月間の連続運転で汚れの影響は見られない
PB350G 傾斜形フロート式ホルダに組み込んだ2組の検出器で、一方は無保守のまま、もう一方は2週間ごとの洗浄と1か月ごとの校正を実施して連続運転を行いました 。
無保守の検出器にも際立った汚れは見られず、両者の測定値にもほとんどズレは生じませんでした。
業種
関連製品&ソリューション
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4線式液分析計 FLXA402
FLXA402は、複数の検出器が接続可能であり、pH/ORP計、導電率計、電磁導電率計、溶存酸素計から検出器を選択できます。優れた操作性や機能を兼ね備えると同時に、HARTやModbus通信による拡張性にも富んでおり、IIoT環境の構築にも貢献、設置・運用コストの削減を提案します。
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ホルダ
製造工程での品質管理や排水処理管理の分析計用として、洗浄装置を付加可能なホルダです。アプリケーションに適したホルダとクリーナーの選択により、信頼性や保守性に優れた測定システム構築が可能となります。
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溶存酸素検出器 DO30G
電解液の劣化や隔膜の汚れによる影響が少なく、長期安定測定が可能なガルバニ式溶存酸素検出器です。河川モニタリング、養殖など水質が重要な分野でも有効です。
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蛍光式溶存酸素検出器 DO71/DO72
汚れに強く、長期に安定測定の蛍光式溶存酸素検出器です。センサの交換は現場で簡単に行え、メンテナンスコストを削減できます。低濃度測定を含む広範囲また超微量範囲の酸素測定が可能です。
過酷な測定条件下の下水処理場や排水汚泥処理場などの水処理場での使用に適しています。
デジタル通信対応で FLXA402 液分析計と組み合わて使用できます。 -
溶存酸素検出器
各種用途向けに、ガルバニ式、蛍光式の2タイプの溶存酸素検出器を用意しています。
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溶存酸素計
水中に溶存している酸素濃度を測定します。自動洗浄、塩分補償、温度補償、大気圧補償などの機能を搭載し溶存酸素濃度を正確に測定します。ガルバニ式、ポーラログラフィック式、蛍光式の各検出器と組み合わせて使用します。