概要
半導体製造工場や電子部品・電子機器組立工場で利用される産業用コンピュータは、階層ごとに分かれています。生産管理用のデータサーバと製造装置用コントローラの中間に、製造工程管理用コントローラ(セルコントローラ)があり、現在は汎用のコンピュータ(PC)が多く使用されています。
PCは、アプリケーションソフトウエアが豊富ですが、コンピュータウイルスに対する備えが欠かせません。一方、製造装置を制御する組み込みコントローラやボードコンピュータは、ウイルス感染の危険性はほとんどありませんが、セルコントローラとして使用するにはデータを整理して保存するデータベース機能が不足していました。
e-RT3 Plusを生産管理システムなどのゲートウェイコントローラ(セルコントローラ)として使用することができます。
e-RT3 Plusをクライアントとし、Microsoft SQL Serverにダイレクトに接続できますので、各設備の製造データを上位の生産管理用サーバにハンドリングしたり、上位からの製造指示を各設備に送ったりできます。
e-RT3 Plusをゲートウェイとして使用することで、脱PC・脱Windowsの堅牢なシステムを構築できます。
システム構成
各設備からの製造データをまとめて上位のシステムへ送ったり、上位システムからの指示を各設備へ送ったり、ゲートウェイコントローラとして活用できます。
使用するソフトウェア
あらかじめ製品にインストールしてあるソフトウェアを使って構成できます。
- FreeTDS・・・・・LinuxをSQLクライアントとしてMicrosoft SQLサーバに接続するODBCドライバ
- unixODBC・・・非Windows OS用ODBC
開発手順
OSSはe-RT3 Plusにプリインストールされていますので、ODBC(データベースにアクセスするためのソフトウェア標準仕様)の設定をするだけでSQLサーバに接続できます。
1. FreeTDSの設定
FreeTDS の設定ファイル“/etc/freetds.conf”に必要なSQL サーバの情報を追加します。
動作確認は,“tsql”コマンドを使用します。
“/etc/freetds.conf”ファイルで指定したSQLSERVER に対して接続を行います。ユーザ名“sa”,パスワード“sa12345!”でユーザ認証を行います。
※Microsoft SQL ServerにLinuxからFreeTDSを利用して接続するためには、サーバ設定の「SQL Server認証モード」とユーザの「ログイン設定」 の有効化が必要です。
Microsoft SQL Server Management Studioを起動して、一度Windows認証でサーバにログインします。サーバに接続したら、サーバとログインユーザのプロパティ設定を変更/確認してください。設定の有効にはサーバの再起動が必要です。
2. unixODBCの設定
2つの設定ファイル“/etc/odbcinst.ini”と“/etc/odbc.ini”を作成します。
これらのファイルは、ユーザランドの初期状態では存在しませんので、初めての場合は新規作成します。
動作確認には“ispl”コマンドを使用します。
パラメータには,“/etc/odbc.ini”で設定したSQLServer を指定し,ユーザ名とパスワードを続けて入力します。
3. データベースの作成
“ispl”コマンドで接続した後、データベースを作成します。下記はサンプルです。
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