概要
食品および薬品の滅菌工程で、加熱殺菌を行う場合、温度と時間により菌の致死値が決まります。一定温度で一定数の殺菌を死滅させるのに要する時間を、F値と呼んでいます。すなわち、加熱殺菌による菌の致死値で、単位時間あたりの致死率(Li)の積分値となっており、Liは温度(Ti°C)の関数です。
チャートレコーダ μR10000/μR20000の演算オプション(付加仕様コード: /M1)では、滅菌処理における菌の致死値(F値)を演算し、その結果をアナログ記録することが可能になります。
F値(殺菌の致死値)の算出式
µR10000/µR20000の設定例
この変換式をμR10000/μR20000の演算機能で実行します。
定数設定は以下の通り。
K01とK02=10, K03=121.1, K04=測定周期/60秒(打点のとき), K05=100
*条件によってK01~K05の定数は異なります。
殺菌炉は、温度が単調に増加することを前提に100℃以下になると積算値をリセットします。
メリット
- 滅菌温度に応じたF値を自動算出して生産データとして記録を残します。
- 滅菌時間の目安のF値から加熱工程時間最適化が可能です。
- 外部接点入力(リモート制御オプション)を使えば記録の自動開始・停止を実行できます。
尚、上記アプリケーションは、ペーパレスレコーダ GX10/GX20 や DX1000/DX2000(演算オプション付)でも実現可能です。
業種
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医薬品
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食品
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μR10000/μR20000
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