概要
工場における加熱・熱処理装置の燃料には,LPGに所定の発熱量となるよう空気を加えた混合ガスが使用されます。
混合ガスの発熱量調整に際しては発熱量がガスの密度と相関関係にあることを利用して密度が測定されますが,この測定には密度と熱量の演算機能を持った“熱量計”が便利に使用されます。防爆構造の「GD410 ガス熱量計」には検出感度が高く応答時間も速い特長があり,発熱量調整のアプリケーションで数多く採用されています。
お客様の期待
- LPG燃料用ガスの発熱量を測定したい
- 防爆の環境下で連続でガス密度を測定したい
- 設備更新のイニシャルコストはミニマムに抑えたい
プロセス概略
LPGをベーパーライザで気化した後,ミキサー内で一定の熱量となるよう空気を混合させます。空気量の調整は,熱量計で測定した値に基づいて行われます。作られた混合ガスは,いったん,サージタンクに蓄えられた後に供給されます。なお,LPGは入荷ロットによって成分の割合が違うので,気化したLPGの密度を測定し,あらかじめ演算して熱量を求めておきます。
LPG熱量調整装置フロー
YOKOGAWAのソリューション
測定システム
- 検出器(本質安全防爆+耐圧防爆)
GD300S-J-J/KU - 変換器(耐圧防爆)
GD410S-J-10-N-J/□ - 流量設定器
GD350G-□-J
ユーティリティ
電 源:
定格電圧:100~240 V AC
定格周波数:50/60 Hz
電圧変動許容範囲:85~264 V AC
周波数変動許容範囲:47~63Hz
消費電力:最大12 W
フィールドデータ
プロセス条件
- 測定点:ベーパーライザ出口
測定ガス: LPG
圧力: 200~300 kPa
温度: 30~50℃
ダスト: 無し
成分: プロパン 15~35%
ブタン残(65~85%)
発熱量: 約118 MJ - 測定点:サージタンク出口
測定ガス: 混合ガス(LPG+空気)
圧力: 10~30 kPa
温度: 20~35℃
ダスト: 無し
発熱量: 約46 MJ
測定システム構成例
留意点
GD350G流量設定器の使用可能圧力は,最大50 kPaです。使用可能圧力を超える場合には,減圧弁を設けてサンプルの圧力を下げます。
特記事項
LPGやLNGの密度を測定して発熱量を調整するアプリケーションは,都市ガス製造プラントなど,他にも多数存 在します。
関連製品&ソリューション
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ガス熱量計 GD410G, GD410S, GD300S
ガスの密度と発熱量の相関式よりガスの発熱量を連続的に測定する計測器です。振動、測定ガス温度変化、汚れに強い検出器と高安定、高速応答の変換器で構成されています。
防爆形、非防爆形とも小型・軽量でパイプ取付が可能です。
LPG熱量調整、天然ガスカロリー制御、13Aおよび6A相当ガス(LNG, NG, LPG, Airの混合ガス)熱量調整に最適です。