はじめに
長時間共焦点ライブセルイメージングは、組織培養における細胞の3次元な動的挙動を調べるための重要な手法ですが、細胞に対する光毒性をできるだけ少なくすることがとても重要です。ここでは、低退色・低光毒性で共焦点撮影が可能なスピニングディスクCSUを搭載したオールインワン共焦点定量型イメージングサイトメーターCQ1を用いて、多層細胞シートにおける3Dタイムラプスイメージングを行った結果を報告します。
実験方法
- ヒト骨格筋芽細胞(HSMM)およびヒト骨格筋線維芽細胞(HSMF)から、5層の筋芽細胞シートを構築
- HSMMおよびHSMFは、CellTrackerTMOrangeで標識
- GFPを発現するヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC:GFP-HUVEC)を細胞シートで覆う
- CQ1でタイムラプスイメージング(67時間、30分間隔、40倍対物レンズ、49フィールド)
結果
1. GFP-HUVECの3次元的な細胞遊走のライブイメージング
Time lapse movie Play
Fig. 1-1. 細胞シートのタイムラプスイメージ
Method fig.2内の黄色矩形部を拡大表示
Fig. 1-2. 細胞シートへ内へのGFP-HUVECの遊走
時間経過に伴い。HUVECが上層への移動していく様子が確認できる
2.GFP-HUVEC遊走の定量化
Fig. 2. 各細胞シート中のGFP-HUVECsの時間変化
各細胞シートのGFP蛍光強度を、細胞シート全体の総GFP強度に対する比として示した
結果と考察
- GFP-HUVECは、HSMMおよびHSMFで作成した細胞シートを遊走しました
- GFP-HUVECが網目状ネットワークを形成することを確認できましたした
- CQ1による長期間3Dタイムラプスイメージングは、多層細胞シートにおける活発な遊走および細胞ネットワークの形成の動的プロセスを明らかにしました
データご提供:大阪工業大学 長森英二先生
Reference: Nagamori E. et al., Biomaterials, 34, 662-668. (2013)
公式アカウント
ライフサイエンスに関する最新情報を定期的に配信しています。是非フォローをお願いいたします。
Follow us | Share our application | |
@Yokogawa_LS | Share on Twitter | |
Yokogawa Life Science | Share on Facebook | |
Yokogawa Life Science | Share on LinkedIn |
横河電機株式会社公式アカウントリスト
関連製品&ソリューション
-
CellVoyager High-Content Analysis System CQ3000
細胞を培養しながら高精細な三次元画像を高速取得できるハイコンテントアナリシスシステムです。用途に応じたオプションと組合わせ、目的にあったシステムを提供します。
-
ハイコンテント解析ソフトウェア
直感的で使いやすいインターフェースで、大量の画像データを多角的に解析・グラフ表示にまで導いてくれます。また、Machine LearningとDeep Learning機能は解析対象の認識力を格段に向上、3D培養系やライブセルイメージング等、より複雑で難易度の高い解析にも対応、HCAの強力なツールとなります。
-
ハイスループットスクリーニング
ハイスループット細胞機能探索システムCellVoyager CV8000は、長時間のライブセルアナリシスを可能にするために、細胞培養スペースの密閉性を強化し、ラベルフリー解析・3次元解析・機械学習が可能な、ハイコンテント画像解析ソフトウエア「CellPathfinder」をラインアップに追加。医薬品市場における新薬開発のスピードアップやiPS細胞やES細胞など最先端の生物学・医学の基礎研究の効率向上に貢献します。
-
共焦点定量イメージサイトメーター
簡単な操作で細胞を高精細に3D画像取得し、数値解析できるイメージサイトメーターです。タイムラプス測定機能とインキュベーターの追加により、4D測定が可能になりました。
-
ハイコンテントアナリシス CellVoyager
CellVoyagerシリーズは生きた細胞の様々な反応を高速かつ詳細に調べることにより、新薬開発や化合物評価、細胞機能解明などの効率を上げるハイスループットハイコンテントアナリシスシステムです。最先端のライフサイエンス研究のニーズに応え、常に進化を続けています。
-
ライフサイエンス
研究をより効率化する製品・サービスで迅速な安全性の確認と成果の創出を実現し、社会への貢献をサポートします。