はじめに
ニューロンは巨大回路システムの機能素子です。したがって回路の挙動様式や作動原理を解明するためには、膨大数のニューロンの活動を一斉に、かつ細胞個々の個性を損なうことなくモニターする必要があります。
多ニューロンCa2+ 画像法(functional multineuronal calcium imaging、fMCI) は、ニューロンの細胞体の一過性Ca2+上昇がスパイク出力を反映していることを利用して、光学的にスパイク時空パターンを再構築する手法です。fMCI は数百個のニューロンの活動を同時にモニターできるため、神経ネットワーク研究に有用な知見をもたらす新世代の大規模記録法として注目を集めています。
実験内容
- ラット・マウスの海馬・大脳皮質スライス(350-430μm 厚)を準備
- 蛍光指示薬をロード(10μM 溶液中37℃で約60 分)
Oregon Green 488 BAPTA-AM もしくは Fluo-4AM - 共焦点スキャナユニットCSU で画像取得
フレーム速度:10~2000fps、対物レンズ:16~20 倍、NA:0.85~1.00
結果
多数(1000 個以上) のニューロンから一斉にCa2+蛍光強度をモニターすることができました。
スパイク活動の時空パターンを大規模に再構築することが可能になりました(fMCI 法)。
まとめ
これまで脳波の研究では、CA3 で記憶の固定などが行われるときには、リップル波(ripple) という脳波が出現することがわかっています。fMCIによる観察によって、CA3のニューロンの活動によるリップル波のメカニズム解明が期待されます。
共焦点スキャナユニットCSU-X1を搭載した共焦点顕微鏡システムを使えば、最速2000fps で画像形成できます。
データご提供:東京大学大学院薬学研究科 准教授 池谷 裕二先生
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