背景
筋肉は動物が運動するために必要な組織で、生きていくうえで必須の器官です。筋肉量が必要量以下まで減少すると加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)と呼ばれる病気に分類され、日常生活で様々な不具合が生じ高齢者の転倒や寝たきりの原因にもなっています。筋肉は生物学的には収縮能をもつ筋繊維の塊で、筋繊維は筋管細胞と呼ばれる多核の細胞からできています。筋管細胞は筋芽細胞が融合することで形成されます。つまり筋芽細胞から筋管細胞への分化誘導を促進する物質は筋肉の形成を促進する可能性が考えられるため、これからの高齢化社会を見据えて、筋肉量の低下を抑える効果のある物質の探索が行われています。
キーワード
筋肉増強、筋管分化、大量検体におけるスクリーニング、HCA機器、CQ1、CV8000、CellPathfinder、筋管細胞、筋芽細胞、多検体・多条件のスクリーニング
C2C12細胞の明視野像、CQ1、20倍レンズにて撮影
C2C12細胞の蛍光染色像、CQ1、20倍レンズにて撮影
(核:Hoechst 33342、分化細胞:Alexa568)
内容
筋芽細胞から筋管細胞への分化度合いを、筋管細胞に特異的に発現するたんぱく質を指標に免疫蛍光染色によって評価しました。蛍光染色した筋管細胞を横河電機のHCA機器(CQ1、CV8000)を用いて撮影し、細胞の分化度合いを画像解析システム(CellPathfinder)により定量的に解析しました。撮影から画像解析まで一貫して行える横河電機の自動顕微鏡システムを用いることで、多検体・多条件のスクリーニングを迅速に実施することが可能となりました。筋管分化に対して効果のある食品や化粧品、薬品などの探索や効果効能測定を効率的に行うことが出来ます。
方法
- 細胞播種翌日に検体薬剤(サンプル1)処理
- 細胞の融合具合を確認しながら適時、核および筋管細胞の蛍光染色
- CQ1にて撮影し、CellPathfinderにより解析(検体数にもよるが結果は当日中に出力可能。)
試験結果例
筋芽細胞から筋管細胞への分化度合い
公式アカウント
ライフサイエンスに関する最新情報を定期的に配信しています。是非フォローをお願いいたします。
Follow us | Share our application | |
@Yokogawa_LS | Share on Twitter | |
Yokogawa Life Science | Share on Facebook | |
Yokogawa Life Science | Share on LinkedIn |
横河電機株式会社公式アカウントリスト
関連製品&ソリューション
-
ハイコンテントアナリシス CellVoyager
CellVoyagerシリーズは生きた細胞の様々な反応を高速かつ詳細に調べることにより、新薬開発や化合物評価、細胞機能解明などの効率を上げるハイスループットハイコンテントアナリシスシステムです。最先端のライフサイエンス研究のニーズに応え、常に進化を続けています。