計量法について（pH計）

取引や証明に使用する政令で定められた計量器は、計量法に基づく検定を受けて合格したものでなければなりません。ガラス電極式pH計は、計量法施行令第2条で検定の対象となる特定計量器に指定されています。

pH計は、取引用にはあまり使われませんが、証明行為には広く用いられています。計量法上の証明行為とは「公に、または業務上他人に、一定の事実が真実であることを表明する行為」と定義されています。例えば、行政機関が河川水のpHを測定してその値を公表したり、ある工場が排水のpHを測定して行政機関に報告したり、環境計量証明事業者（いわゆる分析業者）がpHを測定して依頼主に報告したりすることが該当します。
生産工程の管理などに使用されるpH計のように、その測定値を自社内だけで使用する場合には、検定合格品を用いる必要はありません。

1. 検定の対象となるpH計と検定有効期間
   ガラス電極式水素イオン濃度計ということで、ガラス電極式pH計が検定の対象になりました。検定は、検出器と指示計（変換器および伝送器）に分けて別々に行われます。
   ガラス電極式以外のpH計は対象外です。
   検定有効期間は、検出器が2年、指示計（変換器および伝送器）が6年です。
2. 検定機関
   検定を受けようとする場合は、計量法第70条（検定の申請）に基づき、計量法施行規則第17条で規定された検定の主体（特定計量器の区分毎に、（独）産業技術総合研究所、都道府県知事、日本電気計器検定所または指定機関）に申請します。
   現在、濃度計や騒音計といった環境計量器の分野は「財団法人 日本品質保証機構(JQA)」が指定検定機関の指定を受け、検定を実施しています。
3. 型式承認
   製造業者が、原理、構造、材質、回路図、部品表および使用方法などを詳細に記述した膨大な資料とともに実機を提示して構造検査を受け、その型式の製品について「型式承認」が与えられます。横河電機で型式承認が得られているpH計は、下記の通りです。
   • FLXA402　4線式pH変換器
   • FLXA21/FLXA202　2線式pH変換器
   • PH450G　4線式pH変換器
   • PH8EFP　KCI補給形pH検出器
   • PH400G　4線式pH変換器
   • PH202G　2線式pH/ORP伝送器
   • PH71　　 パーソナルpHメータ
   • PH72　　 パーソナルpH/ORPメータ
   • PH72SN　パーソナルpH/ORPメータ専用pH検出器
4. 毎個検定
   型式承認された型式のpH計（型式承認番号を表示した銘板が添付されています）は、1個ずつ個別に「財団法人 日本品質保証機構(JQA)」で検定を受けます。 これに合格したものが、証明および取引行為に使用することができます。
   検定に合格したpH計には、有効期間を表示した「合格証印」および「検定合格ラベル」が貼付されます。
5. 再検定
   検定有効期間後も引き続き証明および取引行為に使用する場合は、検定有効期間が切れる前に再検定
   （毎個検定）受ける必要があります。