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TB700G/TB700H 透過散乱形濁度計の気泡対策について

光を使用する計測では、気泡による指示値の変動やドリフトが問題となります。濁度計測の場合には、検出器に入る前に通常大気開放形の脱泡槽を設置して対処しています。
しかし、減圧によって発生した微細な気泡は浮上しにくく、この脱泡槽の滞留時間では完全に取ることは困難です。

(1)気泡対策を考慮した測定槽構造
TB700G/TB700Hの検出器では、測定水の入口と出口を測定槽の端に設けて、気泡が測定光束の上側を通り、バブルトラップの小孔から排出されるように設計しています。

気泡対策を考慮した測定槽構造

(2)加圧脱泡槽
プロセス圧が高く、測定水中の溶存空気濃度が高い場合には、大気開放形の脱泡槽では かえって気泡の発生を促してしまいます。この問題を解決するために、加圧形の脱泡槽を開発しました。
加圧脱泡槽では、オーバーフローを大気開放せずに、ニードル弁を介して排出する様にしました。ニードル弁を絞ってプロセス圧力を維持し、気泡発生を抑制します。この場合、測定槽の出口側にもニードル弁を設置する必要があります。このニードル弁の出口側で大気開放し、立下り配管による減圧を防止します。

加圧脱泡槽

(3)気泡対策ソフト
脱泡槽や測定槽の脱泡機構で取りきれなかった気泡によって生じる指示値の突変に対しては、信号処理にて対処します。この信号処理には2種類あります。

一つは、指示の突変を検知して棄却するソフトです。
もう一つは、応答に時定数を設定して信号を平滑化するソフトです。

指示突変を棄却する気泡対策ソフトについて説明します。
平滑化する前の信号について、前回と今回を比較し、その差が“リミット値”を超えた場合には今回の信号は平滑化には取り入れず、前回の濁度値を“ホールド時間”の間ホールドします。“ホールド時間”経過後は、"サンプリング時間"の間は"リミット値"のチェックは行わずに平滑化を行い、その後、通常の"リミット値"のチェックに戻ります。 “ホールド時間”の間、“リミット値”を超えた信号が5秒間継続した場合には、この値を正常とみなし、その時点でホールドを解除して“サンプリング時間”に移行します。

 

気泡対策ソフト

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