横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

氷見市様 電力取引・需給管理ソリューション 自己託送管理システム導入事例 ~2050年"ゼロカーボンシティ"の実現に向けて~

氷見市の概要

氷見市(ひみし)は富山県最西部にあり、能登半島の基部に位置しています。能登半島国定公園に指定された海岸や海越しの立山連邦、日本の棚田百選にも選定された長坂の棚田といった、様々な自然環境や美しい景色が暮らしに溶け込んだ魅力あふれるまちです。

氷見市所在地

2023年6月16日、氷見市は2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指す「氷見市ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。
 市民・事業者・行政が一体となって、国の取組みと歩調を合わせ、脱炭素社会の実現に向けた取組みを加速します。

氷見市空撮

導入の背景と経緯

本市では、エネルギーの地産地消による地域脱炭素化と、地域経済の活性化を実現するため、地域エネルギーマネジメントシステムの構築を目指し、令和2年度から市内未利用地を活用した太陽光発電による自己託送の事業化可能性調査を進めてきました。令和3年度は、日射量予測及び発電量予測の精緻化を図るとともに、そのデータを基に作成した託送計画を電力広域的運営推進機関(以下「OCCTO」という。)へ通告するまでの工程について、手動による模擬実施を行いました。令和4年度は事業実施に向けた関係機関との協議及び調整等を行い、令和5年2月から日射量予測からOCCTOへの自己託送計画提出までの工程を自動で実行する太陽光発電自己託送管理システムを導入し、市内2か所の公共空地に設置した太陽光発電設備で発電した電力を、一般送配電事業者が維持及び管理する送配電ネットワークを介して市庁舎等に送電する自己託送事業を開始するとともに、発電実績・予測データの分析と運用手法の最適化に向けた検証等を引き続き行っています。

 

地域エネルギーマネジメントシステムの構築

導入効果

過去の実証結果を活かした自己託送実運用の実現

蓄電池を用いない太陽光発電自己託送の実施には、気象状況で変動する太陽光の発電量予測の精緻化が必須であるため、令和2年度から令和3年度にかけて太陽光発電量予測手法の検討と予測の精緻化について実証を行い、自己託送実運用の可能性について検討を重ねました。
令和2年度から3年度までの実証結果等を踏まえ、令和4年度には日射予測からOCCTOへの自己託送計画提出までの一連の工程を自動で実行する太陽光発電自己託送管理システムを導入し、同システムによる実運用を目指すため、公募型プロポーザル方式により、横河ソリューションサービス㈱を採用し、同システムの構築を委託により実施することとしました。
更新周期が短い人工衛星からの日射量予測データによる発電予測、発電予測データを補正する各種パラメータ設定等、過去の実証事業の成果を反映したシステムの構築により、令和5年2月から太陽光発電自己託送を実運用する運びとなりました。

 

自動化、省力化による業務負荷軽減

過去の実証事業においては日射量及び発電量予測のデータをもとに、託送計画を提出するまでの工程を手動によりミス無く実施することが課題であったことから、実用化には当該工程の自動化が必須でした。
横河ソリューションサービス㈱の既存自己託送管理システムに、本市が求める機能をカスタマイズすることで、託送計画を提出するまでの工程の自動化が図られ、自己託送事業の実現につながりました。

 

計画通りのシステム立上げと安定稼働

システムに関する経験が浅い職員でも対応できるシステム構築が必要でしたが、システム構築の作業中に生じる様々な質問や課題等に対する迅速、適切、そして丁寧な対応により、計画どおりのシステム稼働につなげることができました。
また、システム運用後においても、レスポンスセンターを介したカスタマーサポートサービス等の支援により安定したシステム運用を行っています。

 

複数の低圧発電所から複数拠点への託送の実現

本市では2か所の発電所を有するため、個々の発電所で発電された電力を複数の施設へ託送する必要がありました。
複数の低圧発電所からの自己託送は本市が初めてとのことでしたが、これらに対応可能なカスタマイズにより、実運用につながりました。
横河ソリューションサービス㈱により構築された自己託送システムでは、需要家の運用に沿って託送量の配分を自動で変更することができるため、今後の発電所の増設や託送先の増加にも対応が可能であり、電力調達における自己託送割合を高め、再生可能エネルギーの利用拡大及び二酸化炭素排出量の削減が可能になると考えています。

 

複数発電所から複数拠点への託送イメージ

今後の展望

現在、上泉地区及び朝日丘地区に設置した2か所の太陽光発電設備で発電した電力を、市庁舎及び芸術文化館等に託送していますが、今後は再生可能エネルギーの利用拡大及び有効活用に向け、発電所の増設及び託送先の増加について検討していきたいと考えています。

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