2008年6月11日
当社社員の御厨健太が、内閣府などが主催する産学官連携推進会議で日本学術会議会長賞を受賞することになりました。6月14日~15日に国立京都国際会館で開催される第7回産学官連携推進会議で表彰式が行われます。
表彰の対象は、当社の「マイクロレンズ付きニポウディスク技術」とNHK放送技術研究所の「HARP撮像管技術」を理化学研究所の協力のもとで組み合わせて作製した「リアルタイム3次元顕微撮像システム」です。生細胞内で起こる生体分子の動的変化を、世界最高速(3色分解を1億1,000万画素データ/秒以上)、高い3次元空間分解能(50nm)で観察できる性能が高く評価されました。今回、下記3名が功労者として日本学術会議会長賞を受賞することになりました。
[リアルタイム3次元顕微撮像システムの開発及び細胞内分子動態リアルタイム可視化研究]
- 横河電機株式会社 技術企画本部原価企画センター長 御厨 健太
- 独立行政法人理化学研究所 主任研究員
国立大学法人東京大学 大学院理学系研究科教授 中野 明彦 - 日本放送協会 放送技術研究所長 谷岡 健吉
受賞が内定した御厨は、「表彰されることをたいへん光栄にまた嬉しく思います。当社のレーザー顕微鏡技術を持つメンバーとNHK技研の谷岡所長方の超高感度カメラ技術メンバー、理研の中野先生方の将来の顕微鏡のあるべき姿を示す方々の力が結集し、経済産業省・NEDOのプロジェクトの成果となりました。実現したプロジェクト成果は、当社の創薬・バイオビジネスの商品開発で大いに役に立っています。」と述べています。
現在、基礎生物学は、個体・生態系レベルから分子・細胞レベルでの研究に範囲が広がっています。そのため、今回作製したリアルタイム3次元顕微撮像システムは、大学や企業などの研究機関で今後の基礎生物学研究の進展を支える重要なツールの一つとなるだろうといわれています。本システムが、アルツハイマー病等の神経変性疾患等のメカニズムや感染症の病原体侵入のメカニズムを解明し、新たな創薬コンセプトの創出に貢献することも期待されています。
リアルタイム3次元顕微撮像システムを構成する「マイクロレンズ付きニポウディスク技術」を利用した当社の共焦点スキャナーユニットは、国内外の細胞生物学者等から高い評価を得ています。1996年の発売以来、生きた細胞を対象とする解析装置の市場で高いシェアを獲得し、国内外で1200システム以上の納入実績があります。
以上