2013年8月30日発表
当社は、子会社であるヨコガワ・エンジニアリング・アジア(本社:シンガポール)が8月27日(火)から29日(木)までマレーシア・クアラルンプール市で開催した「Yokogawa Users Conference 2013, Asia Pacific」で、ISA(国際計測制御学会)が推進するフィールド無線の通信規格ISA100.11aに準拠した無線機器を用いた水位制御のデモを実施しました。ISA100.11a対応の無線製品による制御デモは業界で初めてです。
このデモは、当社の統合生産制御システム「CENTUM® VP」及び無線管理ゲートウェイ、無線対応の差圧・圧力伝送器「DPharp EJX」と、バルブやポンプの大手メーカであるFlowserve社※1 の無線対応D3バルブポジショナ(試作品)を用いて、タンク水位の制御を実現したものです。今回使用した機器はISA100 Wireless™※2 の要求仕様を満たしており、通信間隔1秒での高速応答を示しました。また、無線通信経路の二重化により、高い信頼性を確保しました。
当社は、監視のみならず制御までを含めたプラント現場への無線技術の応用を推進していますが、今回初めて、実プラントへの適用を想定して「CENTUM VP」を用いた制御の動作を公開しました。
今回の制御デモに使用した当社製品:
- 統合生産制御システム「CENTUM VP」
- 差圧・圧力伝送器「DPharp EJX Lシリーズ」
- フィールド無線用管理ステーション「YFGW410」
- フィールド無線用アクセスポイント「YFGW510」
当社は、無線通信技術をプラントのどこでも適用できる環境を表す「Wireless Anywhere」のコンセプトに基づき、ISA100.11a規格に準拠したフィールド無線システムをお客様に提案、製品・サービスの普及に取り組んでいます。ISA100.11aには、高い信頼性、アプリケーションの多様性、ネットワークの拡張性、FOUNDATION™フィールドバス、HART®、PROFIBUSなどの有線通信規格との高い整合性を持つ特長があります。当社は、これらの特長に加え、完全二重化による高い信頼性、大規模、長距離通信を実現する無線対応の製品群を提案しています。
このたび、高速応答かつ高信頼の無線制御を実現できたことは、実際のプラント制御への適用に向け大きな弾みとなります。今後、お客様のプラントで実証実験を行い、プラントにおける無線通信技術の発展をめざしてまいります。
以上
※1 Flowserve Corporation
Flowserve Corporation(本社、米国テキサス州ダラス)はポンプ、バルブ、シールのトップメーカーです。電力、ガス、化学、その他産業に製品、サービスを提供し、16,000名以上の従業員が世界50カ国以上で事業を展開しています。
※2 ISA100 Wireless
ISA100 Wirelessは、 ISAが推進するフィールド無線通信規格ISA100.11aに基づく通信技術とそれを実現するアプリケーションを指します。
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