2008年9月8日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、工場や事業所のエネルギー管理ソリューション「エネルギー原単位管理システム Enerize」の機能を大幅に強化し、従来のエネルギー消費量管理だけでなくCO2換算やコスト換算の自動化よる実践的な省エネルギー管理を実現できる「高機能型エネルギー管理システム」を開発、9月10日から販売を開始します。
当社は、この新製品を9月10日から12日まで東京ビッグサイトで開催される“製造業環境・エネルギー対策展2008”に出品します。
開発の背景
本年6月に発表された、いわゆる「福田ビジョン」※1、来年度から施行される「改正省エネ法」、東京都の「環境確保条例の改正」など、日本の温暖化防止施策が大きく動き出しました。これまでのエネルギー管理は、エネルギーの用途別や、エネルギーの系統、部門別の管理を行い、帳票や表計算でエネルギー管理を行うことも可能でした。ところが、これらの施策が導入されると、製造に係わるCO2の管理が複雑・多様化し、装置のベンチマーク管理(「改正省エネ法」)や、製品のCO2管理(「福田ビジョンのカーボンフットプリント」)を行う必要に迫られます。
従来の帳票や表計算でのCO2管理では、扱うデータ量の増大、CO2演算の複雑化、省エネのための解析を行うことが困難になります。そのために、設備・装置ごとのエネルギーデータを、わかりやすく演算、表示、解析する高機能型エネルギー管理システムが必要となりました。
※1 福田ビジョン:2008年6月9日に福田康夫内閣総理大臣が日本記者クラブで行った「低炭素社会・日本を目指して」と題するスピーチの中で提案した、地球温暖化防止対策。
製品の特長
CO2管理の複雑・多様化に対し業界初の3つの機能で対応します。
- CO2階層別解析機能
部署、工程、装置と階層別に展開できるツリー構造とすることで、エネルギー消費(CO2排出量)を装置別まで簡単に解析します。また、解析履歴を登録することで、お客様の管理ノウハウの蓄積・継承ができます。 - エネルギーフロー演算機能
装置、工程間のエネルギーフローを、誰にも直感的に分かりやすい図で記述することで、エネルギー、CO2、コスト、ロス、効率等を自動計算します。これにより、従来非常に複雑だった演算式の記述が不要になり、お客様の工数が大幅に削減されます。更に頻繁に発生する設備・工程の変更にも容易に対応することが可能となります。 - CO2パラメータ管理機能
毎年変化するCO2換算値、エネルギーコスト、お客様の予算体系をエネルギーフローに基づいて自動演算し管理します。
主な市場
製造業全般
用途
企業のエネルギー消費、CO2排出、エネルギーコスト等の管理
省エネルギー分野における当社の取り組み
横河電機は、石油、石油化学、化学、鉄鋼など各産業分野で、生産制御システムをはじめ生産効率化を支援するソリューションを提供し、その成果として省エネルギーの実現に貢献してきました。特に、エネルギーを大量に使用するエチレンプラントや鉄鋼業の高炉制御などの分野では圧倒的なシェアを持ち、大きな省エネ効果を上げています。
これらの製品・ソリューションに加え、自社工場の省エネ化で培ったノウハウを結集して、生産効率の向上によるコスト削減と、CO2削減をはじめとする地球環境改善を両立させる最適なソリューションの提供を行うため、2007年9月1日付で省エネルギー・環境保全ソリューション本部を設立しました。
今回機能強化するエネルギー管理システム以外にも、空調用2次ポンプの消費電力を90~60%も削減できる「エコノパイロット」(平成14年度の省エネ大賞省エネルギー庁長官賞受賞)など、お客様のニーズに答える幅広いソリューションを用意しています。
以上