2008年10月2日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、ペーパレスレコーダDaqstation®(ダックステーション)シリーズのネットワーク対応データ収集ステーションの機能強化版「DXAdvanced® R3(ディーエックスアドバンスト アールスリー)」を開発しましたのでお知らせします。発売は10月17日を予定しています。
今回の機能強化で、ディスプレイのカスタマイズ機能と複数設備やバッチごとの記録機能を追加したので、生産ライン監視の効率向上に貢献します。
当社は、この新製品を11月26日から28日までグランキューブ大阪(大阪市北区中之島)で開催される“計測展2008 OSAKA”に出品します。
開発の背景
当社のネットワーク対応データ収集ステーションDXAdvancedは、表示・記録・通信機能が一体化したパネル取付型のペーパレスレコーダです。液晶画面サイズが5.5インチで最大12チャネル入力タイプと10.4インチで最大48チャネル入力タイプの2機種をラインナップしています。
近年、生産現場では、レコーダのメンテナンス工数の削減や保存データの加工などを目的に、測定データを電子媒体に記録するペーパレスタイプが主流になっています。また、生産設備の運転中のデータや保存している履歴データをその場で確認するモニタとしての用途も重視されるようになっています。そのため、ユーザにとって必要なデータがわかりやすく表示されることがレコーダを購入する際の重要な判断基準となっています。
また、一定の数や量をある工程ごとにまとめて処理する機械工業(FA)分野を中心とした生産現場では、工程ごとにデータを収集して監視しています。その工程が複数装置で構成される場合、レコーダの多チャネル化が進むいまでもそれぞれの装置ごとにレコーダを取り付けてデータを収集しています。そのため、生産ライン全体のデータ管理を行うためには各レコーダからデータを収集する必要があり、データ管理に工数を要していました。
当社は、生産ライン監視の効率を向上したいというこれらのユーザニーズに対応するため、DXAdvancedの機能を強化しました。
機能強化の概要
- ディスプレイのカスタマイズ機能
トレンド表示や棒グラフなどさまざまな構成画面をユーザが設備に合わせて自在に配置したり、設備の模擬図上にデータを表示することで、直感的に設備のデータを把握することができます。 - 工程ごとに独立してデータを収集(マルチバッチ機能)
チャネルごとに独立してデータ収集の開始・停止を設定することが可能になりました。そのため、まとめて管理したい工程ごとにチャネルを割り当てることで、1台のDXAdvancedで工程ごとに独立したデータの収集ができるようになりました。 - オープンなシステム構築
産業用通信プロトコルの標準規格であるPROFIBUS-DP(※1)およびEtherNet/IP(※2)に対応しました。DXAdvanced とPLC(プログラマブル・コントローラ)や温調計などの機器との接続する際に、これらを共通インターフェースにすることで、ユーザにとって最適なマルチベンダシステムを容易に構築することができます。
主な市場
電力、石油化学、化学、鉄鋼、非鉄、紙パルプ、食品、薬品、電気、窯業、自動車、上下水道、各種セットメーカなどあらゆる産業の生産現場
用途
温度、圧力、流量および化学成分量など様々な製造プロセスデータの記録、監視
※1 PROFIBUS-DP
一定時間内の確実な応答と低コスト接続を長所とするFA分野向け通信プロトコルの標準規格。主に欧州で普及。PROFIBUS User Organizationの登録商標。
※2 EtherNet/IP
フィールド機器レベルから情報システムレベルまで全体の管理統合が可能な通信プロトコルの標準規格。主に北米で普及。ODVA(Open Device Net Vendor Association)の登録商標。
以上