2009年6月24日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀周造)は、当社のレンジフリーコントローラFA-M3R用に、オープンなモーションフィールドネットワーク※1の最新規格MECHATROLINK-Ⅲ※2(メカトロリンクⅢ)に対応した「位置決めモジュール」を開発、7月16日に販売を開始しますのでお知らせします。
MECHATROLINK-Ⅲに対応したモータドライバと「位置決めモジュール」を組み合わせることで、モータを使用する電子部品・電子機器組み立て装置や半導体製造装置などの産業機械・装置の省配線化、高性能化、高機能化を実現できます。
図 1:1接続からカスケード接続へ
開発の背景
当社のレンジフリーコントローラFA-M3Rは、プログラマブル・コントローラ(PLC)に分類される製品で、電子部品・電子機器組み立て装置や半導体製造装置など、産業機械・装置の組み込みコントローラとして使用されます。位置決めモジュールは、FA-M3Rに実装され 製造装置の位置決め動作を制御します。
機械・装置に搭載されるモータドライバやセンサとコントローラ間の通信は、かつては1:1接続でした。MECHATROLINK協会が仕様を公開・策定したMECHATROLINKをはじめとする各モーションフィールドネットワーク規格に対応した機器を採用することで、多段階に接続(カスケード接続)するシンプルな配線が可能になるほか、制御の高速化などが図れます。
今回当社は、従来のMECHATROLINK規格以上に高速、高性能なMECHATROLINK-Ⅲに対応したPLCである位置決めモジュールを市場に初めて投入し、機械・装置の高速化、省配線化によりユーザの生産性向上に貢献します。
製品の特長
- 最新オープンなモーションフィールドネットワークを構築
PLCとして初めて最新のオープンなモーションネットワークMECHATROLINK-Ⅲに対応しました。MECHATROLINK-Ⅲは、Ethernetベースにしてオープン性を高めた新しい高性能・高機能なネットワーク規格です。今後、この規格の普及にともない、サーボモータに加え、ステッピングモータ、リニアモータ、DDモータ、入出力機器、センサなどとの接続も可能になります。 - 高速・高精度な位置決め制御性
最大通信速度100メガビット/秒(当社従来比10倍)、通信周期0.5ミリ秒/8軸(当社従来比4倍)、1.0ミリ秒/15軸の高速通信で、工程にかかる時間を短縮、モータの性能を最大限に引き出します。 - 充実した装置監視機能
モータ1個あたり同時に8種類の情報(目標位置、現在位置、速度、トルクなど)を読み出せるため、装置の稼働状況をより詳細に監視することが可能になりました。
主な市場
電子部品/電子機器組立装置、半導体製造装置などの装置メーカ
用途
上記装置の組み込みコントローラとして使用
以上
※1 モーションフィールドネットワーク
機械・装置内部で、コントローラ、モータドライバ、モータ、センサなどで構成された、動作・制御機構。高速性や精密な同期制御が求められる。
※2 MECHATROLINKは、MECHATROLINK協会によって仕様を公開・策定された日本で唯一のオープンなモーションフィールドネットワークの規格です。当社はMECHATROLINK協会に幹事会社として参加し、規格の策定や普及に貢献しています。MECHATROLINKはMECHATROLINK協会の商標です。