2009年11月26日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、家電、OA機器、自動車の電子部品などの電子回路の研究・開発において必要な高精度の直流電圧/電流を発生する直流電圧/電流源「GS200(ジーエス200)」を11月27日に発売しますのでお知らせします。
今回当社は、ロングセラーを続けている製品7651の高精度、高安定性、高分解能、低ノイズ性能を継承した後継機として「GS200」を開発しました。7651と比べて、直流電圧/電流の発生レンジを拡大したほか、定電圧発生時の電流値、定電流発生時の電圧値を表示する簡易モニタ機能を搭載しました。これにより、過電流や接続不良を瞬時に把握できるようになり、開発品質の向上、測定効率向上が実現します。
GS200(ジーエス200)
開発の背景
近年、低炭素・資源循環型社会の実現に向け、二次電池、燃料電池、太陽光発電などの開発・製造の市場が立ち上がってきたことで、これらを構成する電子回路の研究・開発が活発化しています。それに伴い、電子回路の開発で必要とされる高精度な直流電圧/電流源の世界市場は、2002年度から着実に成長しています。今後も、これら新エネルギー関連分野を中心に直流電圧/電流源の市場は堅調に推移することが見込まれています。
当社は、開発品質向上と作業効率向上に貢献する直流電圧/電流源のラインアップ強化によりユーザの選択肢を広げ、直流電圧/電流源ビジネスの更なる拡大を図ります。
新製品の特長
- 高精度、高分解能、高安定性、低ノイズ
2つのD-Aコンバータを組み合わせた方式(デュアルD-Aコンバータ方式)を採用したので、高精度、高分解能の直流電圧/電流を出力します。また、短期、長期的に高い安定性を実現し、広い発生レンジで優れた直線性※1を有しています。また、発生する信号に重畳するノイズを100μVp-p※2未満に抑えました。 - 簡易モニタ機能(オプション)
簡易モニタ機能により、「GS200」のモニタ上で、過電流や通電の確認はもちろん、例えばLED素子の電気基本特性を測る際に電流を発生しながら電圧を測ることが可能になるなど、開発効率の向上が実現します。 - USBインターフェース経由で簡単プログラミング
「GS200」は、直流電流/電圧の発生パターンをプログラミングできます。PCで汎用のCSV形式で直流電流/電圧の発生パターンを作成し、「GS200」に転送するだけで最大10,000ステップの発生パターンを容易にプログラミングできます。また、PCと「GS200」はUSBインターフェース経由で接続するだけでデータの受け渡しが可能です。
主な市場
電子部品、家電、通信機器、二次電池、燃料電池、太陽電池を開発・製造している会社
用途
研究・開発における高精度な直流の電圧/電流源
※1 直線性
実際の出力電圧と設定値をグラフにしたとき、理想値の直線からどれだけ外れているかを表すもの。直線性が悪い場合は、高電圧で差がなくても中間地点でずれていたりする。(下図参照)
※2 100μVp-p(100マイクロボルトピークトゥピーク)
ノイズの最大値と最小値の差が100μV(0.1mV)であることを示す。
以上