2010年3月8日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、ペーパレスレコーダDaqstation®(ダックステーション)シリーズのネットワーク対応データ収集ステーションDXAdvanced®の機能強化版「DXAdvanced® R4 (ディーエックスアドバンスト アールフォー)」を開発、本日から販売を開始します。
今回の機能強化では、世界標準として普及している米国の行政機関であるFDA(Food & Drug Administration)が定めた電子記録および電子署名に関する規格21 CFR Part11(以下 Part11)に対応した機能を追加しました。医薬品製造会社が製造時に義務付けられている各種データを、多チャネル入力、大容量メモリ搭載、高速測定するペーパレスレコーダで記録することが容易になります。
DXAdvanced® R4
開発の背景
医薬品の製造では、製造ラインにおける汚染防止のため、滅菌処理や凍結乾燥の時間など各種データの保存・管理が義務付けられています。従来は、記録の改ざん防止のために、紙に記録する記録計を使っていました。しかし、データの検索が容易で記録の保管場所を取らない電子媒体に記録したいというニーズが高まり、米国FDAが、データの改ざん防止や電子署名などに関する規格Part11を制定し、医薬品製造時データの電子保存を認めました。近年は、Part11に準拠した記録方式が世界の医薬品製造業界で事実上の業界標準として普及し、Part11対応のペーパレスレコーダへのニーズがいっそう高まっています。
当社は、ペーパレスレコーダDXシリーズのPart11対応製品DX100P/DX200Pを2001年に発売して販売実績を重ねてきました。しかし医薬品製造業界では、測定入力点数の増加、データ収集・記録速度の向上、メモリの交換回数の削減というニーズが増えてきました。そこで、このたび当社は、これらのニーズに応え、DXシリーズの後継機種を開発しました。多チャネル、メモリの大容量化、高速化というユーザの最新のニーズを取り込んだネットワーク対応データ収集ステーションDXAdvanced R3 にPart11対応機能を追加し、DXAdvanced R4として発売します。
製品の特長
電子媒体に記録するため、記録の保管場所を取らず、データ検索が容易、ネットワーク機能により遠隔データ収集が可能、多チャネル(最大48チャネル)入力、大容量メモリ搭載、高速測定などのDXAdvanced共通の特長に加え、Part11対応製品は以下の特長を持っています。
- Part11に対応した各種機能
当社独自のバイナリ形式でデータを保存しているので、データの改ざんは事実上不可能です。また、限られた人のみ機器操作が可能なログイン機能、DXAdvancedR4本体もしくはパソコンから直接データに電子署名を行う機能、本体の操作記録(ログ)を保存して監査証跡(オーディットトレイル)に対応する機能があります。
主な市場
医薬品、電力、石油化学、化学、鉄鋼、非鉄、紙パルプ、食品、電気、窯業、自動車、上下水道、などあらゆる産業の生産現場で、製造プロセスデータの記録・監視というアプリケーション分野
用途
温度、圧力、流量および化学成分量など様々な製造プロセスデータの記録、監視
※ 21 CFR Part11(米国連邦規則21条第11章)
米国で医薬品の販売許可を申請する際に提出することを義務付けている製造データを、電子化して管理する際に遵守すべき要件を定めた規格。